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新卒から上京までと開業しよう編


前回の記事の続きです。

前回は悩みながらも結局グルーマーの道に進む
というなんとも高校生の時と変わらない
なんとなく、という思考のまま社会人になりました。


ですが、私が想う価値観は当時から育まれていたようです。

犬が好き。
犬が豊かに暮らしているのが好き。
その犬と関わる人が笑顔であることが好き。

それはずっと変わらないままです。

新卒から現在まで
3つの会社に勤めました。

色々勉強させていただいた反面
グルーミング・トリミングという仕事という面で
あまりいいイメージを育めなかったので
マイナスなことも書いてしまうかもしれません。

ですが、誰かを否定したいというつもりはありません。
みんなその当時・その場所で自分の価値観を持って働いていたのです。

目次

1. 新卒の動物病院の併設サロン
2.家族と社員少人数のサロン・専門店
3.都内の動物病院


1. 新卒の動物病院の併設サロン

とても大きな病院でした。
病院・サロン・トレーニング・ホテルと充実していて
スタッフの人数は30名程
サロンでも10名のグルーマーが勤めていました

9時から20時勤務

忙しく、休み時間が取れない日もありました。
そして、先輩・上司との関係に意識を配らなければ
いけない状況になることが多く、慣れない仕事と
張り詰めた環境に順応していくのがとても大変でした

カットの仕上がりはとても綺麗でした
綺麗に面が揃っていてそうでないと
お客様のもとへお返しができないです。

上司が一度
この仕上がりは私の作品ではないな
と目の前のわんちゃんに不満そうに語りかけて
いました。

カットの技術的には向上心がある
もっと頑張って満足のいくものにしようというもの
だったかもしれませんが

その一言が衝撃でした。
作品という言葉がいつまでもショックで
私は犬のことを作品として
カットするのを目指したいとは思えないから。

思いがけない一言でしたが、
その一言がずっと残り続けてしまいました。

新卒の社員はシャンプーコースや爪切りなどの
下準備と呼ばれる作業を多くこなしました。

シャンプーコースというと
Gレト・柴犬・コーギー・ダックス・チワワなど
担当することが多く。

柴犬やコーギーは怒る・噛むの子が多かったです。
でもその当時は怒るこ、噛む子には口輪をするカラーをする
抑えるしか方法は知らずに、

怒るこ、噛む子は毎回息が荒くなっていました。

しかし私も犬の様子より自分のことで精一杯

「上下関係」に囚われていて
目標が先輩・上司の迷惑にならないように
そして嫌われないように、好かれるように
立ち回っていました。


正直な気持ち
時間が経つほど、犬やお客様の気持ちが見えなかったです。


ある柴犬の子の皮膚をスリッカーで傷つけてしまった時
やっとお客様の声が聞こえました。

新人はお返し前に先輩のチェックが入り

柴犬のシャンプーコースは

コームを通しても抜け毛がまったくないように、
そしてどこを触ってもカラカラに乾いていること

その時は時間がなくて3人で必死に抜け毛の処理をしていました。
そして気がついたときには皮膚が真っ赤になっていて

その柴犬は怒ることも声を上げることもなく
じっとテーブルで耐えていてくれました。
獣医師に見せて治療も行い

お客様に謝罪をした際に
「一生懸命やってくれたことは伝わっているから大丈夫だよ」と
おっしゃっていただきました。
「犬が痛いって言えたらよかったのにね」とも
きっと痛いって言っていたのに
その声が聞けていなかったのは私だったのだと思います。

大切な家族を信頼して預けたのに
そんなことになったら悲しいに決まっているのに

そのときに私は自分の責任と何を大切に仕事をするべきか
改めて考えることになりました。

程なくして半年くらいで退職しました。


2.家族と社員 少人数のサロン・専門店

退職してからすぐに専門学校の学生時代にアルバイトさせていただいていた
サロンへ就職しました。

全員で5名
グルーマーは3名

私はまだカットの経験があまりなかったので
即戦力にはなれませんとおはなししたのですが、
少しずつ育ててできるようにしていこう
と暖かく迎え入れてくださいました。

先輩も勤務後に残って愛犬のプードルで
カットの指導をしてくださいました

基礎が全くない私に

とても丁寧に

とても優しく


6年の勤務しましたが
とても多くの経験をさせていただきました。

しかしすごく難しかったのが
売上のをあげるということ

2時間、3時間かかる作業で料金が6500円
1日多くて3頭または2頭

社員で雇用していただきましたが、
お給料のこと
有給なし(最後の2年は10日だけあった)
ボーナス 額は言えませんがいただけているだけで感謝

多分週休2日ちゃんといただいていたし
いい方だったと思うのですが
本当にこんな感じのところ多いです

ただ、これを良しとはしていなくて社長は
社員の暮らしをよくしよう会社をよくしようと
常に考えてくださっていました。

積極的に都内のセミナーにも行かせていただいて
その時に熱心に勉強したのが
スピードトリミングでした。

たくさん頭数をやるための技術を学びます
単価は上げずに、回転率を上げようとしたのです。

1人1頭ではなく
シャンプーの人
カットの人と分けたり

ブロー中はゲージに入れて自動化したりします。

犬に関わる時間を極力減らし
お預かりしながら流れ作業をやる

そしてそれを率先して取り入れたのは
セミナーを受けに行っていた私でした。

このやり方はもっともっと技術があって
うまくやっているところも多いと思うので
否定するわけではありません。

ただ、すごく時間の制限が出てしまって
ギスギス、イライラしていました。

はやく時間通りに仕上げなければなので
犬たちが嫌がることはできません

よかった面もありました

1頭あたりのトリミングにかかる時間を減らして
行かなければならないので
オールシザーで切り揃えるより
アタッチメントバリカン導入をして長さの管理を早くできるようにしました。

順番に入り変えながら効率よく作業ができるように滞在型にました。
トリミングの時間以外は小さなゲージに入れていたのですが
改装して広いスペースを確保して
犬たちが休憩を取れるようになりました。

そしておやつも持ってきてもらって
休憩中にあげるようになったりしました

今まで来店するのに嫌がっていたこが
自分で入ってくれるなど環境設定と作業にかかる時間の短縮
がよかった子もたくさんいたと思います。


そのほかにも出張トリミングのサービスや展示会に行くことなど
本当に色々な経験を積ませていただきました。

そして付き合っていた彼と一緒に住むために
東京に行くことになり退職しました。

3.都内の動物病院

2020年28歳の秋に東京に引越ししました。

仕事を見つけなければいけないのですが、
グルーマーはこれを機に止めようと思っていました。

グルーマーという仕事が好きではなかったのです。

私が9年間で感じたこと
私の価値観に照らし合わせて

やっぱりグルーミング中の犬が
ものみたいに見えてしまうことがあって

面を揃えるために長く時間をかけてカットする意味も
嫌がっているのに抑えて可愛くカットする意味も
わかりませんでした。

グルーミングしていない時の犬は可愛いです
滞在型のトリミングにして
ふれあいの時間ができた時は本当に嬉しかった

けどテーブルの上では私も仕事だからと
思ってみてしまいます。

何に喜びを感じていいのかずっっと分からなかったです。

お客様の声は嬉しかった
ありがとうってみんな笑顔になってくれるのです
犬を通して人が笑顔であることがうれしいので
嬉しいけど、

もしその子が怒って嫌がっている子だったら
飼い主さんがそのことを詳しく知らないので心が痛かったりしていました。

そして他の仕事にチャレンジしようと

ハローワークにいき、職業適正のセミナーで分析したり
失業保険を受給しながら3ヶ月ほど就職活動をしていました。

年明けに薬局の事務に採用されました

けれど、その時には

群馬で最後に担当させていただいたシーズーの
お客様の「あなたは本当に丁寧だね、ありがとう」という
言葉が忘れられずに

やっぱり好きな「犬」に関わる仕事で
お客様に喜んでいただける仕事をしたいと
こころを決めて動物病院さんの募集要項を集めている頃でした。

(採用してくださったのに本当に申し訳ありませんでした。)

どうして動物病院だったのかというと
皮膚の勉強もしていたのですが、
サロンだと治療や完治の流れまで詳しく追えないので
日本獣医皮膚科学会の認定医さんがいらっしゃるところ
で治療に携われたらという望みがありました。

4月に入社
9月に退社しました。

お察しください。

優しい人もいましたし
先生はすごく気にかけてくださいました。
診察や歯石の治療、耳の治療の健診や
処置も休み時間に見学させていただけたりと
とても勉強になりました。

グルーミング室は一人で使わせて行くことができて
入れ替え制でやらせていただけました
なので自分と犬のペースが保たれていて
とても素晴らしい環境だなと思いました。

お察しください。新卒時代を思い出しました。
私は私を大切にしてくれる人としか一緒にいたくないのです。
無理に縛られず嫌なら責任とか考えずに自分を守るために
逃げるが勝ちです。

やめるって体力と気力が必要なんです。

でもその先に輝くものがあれば踏み出せます

私は私を輝かせるために
もう自分の思うようにやってみよー!!

とサロンの開業を決意しました。










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