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あつまれどうぶつの森で青いバラを作り出す手順のだいたいすべて

 これまでどうぶつの森を遊んではいても花の交配には手を出してなかったのだけど、ふとした気の迷いで試してみたらこれは確かに沼だな。どっぷりハマりました。というわけで特に沼が深い青いバラの交配手順について、いろいろと研究・実践してみた結果をメモとして残します。結論から言えば、この手法で非常に高効率で青いバラを作ることが実証されましたので、ぜひお試しください。

参考文献・謝辞・注意点など

まずそもそもこの研究は、下記の @hyperT7s 氏のデータおよびロジックが出発点となっています。先行研究に感謝です。遺伝子情報の表記もこちらに倣っています。

また、交配ロジックなどについてはDiscordのGarden Scienceチャンネル及びそのまとめを参考にしています。Discordはじめ海外のコミュニティでは、遺伝子情報を白-黄-赤ではなくR-Y-Wの順に表記するのが一般的なので気を付けてください(ここで言う赤00-00-11をR200と書いたりする)。

ACNH Flower Research

交配の仕組み

あつまれどうぶつの森における花の交配の仕組みは以下の通りです。

【交配について】
・花に水をやると、あるいは雨が降ると、翌日に新しい花が生えることがある
・新しい花は隣接する8マス(縦横斜め)のどこかに生える。もし空いているマスが無かったら生えない
・その際に、同じ種類の花が隣接して生えていると、新しい花は二つの花の遺伝情報を交配した結果のいずれかとなる
・もし交配できる花がない(同じ種類の花がいない、あるいは既に全て交配済み)場合、元の花と同じ遺伝情報の花が生える(自己複製)
・一度交配に使われた花は交配済みとなり、その日はもう交配には使われない
・新しい花が生える確率は標準では1/20程度だが、他の島の人に水やりをしてもらうと飛躍的に高くなる
・島内の全ての花に対して上記の判定が、発芽判定→発芽場所の決定→交配相手の決定の順に行われる

ここで言う「隣接」というのは縦横だけでなく斜めも含まれるので、こんな感じに斜めに植えられている花から、さらに斜めに花が生まれたりもします。

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また、交配相手を見つけるロジックはちょうど文化祭のフォークダンスみたいなもので、一度パートナーを見つけた花は、その日は他の花とはもう交わりません。もし誰もパートナーを見つけることの出来なかった花は、せっかく「子孫を残しても良いよ!」と神様に選ばれたにも限らず虚しく自分を複製します。もちろん最初からぼっち(周辺8マスに同じ種類の花が誰もいない)の場合も同様です。このロジックは遺伝子改良を進めるにあたって、後述する「意図せぬ自己複製」という厄介な問題を引き起こすので留意しておいてください。

遺伝情報の仕組み

【遺伝情報について】
・花は3種類の遺伝情報を持つ。バラだけは明度が加わり4種類
・それぞれの遺伝情報は0あるいは1の対である。つまり0001113通り
・これらの遺伝情報を、白-黄-赤という表記で表す(バラ白-黄-赤-明
・遺伝情報のパターンによって色が決まる
・ただし同じ色なら遺伝情報も同じだとは限らない
・同じ色で遺伝情報が違う花は見た目や名前では判別できない
・交配は、メンデルの法則的に行われる。つまり、はそれぞれ独立して交配し、交配の際には遺伝情報の対のうち片方が、相手の片方とランダムに結びつく

例えば店で売っている「あかいコスモスのたね」を蒔いて生える赤い花の遺伝情報は00-00-11です。「白と黄色の遺伝子が弱く、赤の遺伝子が強い」って感じですね。ただし他にも赤になる組み合わせはいろいろあり、例えば11-01-11の遺伝情報を持つコスモスもやはり赤です。「白も赤も同じくらい強いし、黄の要素もあるけど、赤の方が優勢である」って感じですね。

さて、01-00-00という花と11-00-00という花が隣り合って植えられていたとします。この花同士が交配すると、白の遺伝情報については以下の図のようになります。01の方は0と1に分かれ、それぞれ50%の確率で選ばれる。同様に11の方は1と1に分かれる。それぞれの組み合わせは、01が25%、01が25%、11が25%、11が25%。トータルとして、交配後の花の白の遺伝情報は01になる場合が50%、11になる場合が50%ということになります。

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また、黄と赤についてはどちらも00なので、交配後の結果は必ず00になります。まとめると、01-00-00という花と11-00-00という花を掛け合わせた結果生まれる花は、01-00-0050%11-00-0050%ということになります。

ここで重要なのは、「同じ色で遺伝情報が違う花は見た目や名前では判別できない」という点です。例えばコスモスであれば、01-00-0011-00-00はどちらもです。これらを植えるところまでは、どちらがどちらか覚えていられても、生まれた白がどちらであるかは判別ができません。これがもしキクであれば、01-00-00ですが11-00-00です。紫であれば11-00-00だと判別できます。このように、交配を進めるにあたっては、生まれた花の遺伝情報が特定できるかという点が極めて重要になってきます。

コンタミさせない畑作りのコツ

遺伝情報を特定できないような状況を避けるためには、花を植える際のレイアウトにも気を使う必要があります。

例えば、白(01-00-00-00)黄(00-11-00-00)から、遺伝子強化された白(01-01-00-00)を作ろうと下図左側のようにバラを植えたとします。この組み合わせから生まれる白は、必ず遺伝情報が01-01-00-00になります。しかし、もしこの図右側のように1マス開けた位置に他の白(01-00-00-00)が生えていたらどうなるでしょうか。無事中央のマスに新しい白が生まれたとして、その白は左側由来の01-01-00-00なのか、右下の白の自己複製である01-00-00-00なのか判別することができません。異なる結果を求める畑同士は、2マス離すか壁や舗装、家具などで分割するようにしましょう。シミュレーションゲーマー向けに言うなら「ZOC同士を重ねるな」という説明になります。

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また、一見コンタミを避けたレイアウトのつもりでも、意図せぬ自己複製が起こって遺伝情報が汚染される場合があります。例えば先の例と同じく白(01-01-00-00)を作ろうとして、以下の図のようにサイコロの5の形に配置したとします。5回も発芽の判定が行われるので一見良さそうに見えます。しかし、もしAとBが交配してFが生まれたとすると、Aの黄は「交配済み」となり、それ以上交配には使われません。その後にC、D、Eが発芽判定を通ったとしても、交配可能なAが使えないので自己複製が行われることになります。結果Gが生まれたとして、FとGのどちらも黄との交配結果の01-01-00-00なのか、自己複製の01-00-00-00なのか判別が付きません。

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意図せぬ自己複製を実際に実験してみたのが以下の例です。赤いアネモネの種(00-00-11)オレンジのアネモネの種(00-11-00)からは、本来ピンク(00-01-01)しか生まれません。ところが、まず左側でピンクが生まれた結果、中央の赤が交配済みになってしまったため、右側のオレンジの自己複製が起こってしまっています。

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なぜ効率的な組み合わせが重要なのか

このプロジェクトの目標は、青いバラをとにかく一つだけ作ることではなく、青いバラを継続的に効率良く生産する体制を確立することです。そのためには、目指す交配結果の確率がなるべく最大となるような配合を選択し、かつより良い配合があればそちらに乗り換える、と常に効率を求め続けることがとても重要です。

というのも、交配によってどんな花が生まれるかとか以前に、前述した通りそもそも交配自体が発生する確率がとても低いからです。下のスクリーンショットは当マレニカライ・シシ島のバラ農園ですが、57本の花が植えられていて、24時間で新しく生まれた花は4本。他の島の人による水やりが行われないとすると、よくある9x9に4本植えた畑では4日に一度新しい花が咲けば良い方だということになります。

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例えば普通のソシャゲのガチャなら、排出率はともかくガチャ自体は課金の許す限り引くことができるわけですが、どうぶつの森の場合はガチャを引く機会自体がガチャです。そのチャンスは植えた花の本数に比例するので、僕の心のヤバい最適化厨が「島全体を整地してバラ農園にしろ」と囁きますが、さすがにアレなのでせめてなるべく期待値が高い選択を取り続けようというわけです。

青いバラを作る手順の概要

で青いバラ(11-11-11-00)ですが、青いバラ自身同士の交配(100%)を除けば、取り得る組み合わせ120通りの中で最も高い確率は25%です。そしてそれらの組み合わせに使われるバラは以下の4種類しかありません。

・赤(11-11-01-00)
・赤(11-11-11-01)
・オレンジ(01-11-11-00)
・黒(11-01-11-00)

詳細は長くなるので省きますが、これらの内で交配がまだ容易というか現実味があるのは赤(11-11-01-00)のみとなります。よって、以下の手順ではこの赤(11-11-01-00)を作ることを目指します。概要としては以下の通りです。

1. 白x白→紫α、黄x白→白β、黄x赤→オレンジαを作る
2. 1.の紫と白から、強化された紫βを作る
3. 2.の紫βと1.のオレンジαから、強化されたオレンジβを作る
4. 3.のオレンジβ同士から、強化された赤βを作る
5. 4.の赤βから青を作る


フェーズ1:紫α、白β、オレンジαの作成

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まず初めに、基礎となる3種類の第二世代、紫α(11-00-00-00)、白β(01-01-00-00)、オレンジα(00-01-01-00)を店売りの種から作ります。


【A】 種から育てた白(白α: 01-00-00-00)同士を交配させて、紫α(11-00-00-00)を作る(25%)。
が生まれた場合は破棄75%

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Aの畑は白同士の交配で、目指す色も親と違い紫なので、自己複製を気にしなくて良いですから、なるべく密に植えると効率が良いです。他の島の人に水やりを手伝って貰わない限り、発芽率は基本5%しかありません。紫が生まれるかどうか以前に、そもそも新しい花が生まれるチャンスを増やすことがとても重要です。

逆に、もし他の島の人に水やりを十分に手伝ってもらえるなら、発芽率は80%にもなります。こうなると、せっかく発芽しようとしたのに場所がなくてキャンセルされた、ということが起こってしまい、もったいないです。その場合は例えば下のように植えると良いでしょう。最高で7ペア0クローン、最低でも4ペア3クローンが保証されています。

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【B】 種から育てた白(白α: 01-00-00-00)と、種から育てた黄(黄α: 00-11-00-00)を交配させて、白β(01-01-00-00)を作る(50%)。
が生まれた場合は破棄50%

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Bの畑はAと異なり白と黄の交配です。Aと同じように植えてしまうと、意図していない同じ色同士のペアが発生してしまうので、それを避けるために離して植えると良いでしょう。

よくあるダイヤモンド形に植える畑でも機能しますが、実はあまり効率が良くありません。一見たくさん花が咲きそうですが、どう頑張っても最大で4ペアしかできないのは同じであり、11箇所もスペースが空いていても無駄になります。花も10本しか植えられていないので、発芽チャンスも10回しかありません。それならば12本植えてチャンスを増やした方がベターです。

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また、Bの畑で最も気を付けなければならないのは、白と黄の位置を間違えないことです。具体的には白は必ず中央に配置し、ペアからあぶれる可能性が無いようにしなければいけません。さもないと、せっかく生まれた白が目的の白βなのか、それともあぶれた白の自己複製なのか判別できず、破棄せざるを得なくなります。これが自己複製によるコンタミネーションです。

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【C】 種から育てた黄(黄α: 00-11-00-00)と、種から育てた赤(赤α: 00-00-11-01)を交配させて、オレンジα(00-01-01-00)を作る(50%)。
が生まれた場合は破棄50%
また、赤と赤の交配により黒(00-00-11-00)が生まれた場合は、随時赤を置き換える25%)。
その他、赤・ピンク等が生まれた場合は破棄。

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Cの畑は赤x黄からオレンジを狙うので、 Bのようなコンタミネーションの危険がありません。従って比較的どのように植えても大丈夫ですが、ひと工夫して上記のように植えると良いでしょう。この様に植えると、当然ながら赤x赤の交配も発生しますが、それにより25%の確率で生まれる黒(00-00-11-00)は、黄と交配させることでオレンジαを100%の確率で生成します。黒が生まれたら都度、赤を置き換えていきましょう。最終的にはこんな感じに、発芽さえすれば100%オレンジを生む畑に生まれ変わります。

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気を付ける点としては、必ず種から育てることの他に、生まれた花の中で目的の花以外のものは必ず取り除いて破棄(売るなど)してください。遺伝情報が劣化していて今後の交配にも使えませんし、何かの間違いで交配に使う優良な花と混ざってしまったら最悪です。よくある失敗が、植え替える際に虫食い状態のポケットに入れてしまって「どの花だったか分からなくなった」というやつです。特にAの白とBの白を混同しないようにくれぐれも注意してください。


フェーズ2:紫βの作成と選別

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このフェーズ2の目的は、紫β(11-01-00-00)を作成することです。そのためにまず、フェーズ1のAで作成した紫α(11-00-00-00)と、Bで作成した白β(01-01-00-00)を交配させます(D)。

【D】 A紫α(11-00-00-00)B白β(01-01-00-00)を交配させて、を作る(50%)。この紫は、紫β(11-01-00-00)と紫α(11-00-00-00)のいずれか(確率は半々)
が生まれた場合は破棄50%

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Dは紫x白から紫を求めるため、紫のコンタミを起こすわけにはいきません。そのためにはBのように紫α白βでサンドイッチした形が良いのですが、おそらく白βはそこまで大量に、少なくとも紫αの倍のペースで生まれるということは無いと思います。なのでシンプルに1ペアづつ離して植えましょう。この場合、縦は2マスに縮めるとよりスペースが節約できます。

それでもまだ何となくスペースが勿体ないという人は、複数品種の混栽がおすすめです。下の図のように、別の品種で壁を作ることによって、コンタミネーションを防ぐことができます。ただし、最高に運が悪いと紫βが4箇所中2箇所にしか生えないので、それを気にする方は素直に上のやり方で植えてください。

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さて、Dから無事紫が生まれたとします。しかしこの紫は、目的の紫β(11-01-00-00)なのかどうかは実は定かではありません50%の確率で元の紫α(11-00-00-00)と同じ遺伝子の花が混ざり、しかも見た目では判別できません。これらはいわば11-01-00-0011-00-00-00の量子的な重ね合わせの状態にあり、このままシュレディンガーのバラ状態で代を重ねると後々大いに祟ることになるので、別の畑に移して遺伝子検査を行います。それがEの畑です。

【E】 Dと、種から育てた黄(黄α: 00-11-00-00)を交配させる。
もし黄が生まれたら(25%)、その紫は紫β(11-01-00-00)で確定するので、その紫を次のFに投入する。生まれた黄は黄β(01-11-00-00)なのでD+で使う。
が生まれた場合はは不定のままだが、そのは全て白β(01-01-00-00)なのでDで再利用できる(75%

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Dで生まれた紫種から育てた黄(黄α: 00-11-00-00)を交配させて、もし黄が生まれたならその紫は紫β(11-01-00-00)で確定です。下のスクリーンショットが成功例です。赤丸で囲った黄色いバラが生まれているので、これの元となった隣の紫は紫βであることが確定しました。

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Eの畑を作る上で重要なポイントとして、それぞれの検査結果が絶対に混ざらないようにする必要があります。この例では、左右は2マス離して植え、上下には別の花を挟むことで、それぞれの検査結果の独立が保証されています。

あるいはシンプルに、それぞれの検査の間を石畳やテラコッタなど花が生えない舗装で区切るのも良いと思います。スペースは少し勿体ないですが。

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また、Eでの検査の副産物として生まれる黄は必ず黄β(01-11-00-00)であり、D白β(01-01-00-00)の代わりに使うことで、紫β(11-01-00-00)を確定で生み出すことが可能です(D+)。なるべくDD+に置き換えていきましょう。また同様に白βEから生まれるので、Eがある程度の数になったらBはもう不要になります。他の畑にスペースを回しましょう。

【D+】 A紫α(11-00-00-00)と、E黄β(01-11-00-00)を交配して、紫β(11-01-00-00)を作る(50%)。
白が生まれた場合は全て白β(01-01-00-00)なのでDで再利用できる(50%

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なお、D+Dの畑は混ざらないように必ず区切ってください。せっかくD+からは100%紫β(11-01-00-00)が生まれるのに、Dの結果と混ざってしまうと結局Eの検査を行わなければならないからです。


フェーズ3:オレンジβの作成

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このフェーズでは、前のフェーズ2で苦労して選別した紫β(11-01-00-00)と、フェーズ1でCで作ったオレンジα(00-01-01-00)を交配させて、オレンジβ(01-11-01-00)を作ります。

【F】 D紫β(11-01-00-00)Cオレンジα(00-01-01-00)を交配させて、オレンジβ(01-11-01-00)を作る(12.5%)。
黄β(01-11-00-00)が生まれた場合は(12.5%D+に再利用するか、Gに投入して白γを作成する。
その他、赤(37.5%)白(37.5%)が生まれた場合は破棄

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この時点ではおそらくオレンジαの方が紫βよりも多く手に入っていると思いますが、オレンジx紫からオレンジを得ようとするため、オレンジのコンタミを起こすわけにはいきません。Dで紹介した混栽を用いると良いでしょう。壁役で植える花はバラでなければ何でもOKです。どうせなら他のレア花も育ててみましょう。あるいはスペースに余裕があるのなら、5x5の畑にして6ペア植えるのも良いと思います。

ただこの畑、求めるオレンジβが生まれる確率は12.5%と決して高くありません。もし余裕があるなら、副産物として生まれる黄β同士を交配させて白γ(11-11-00-00)を作成すると良いでしょう(G)。

【G】 黄β(01-11-00-00)同士を交配させて、白γ(11-11-00-00)を作る(25%)。黄が生まれた場合は破棄(75%

この白γはとても優秀で、青を目指すにあたり紫β(11-01-00-00)黄β(01-11-00-00)白β(01-01-00-00)の上位互換として機能します。F紫βの代わりに使用すれば、倍の効率でオレンジβを産出します(F+)。

【F+】 白γ(11-11-00-00)Cのオレンジα(00-01-01-00)を交配させて、オレンジβ(01-11-01-00)を作る(25%)。
黄β(01-11-00-00)が生まれた場合は、Gに再投入する(25%)。
白β(01-01-00-00)が生まれた場合は、Dに再投入する(25%)。
赤ω(01-01-01-00)が生まれた場合は(25%)、赤ω同士を交配させると1.75%の低確率だが青が生まれることがある。

そう、最終的には紫βは必要なくなるのです。あんなに苦労したのに。でも紫βもいらない子ではありません。紫β同士を掛け合わせると(G+)、黄β同様に白γを25%で生産してくれる上に、紫β自身も高い確率で再生産します(2/3)。Eのテスト畑は維持しておいて、G+から生まれた紫αβを検査するようにすればさらに効率が上がります。

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【G+】 紫β(11-01-00-00)同士を交配させて、白γ(11-11-00-00)を作る(25%)。
75%)が生まれた場合は、2/3紫β(11-01-00-00)1/3紫α(11-00-00-00)なので、Eに投入してスクリーニングする。

下のスクリーンショットは実際にフェーズ3を実践している様子です、下部左側がオレンジβの畑(F)、右側が白γの畑です(GG+)。

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フェーズ4:赤βの作成

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【H】 オレンジβ(01-11-01-00)同士を交配させて、赤β(11-11-01-00)を作る(12.5%)。
また、青(11-11-11-00)6.25%の低確率で発生する。
白γ(11-11-00-00)が生まれた場合は、次のH+に投入する(6.25%)。
その他、オレンジ56.25%)、18.75%)は破棄する。

あともう少しです。オレンジβ(01-11-01-00)同士を交配させることで、赤β(11-11-01-00)を作りますが、実はこの時点で既に最終目標である青(11-11-11-00)が発生する可能性があります。ただしその確率は6.25%と低いので、この畑を広げるよりはやはり赤βを目指しましょう。また、Hは有用な花が赤β12.5%白γ6.25%青6.25%の合計25%と有効生産率が決して高くないので、早めの青の誘惑に後ろ髪を引かれないのなら次のH+にアップグレードした方が効率が良いです。

【H+】オレンジβ(01-11-01-00)白γ(11-11-00-00)を交配させる。
赤β(11-11-01-00)25%の確率で発生する。
白γ(11-11-00-00)オレンジβ(01-11-01-00)25%の確率で発生するので、H+に再投入する。
黄β(01-11-00-00)が生まれた場合は、G+に戻す25%)。

オレンジβ(01-11-01-00)白γ(11-11-00-00)を掛け合わせるH+は、赤β25%の高確率で発生させる上に、生まれる他の花もすべて有用という有効生産率100%のとても優秀な畑です。自身で使うオレンジβ白γを再生産するので、時間が経てばどんどん畑が自己増殖していきます。

これが実際にフェーズ4を実践中の様子です。白γがH+から2本、G+からも2本生まれたので、Hの畑の半分はこの後H+にアップグレードされました。

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フェーズ5:青の作成

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【I】赤β(11-11-01-00)同士を交配させることで、青(11-11-11-00)25%の確率で発生する。

あとは赤β同士からを作り出すだけです。青が出なくても、赤β自身も50%で再生産されるのでIの畑はどんどん拡大いして行きますし、25%で生まれる白も白γH+に再投入できます。また生まれた花同士が交雑しても、この3種類以外が生まれることはないので放っておいても大丈夫という、まさにゴールにふさわしい完璧な畑です。お疲れ様でした!あ、生まれた青はもちろんクローニングして増やしましょう。

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まとめ

手順の全体図は以下になります。フェーズが進むにつれDD+で置き換えられたり(それに伴ってBも不要になる)、F+まで進むとDEの紫フェーズがそもそも不要になったり、H+Iまで進むと自己再生産で増殖していったりと、限りある耕地リソースをそれぞれのフェーズでどう最適に割り振るか、が重要なポイントとなってきますし、最も面白い部分です。ぜひ皆さんも青いバラの育成に挑戦してみてください。

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なげーよもっと簡単なやり方ないの?

とはいえ、別にここまで必死こいて作るほどではないけど、もし咲くものなら咲いてほしい、くらいの人も多いかと思います。確率が低くて良いのなら、次の手順で比較的少ない手順で青いバラを咲かせることができます。

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1. 種から育てた白と、種から育てた赤を交配させて、を作る(50%
2. 1.で作った赤と、種から育てた黄を交配させて、を作る(12.5%
3. 2.で作った赤同士を交配させると、1.56%の確率で青いバラが咲く

1.で増える赤いバラは、実は00-00-01-0001-00-01-00の二種類あるのですが、欲しいのは後者だけです。ただ、黄と交配したときに赤を生むのも後者だけなので、選別することなく構わず交配させて赤が生まれたら結果オーライ、という具合です。
コツとしては、1.の数をケチらないことで、例えば一輪だけ試した花が00-00-01-00だったりしたら、待てど暮らせど永遠に2.で赤は咲きません。1.の数はなるべく多くしましょう。いつまで経っても2.でオレンジや黄しか咲かない場合は捨てて別の1.を試しましょう。なおもし白が咲いたらその赤は01-00-01-00なので、その時は気長に待ってあげましょう。青が咲くのはさらに低確率なので(1.56%=1/64)。

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バラ以外の花はどうなの?

バラ以外はどうなの?という話ですが、遺伝子が4つのバラがこれだけ複雑なだけで、他の花は全部合わせてもバラの解説より短い範囲に収まります。

ユリ

他の7種の花の中ではユリが最も簡単です。レア花はあえて言えば黒(00-00-11)ですが、種から育てた赤(01-00-11)x赤(01-00-11)であっさり二世代目で出ます(25%)。ピンク(11-00-11)も同じく赤x赤から(25%)。オレンジ(00-01-01)が欲しければ赤(01-00-11)x黄(00-11-00)で。

1.  種から育てた赤(01-00-11)と、種から育てた赤(01-00-11)を交配させると、黒いユリ(00-00-11)が咲く(25%)

ヒヤシンス

ヒヤシンスのレア花は紫(**-11-11)です。まずオレンジを作り、そのオレンジ同士を交配させると6.25%の低確率ですが紫(00-11-11)が生まれます。この過程で生まれる青(00-01-11)同士を交配させると、より高確率(25%)で紫を生む上、青自身も再生産するのでなるべく青x青に切り替えていくようにすると効率的です。

1.  種から育てた赤(01-00-11)と、種から育てた黄(00-11-00)を交配させて、オレンジ(00-01-01)を作る(50%)。生まれた黄は廃棄。
2. 1.のオレンジ同士を交配させると、紫(00-11-11)が6.25%の確率で生まれる。また青(00-01-11)が12.5%の確率で生まれる。
3. 2.で生まれた青(00-01-11)同士を交配させると、紫(00-11-11)が25%の確率で生まれる。また青(00-01-11)自身も50%の確率で再生産される。赤は破棄する。

キク

キクのレア花は唯一キクだけの色である緑(0*-11-11)です。キクの育て方はヒヤシンスと非常に近いのですが、最初に作る二世代目の色が親と同じ黄なのでコンタミネーションを起こさないように注意が必要です。そのまま黄β同士を交配させて緑が生まれるのを待っても良いですが、もし紫が生まれたら、その紫は黄βの上位互換として使えるので、黄βを置き換えていきましょう。

1.  種から育てた赤(00-00-11)と、種から育てた黄(00-11-00)を交配させて、二世代目の黄β(00-01-01)を作る(100%
2. 1.の黄β(00-01-01)同士を交配させると、緑(00-11-11)が6.25%の確率で生まれる。また、紫(00-01-11あるいは00-11-01)も25%の確率で生まれる。他にはピンク(00-00-01)も12.5%の確率で生まれる。
3. 2.で生まれた紫は、どちらの遺伝子であってもその紫同士を交配させることで緑を25%の高確率で生む。また、紫と1.の黄βを交配させても緑を12.5%の確率で生む。ここで生まれた紫は再び00-01-11あるいは00-11-01のいずれかなので、3.のサイクルに再投入できる。

注意点として、種から育てた白同士を交配させて生まれる紫は遺伝子情報が11-00-00であり、上記の2. 3.で生まれる紫とは異なり緑を生むことはありません。くれぐれもコンタミさせないように気を付けてください。

検証日誌

【4/29/2020】とりあえず時点のA/B/C農園。ひとつ書いてないコツとして、Cのオレンジαは赤の代わりに、種からの赤同士を交配して生まれる黒(00-00-11-00)を黄色と掛け合わせると100%でオレンジになります。でもまだ一度も生えてないけど。

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【5/1/2020】紫の一世代目(11-00-00-00)が4本、白の二世代目(01-01-00-00)が6本になったので、紫の二世代目(11-01-00-00)を育成中(D)だけど、全然生えないなあ。あとまだすぐには必要ないとはいえ、オレンジも相変わらず全然生えない(C)。

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【5/3/2020】紫の二世代目(11-01-00-00)「候補」が無事2本咲いた(D)。さっそく種の黄(00-11-00-00)と掛け合わせてスクリーニングを行う(E)。スクリーニングで黄色が生えたらオレンジと掛け合わせる次の段階に進める。そのオレンジ(00-01-01-00)も2本咲いたので(C)、植え替えて密にしておき余分な交配が起こらないようにしておく。

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【5/5/2020】ようやくスクリーニングを通過した、すなわち紫β(11-01-00-00)であることが確定した紫が3本見つかり、フェーズ3のオレンジβ(01-11-01-00)を作るところまで来た(F:中央の畑)。
またスクリーニング成功の副産物として、黄β(01-11-00-00)も同じく3本手に入ったので、Dの畑をD+に入れ替える(右側の畑)。この畑で紫α(11-00-00-00)と黄β(01-11-00-00)から生まれる紫は紫βであることが確定しているので、左側のスクリーニング畑は徐々に不要になっていくことになるが、今はまだその時ではない。

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【5/8/2020】ついにオレンジβ同士を掛け合わせるところまで来た(H:右下の畑)。ここがマイルストーンなのは、この組み合わせの時点で青を生む可能性がもうあるということ。ただ効率は著しく悪い(6.25%)ので、やはり赤βを作ることを優先したい。

とはいえその確率も低いので(12.5%)、やはりそろそろ黄βx黄βから白γを作るべきか?(G)白γは極めて優秀な株で、どのフェーズでも数段上の畑を作ってくれる。今回で言えば、青こそ出ないものの生まれる花全てがぜんぶ有用(有効再生産率100%)という畑(H+)が出来る。元の畑(H)の有効再生産率は25%しかないのでこの差は大きい。

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【5/11/2020】Hの畑から赤β(11-11-01-00)がなかなか生えてくれない。せっかく水やりを手伝って頂いて発芽率は高くなっても、12.5%という確率はやはり厳しいものがある。なので前述の通り、白の三世代目(白γ:11-11-00-00)を作ることにした(G/G+)。黄βが6本、紫βが6本余っているので、合計6ペア用意する。白γさえ手に入ればもはや勝ったも同然と言えよう。

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【5/12/2020】なんと、赤βより先に青いバラがオレンジβから咲いてしまった!(H)しかも2輪も!確率とはあくまで確率でしかないのだなあ(青は6.25%、赤βは12.5%)。嬉しいけど理論全体の実証はしたいので引き続き育成を続けます。俺たちの戦いはこれからだ。未完。

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【5/15/2020】白γを使った畑はやはり高効率である。赤βが1本、白γの再生産が2本得られた。これで赤βがようやく4本になったので、最終形態であるIの畑を作ることができる。ここから青が生まれれば検証は完了!明日どうなるか楽しみだ。

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【5/17/2020】無事に赤βx赤βの畑から青いバラが生まれた。理論は間違ってなかったんや!一度ここまで至れば、赤β自身も再生産されて増え続けるし、青は青でクローンで効率よく増えるし、安定した収穫期に入る。だいたい三週間ほどで実現した形かな。

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【5/18/2020】赤βの数が12本に増え、青が2本、赤βの再生産が3本、白γも1本咲いた。さすが有効生産率100%の畑。青クローンも順調。昨今の悩みはむしろアネモネ紫があまり咲かないことだったりする。他の花についても追記しようかな。

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【6/13/2020】本筋ではないが、「なげーよもっと簡単なやり方ないの?」で紹介した手順でようやく実際に青いバラが咲いてくれた。理論上は咲くはずと思いつつも確率が1.56%と低いので積極的な検証は行わずに放置していたのだけど、おお実際に咲くんだ。ともあれこれで載せた理論の実証は全て完了したということに。

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