今までで一番いいお金の使い方はカウンセリングだった

カウセリングを受けて、私の強烈な「誰かに認めて欲しい」という欲求は「何かすごいことをしてそれを認められたい」ではなくて、「弱さや過去の辛いことを引きずっている自分のことも、友人として、パートナーとして認めて欲しい、ただ生きてて良いことを認めて欲しい」だと理解することになりました。


ずっとそんなこともわからなかったんです。

「えっ、もっと早くに行っておけばよかったよ……」

というのが正直なところです、カウンセリング。

結論から言うと、無駄に怒らなくなり、心が楽です。※もちろん、正当な怒りもありますが、その怒りとも冷静に接することができるようになりました

また、冒頭に書いた私が本当に欲しいことが何かわかることで、人付き合いの質が代わり、弱ったときに変なプライドに邪魔されず人に甘えるようになりました、それはとても生きやすく、相手も弱さを出してくれるようになり、嬉しい限りです。


私は結婚3年目から4年目までカウンセリングに通っていました。というのは怒りっぽい性格をどうにかしたかったからです。怒りっぽいって「性格だからね」と甘やかされがちですが、周りに悪影響を及ぼすよくない性質、最悪モラハラにまで至るものだと、人と一緒に暮らすようになり強く思うようになりました。
怒りっぽい私はお腹が空いている状況で時間に余裕がないと無自覚に何かに怒ってしまうという性質があります。急いで仕事の支度を用意しながら「え、なんで昨日のご飯冷蔵庫に入ってないの?」「ゴミが溜まってる」と不機嫌な顔で夫を責めてしまっていたのです。

我が家は「外の仕事、育児家事の量をお互いトントンになるように調整する」という分担の仕方をしているので、私の方がいつもやっているからそういう愚痴が出たわけでもありません。ただの八つ当たりです。自分でやれという話なのです。

小さい娘もいる中こんな理不尽な姿を見せたくない、夫だってすぐ怒る相手との生活はストレスフルな筈……。優しい夫は絶対に言い返してきませんし。夫はいつか疲れ切って、傷ついてしまうかもしれない。それを防ぐためにも、自分のためにも、カウンセリングを受けようと思ったのです。

 体のことはプロに見てもらうんだから、心もプロに見てもらうのが筋ですよね。カウンセラーといってもピンキリですので「臨床心理士の資格を持っている」「経験がそこそこ豊富である」「初回しっかりと話を聞いてくれる人である」を条件にするのは自分の中で決めていました。前にハズレのカウンセリングに出向いた失敗もあり。

怒らないための対処療法は巷にあふれていますが、それよりは原因療法。そもそもなぜ自分は怒ってしまうのか?から知り、根本から修正をするのが狙いです。

カウンセリングでは私の生い立ちから今に至るまでをじっくり聞いてもらい、そこから「私がなぜ怒ってしまうのか?」を紐解きます。そこで見えてきたのは、「認めてほしい、甘えたい」から怒ってしまうということ。つまり「甘えたいのに甘えられなかった」など、これまで我慢してきた感情を怒りとしてブワッと出してしまっているんですね。さらに私は「実は精神的に自立できていないのに、外では自立できているように振る舞うから、余計にいろいろ溜め込んで、なんでも言える夫(自分の一部だと思っているそう)にのみぶちまけてしまう」らしい。当たっている……。

 イラっとしてしまったり、理不尽に怒りを感じたりしたら、まず「ああ、私は甘えたいから怒ってるんだ、うまくいかないことを人のせいにしたいんだ」と認知することから実践していくことに。そこから瞑想(結構簡単にできます)して気持ちを落ち着かせるんです。

しかし、分析だけでなく守秘義務のある人にこれまで凍結していた様々な気持ちを聞いてもらえることってこんなに大切なことだったとは。話を傾聴してもらえるだけでも気持ちはかなりラクになりますね。

 2回目のカウンセリングでは、アンケートからロールシャッハまで、心理テストをみっちりやってもらいました。その結果、怒りっぽいことに悩んでカウンセリングに来たのに、実は怒りの数値がそこまで高くないことが判明。自分で怒りっぽいと思っていたのは「甘えの感情の発散が下手すぎる」ということだったのだと思われます。これ、自分じゃ絶対わからなかったわ。

 3回目ではIQテストを受けることに。IQの数字自体を見るというより、何が得意で何が苦手かを測るのが目的。案外苦手だと思っていたものが得意だったり、得意だと思っていたものが苦手だったりしますね。まあこれらのテストだけで全てがわかるものだとも思いませんが、指標にはなるかなという具合です。してもしなくてもどちらでも良いのかなと個人的に思います。

夫・劔樹人も、同タイミングでカウンセリングを受けていました。彼は私と正反対で、もともと自罰的な性格。全て自分が悪い、自分のせいだと思ってしまう、そんな中生きて行くのは私以上に辛いものです。そして彼が自分を責めるのを止めるためにも私が理不尽に怒らないのは大切なことだったんですね。

こうやって、私と夫両方をよく知るカウンセラーさんの力が必要なことがあれば話を聞いてもらえるという心強い人生のオプションがついたわけです。仕事で理不尽な目にあったときなどの感情の持っていきかたなんかも相談できるので、これまでで一番有意義なお金の使い方だなと思っています。今も電話で話を聞いてもらったりしています。
 
カウンセリングを受け、夫からは「怒りの感情が出てきた瞬間を意識するようになったというのが見ててわかる。一瞬目が怖いときはあるけれど、それも前だったらずっと不機嫌だったのが、すぐに終わるようになった。怒っていることを正当化して、怒りだと認めないのが一番面倒な状況だと思うから、自分で怒りを認めて動くだけで違うものだなって」と言われるように。夫も自分を責めてしまった時に、すぐそれを認知して心を落ち着ける動作をするようになりました。明らかに自分を責めてしまった後のリカバリーが早くなっています。

正当性がある要求も、怒りながらではなく、冷静に優しく話すように。さらには余裕がなくなった時に「甘えたい」とリクエストして夫に話をしたり、友人に弱音を吐くこともできるようになりました。

私は友人に弱い部分を見せるのが本当に苦手で。重いとか迷惑とか思われるのが怖かったし、そもそも話そうという気にすらならなかったのですが、できるようになると相手も本音を打ち明けてくれて、より仲良くなれました。これは大きな成長です。弱い部分を見せられる友人はパートナーと同じく一生の財産。本音で信頼できる人間が増えたことが本当に嬉しい。

いやあ、怒らないで良いっていいですね、私も本当に楽になったのです。正直今、夫とはめちゃくちゃ仲良く信頼しあっています。

……と新刊

「すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある」

の序章を一部掲載しました。

これは私のケースですが、この他に、人はリスクを冒してまでなぜ不倫をしてしまうのか?本当に性欲なのだろうか?だったり、パートナーとしっくりくる家事の分担だったり、敵同士ではなく、味方同士になるためのコミュニケーションの取り方だったり……

3年間取材・読書を経て得た知識を徹底的に詰め込みました。

カウンセリングだけではなく、私の不安症、夫の鬱についても書いています。

我が家、心療内科までの道のりが結構苦戦しました。そのあたりも。

正直な話、外出自粛要請で書店に訪れる人自体減るだろうと、本の売れ行きをめちゃくちゃ心配しておりまして……

あざとく姉の犬(数字を持っている犬)の写真をトップに置く始末です。

電子書籍もありますので、週末のお供に是非です……!
土下座!!!




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