2023.7月頭池袋ミカド劇場

まとまった休みと懐に余裕のある状態が重なることは、私の生活では稀である。そして夏という季節は、満喫したいという独特の焦りを生む。

西武池袋本店の屋上には庭園があり、「かるかや」という小さなうどん屋がお店を構えている。夏季限定メニューである茄子の冷やしうどんが、SNSで写真と共に紹介されていた。それがとても美味しそうで、食べにいくことを決めた。

また、この週は池袋ミカド劇場に登板して、マリリン・モンローをモチーフにした新作を披露しているというお知らせも目にし、両方を満喫する為に池袋へ向かった。

香盤順は、
1:黒井ひとみさん
2:新井見枝香さん
3:愛あられさん
4:漆葉さらさん
5:夢乃うさぎさん
6:函館エリィさん

踊り子さんそれぞれの個性や健在能力が発揮されている濃厚な内容で、各ステージ、各回で息継ぎのタイミングが無いような香盤だった。

そして、その雰囲気作りの中核を担っていたのは、愛あられさんと漆葉さらさんのコンビのように思う。
ステージの個性は違えど、お二人を中心に各踊り子さんもトークタイムや合同撮影の時間をとても楽しんでいるように見えた。

あられさんは、この日が初観劇だったが、3回目の演目は内容も構成も丁寧で、伸び伸びとパフォーマンスをされているような姿もとても良かった。私が日々感じる窮屈さを代わりに打ち破ってくれているような開放感が、見ていてとても気持ちが良かった。

さらさんは、あられさんと同じ音を使って全く違う世界観を演出していた。さらさんの身体と刻まれた墨、ベールのような衣装が渾然一体となって、ノンストップのパフォーマンスが繰り広げられてかっこよかった。

新井さんのマリリン・モンローをモチーフにした新作は、初めて池袋ミカド劇場で拝見した前作同様に、ミカド劇場のステージとの相性がすこぶる良かった。
正面からのライティングと後ろに映る影や、床から照らされるピンク色の照明などをバッチリと味方につけて繰り広げられる、クラシックなアメリカの世界観を現代にブラッシュアップしたようなパフォーマンスはとてもかっこよかった。
後半の生地1枚から展開される立ち上がりまでの流れも綺麗で、最後の決めポーズは演目をとてもお洒落に着地させていた。

オーディーで触れていた某エナジードリンクの演目も、初観劇以来だったが、やはりビジュアルのまとめ方がとても上手いなと改めて思った。「Blue Feathers」も同様で、熱海銀座劇場で拝見した時にも感じた、演目に込められたメッセージや物語がスッと頭の中に入ってくる感覚が個人的にはとても良い。

オーディーでは、某エナジードリンクの演目後のトークタイムでは、お客さんの並びが悪いと話していたが、この日は多くのお客さんが列を作っていた。新井さんだけではなく、この日出演していた踊り子さん全てに、多くの人が列を作っていて、そこからも、この香盤の凄さが感じられる気がした。

とにかく濃厚な1日だったので、私の文章力では簡潔にまとめきれず、多くのことを割愛しているが、過去にゼロを拝見してから物語が進まずじまいだった黒井さんの「反戦歌」もやっとイチまで拝見できたし、久し振りに夢乃さんのフワッとしたキャラクターと対照的なキリッとしたステージも拝見できたし、誕生日週である函館さんのバースデー演目や個人的に凄く良いなと思ったサーカスピエロの演目を知れたりと、夏の暑さにも勝る熱い熱い香盤だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?