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ゆれる、専門学校時代


前回の記事の続きです。

学校選びとゆれる専門学生時代のお話です。

ぶれぶれの学生時代を過ごしましたが、
あの時の感覚は今に繋がっているな〜と感じることも多いです。




目次
1. 専門学校選び
2. 揺れる学生時代
3. 動物園で働きたい
4. 就職活動


1.専門学校選び

専門学校は高校3年生の夏休みを利用してオープンキャンパスに通いました。
私は県外に出るつもりがなかったので

・家から通う
ことを前提に県内にある3校をみて回りました。
あくまで高校生の時の私の感覚ですが、


3校の印象は
①雰囲気がよく新しく清潔な学校、学校のモデル犬は少数で6頭みんな綺麗だった。
②学校から離れたところに犬と触れ合えるテーマパークがありそこのわんちゃん達がモデル犬。しかしみんな汚れていて、匂いもすごく手入れが行き届いていない感じ。あまり管理の仕方が、、、。と感じた。
③JKC認定校。モデル犬の飼育環境が非公開だったのが気にかかった。

という印象でした。

当時は学習内容や授業スケジュールよりも
学校の雰囲気と学校にいる犬の様子を見て①の学校に決めました。

今思うと犬の様子・扱いは大前提として、やはり技術を身につけるところでもあります。
実際に働いているグルーマーさんたちに学校のことを聞いたり、
このグルーマーさんから習いたい、技術を磨きたいと思える学校がいいと思います。


「どこで学ぶか」より「誰から学ぶ」か。
そして誰よりもよく教えてくれるのは「犬」です。
その犬が大切にされているのかもとても重要なのかなと思います。

2. 揺れる学生時代

学校へ入学し、まずはこのパピー(人形)でスリッカーブラシの練習、そしてハサミの動かし方、プードルの骨格、カットの基本を学びます。

この右のワンちゃんは今でもお店にいます

夏くらいまではやっていた気がします。
最初から本物のわんちゃんは触らずにお人形からスタートでした。
そして1年生後半から2人1組でわんちゃんを担当、シャンプーすることから始めました。

学校犬6頭という少なさでどうやって実習していたのか。

それは、繁殖業者の繁殖犬たちをお借りしていました。
毎朝送迎し、犬達を学校へ搬入。シャンプーカットしお返ししていました。

犬は綺麗になり、私たちは勉強させてもらえる。
一見良いシステムなのですが問題は私が入学前に想像していた犬の状態ではなかったことです。

犬達は驚くほど臭くて汚いです。マスクなしでは触れ合えません。
ノミも当たり前のようにいて、カットに必要な足の毛はあまりない子もいました。

1番驚いたのは、バリカンをかけると皮膚に穴が空いてました。
怪我に気がついてもらえず、膿が溜まっていました。

繁殖場も犬の運搬で訪れたことがあるのですが、帰ってきた犬たちが待機する部屋があり、狭いゲージに2頭入れておいてという指示までありました。

しかもゲージは掃除されていません。みたこともない光景でした。


かわいく、かっこよく、スタンダードを学ぶ、コートの管理をするというより
もっともっと根本的なケアが中心の学び場でした。

私は前述した通り、なんとなく犬の仕事やってみたい〜と専門学校に
入っていたのでグルーマーになりたい!こういうカットがしたいという
想いがまったくなく技術が磨かれないことに焦りも感じませんでした。

シンプルに汚れたわんちゃんが綺麗になってく姿に喜びを感じていました。

しかし、わんちゃんが帰っていく場所は幸せな場所なのでしょうか。。

学校選びの基準だった犬達の生活環境。これは盲点でした。
(繁殖業者、全てがこのような状況ではないことは後々知ります)

※現在はグルーマー育成の学校ではなくなりました。

脚の毛、、、。

3. 動物園で働きたい

1年生の冬休み。那須動物王国で10日間住み込みで研修を受けました。
グルーマーとは全く関係ありませんが、

動物園大好きで興味があったのですぐに希望し、友人たちと参加しました。

通勤風景。登山。


前半はカピバラ担当のところへ配属されました。

カピバラって世界最大のネズミって知ってましたか?

動物園は動物の生態をよく理解して環境を作ります。
健康管理や食事の管理、寝床、排泄の場所も動物によって変え、
人間も動物中心の生活をします。

これは動物を管理する上で当たり前のことです。
でも私たちのそばにいてくれる家庭の犬はどうでしょうか?
犬のこと、しっかりと理解して
環境が作れていますか?

後半は犬ゾーンのお手伝い。

小型犬は室内でぬくぬくと、
大型犬たちはお外で広々と。

子供も大人も自由に入って
犬たちと触れ合える場所です。

アイリッシュウルフハウンドのカリン♡

営業が終わって寝るときは自分のお部屋が用意され
スタッフのあとをちゃんとついて歩く犬達。

号令も「ヒール」「カムヒア」「ステイ」など犬たちがみんなしっかりとわかっています。
見ず知らずの実習生の私が来ても制服さえ着ていれば言ってることを
理解しようと犬たちは協力的でした。


みんな健康的ないい子達ばかり。
ちょっとでも体調に不安のある子は触れ合いに出さずに
おやすみをさせてあげます。


バックヤードには大型犬も洗えるシャンプールームもあります。
好きな子を洗っていいよと言われアイリッシュウルフハウンドのカリンちゃんをシャンプーさせてもらいました。

ゴロンと寝っ転がってブローさせてくれるカリンちゃん。


10日間の慣れない寮生活。忙しくてほぼ休みのない日々。
寝言でもわんちゃんの触り方を叫んでいたらしいです。
それほど体力の全てを使い切るほど働きました。

それでもこの仕事が素晴らしくてすっかり魅了されてしまいました。

お客様が動物を通して笑顔になれる場所。
そして動物たちの暮らしも幸せそう。
何より働く人全員が命を預かっている責任感に溢れていました。

前述した学校の実習犬が幸せな場所に帰れているのかな。
そんな疑問もあり、グルーミングを頑張りたいと気持ちよりも動物園で働きたいと気持ちが大きくなりました。

4. 就職活動

2年生になりカットをする経験も増えました。

そして、就職活動に入ります。

動物園への想いもありましたが、動物園の就職は狭き門ということ、
そして実習先で出会った方のお話を聞きひるんでしまい、


「就職活動」というピリピリした雰囲気の中
「就職先を決める」というのが1番の目的になってしまい。

就職しやすいグルーマーになろうと
諦めてしまいました。

何ヶ所かインターンに行き
アルバイトをして
動物病院併設のサロンに就職が決まりました。


こうしてグルーマーとしての人生が始まりました。

最近まで私の専門学校選びは間違いだったと感じてきました。
他校と比べて実習も少なかったし犬たちも職場で出会う
「ペット」とはかけ離れた状況だったからです。

けれど、あの時感じた私の価値観は変わってない。

動物が好き。
動物が豊かに暮らしているのが好き。
その動物と関わる人が笑顔であることが好き。

今でこそ思いますが
グルーマーもできることなんです。

犬が好き
犬が豊かに暮らしているのが好き
その犬とご家族が笑顔であることが好き。

そう気付けたのはきっとあの2年間があったからです。


そしてもう一つ大人になった私が振り返って思うこと

自分の責任感があまりにもなかったなと感じます。

今あの頃の自分にあったら
君は何がしたいの?と説教してしまいそうだけど
ふわふわした学生時代も大事だよねとも思う。。

就職が決まるからグルーマーで、、
なんて失礼な理由ですがこうして私はグルーマーの道に進みました。

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