【2020松本山雅】vsセレッソ大阪レビュー(2/16)しろうと分析

スターティングメンバー

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山雅は21歳以下の枠に榎本を起用、大量の若返りは現時点では無かったが、新たなフォーメーションで臨んだ。

セレッソは21歳以下の枠に東京世代の代表候補、瀬古歩夢を起用。1週間前の京都戦から藤田を瀬古に変更したのみで、ほぼベストメンバーと言っていい陣容であった。

先制したのは…

先制点を挙げたのは白の松本山雅、27番鈴木雄斗のシュートが決まった。

まず、この日の山雅は、ロングボールとボール保持の2種類を用意していた。

①ロングボール
今回は阪野、榎本の2枚が中央・サイドに関わらずロングボールを受け、味方に落とし、攻撃を組み立てる。

②ボール保持
サイドハーフがハーフスペースに絞ってワイドにスペースをあけ、サイドバックがそのスペースを使って高い位置を取る。
基本的にサイドバックから内側に配球し、サイドハーフやフォワードの選手が走り込み、ワイドやハーフスペースの深い位置を攻略する。(図参照)

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今回の1点目は榎本へのロングボールをきっかけとし、スローインの流れから
鈴木→榎本→隼磨
と細かくワンタッチでパスを繋いだ後、隼磨のクロスを中央で阪野が落とし、走り込んだ鈴木がシュートという形だった。
序盤だったこともありセレッソの守備はそこまできついマークをしていなかったため、山雅としてはやりたいことが出来たシーンだった。

その後セレッソの守備の強度が強まると、攻撃が停滞し、8枚のブロックの中への突破の機会は限られた。ワンツーで剥がすシーンもあったことから、シーズンが進み連携が深まることで打開できるだろう。

守備の形

守備では、4-4-2のブロックで中央への縦パスを遮断、縦パスに対してはボランチが激しくアタックし、ブロックの外側を回させることに成功した。

ディフェンシブサードで、クロスが入ってくるタイミングではペナ内マンツーマンで対応、押し込まれるとSBに対してSHが対応し、SBはクロス対応という形を取り、マイナスへのボールに対応しながら数的同数を保っていた。
このシステムではサイドハーフの守備力がある程度問われるため、杉本と鈴木には負担となるタスクだったが、抜かれつつも奮闘していた。3バックのチーム相手にどのような守備をするかは分からないが、サイドハーフの守備力はスタメン争いに大きく影響を与える可能性がある。

失点

1失点目は布体制の守備の弱点が大きく出たシーンであった。

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まず、サイドハーフの杉本が松田に振り切られた場面で、高橋は坂元にマンマークしてた為、松田に寄せきれずクロスを上げられてしまった。
次に、ブルーノメンデスと奥埜が交差した上を超え、柿谷に届くが、この時点で隼磨が目測を誤り、マンマークをしていた柿谷をフリーにしてしまった。
折り返しに対してメンデスが反応しシュート、浦田は懸命に着くも、位置関係でボールに届くことはなく押し込まれた。

2失点目はサイドチェンジの流れから中美が坂元へのパスコースを遮断し、松田にパスが通ると、松田が中美の後ろにいた坂元の裏抜けにパスを出し、ハーフスペース深くに侵入。
折り返しの流れからこぼれたボールを逆サイドに展開され、スライドが間に合わずフリーでミドルを打たれた。
本来ならば中美が松田にプレッシャーをかけるべき場合だったのかもしれないが、サイドバックが大外に釣られた際の守備も今後の課題の1つとなりそうだ。

比較的早かった交代の判断

まず前提として、ポゼッション時の攻撃の停滞感は2トップがどちらもポストプレータイプの選手であったことに起因するだろう。

彰人が66分、中美が66分に続けて投入された今回の交代は、反町体制ではあまり見ない(特に66分の交代)シーンだったのでは無いか。

杉本は松田のマークに奮闘し、失点の起点となったものの闘えていた。その中で中美投入は守備面で松田を更に激しくマークするための交代であったと考えられる。

問題のフォーメーション変更

今回の試合での最大の問題点は4-3-3への変更である。

藤田をアンカー、中美と鈴木のインサイドハーフに、ジャエルと彰人のウィング、阪野のトップという形であったが、練習をして無かったのかプレス・攻撃ともにチグハグになってしまった。
更に前がかりになり、サイドの守備が手薄になったことでカウンターを喰らい、3失点目・4失点目の原因となってしまったため、結果的に見れば失敗の采配となってしまったが、テストマッチとしての試合ではなく、勝利を求めた結果であることは評価するべきだろう。


熾烈なスタメン争いは続く

GK
村山が出場も、カップとリーグの分業の可能性がある。いいセーブを見せた村山は今後も期待出来るが、3失点目のPKを与えたプレーが監督にどう映ったか。

CB
今回の橋内、浦田は4失点もまずまずの働き。リーグで入れ替える可能性もあるが、身長以外ではある程度安心出来るコンビだろう。

SB
高橋の貢献度は絶大、利弥にとってこの壁は厚いか…。
右は隼磨の起用がしばらく続きそうだが、特有のミスや前への推進力の点で物足りなく、吉田へのシフトは時間の問題となる可能性もある。

CH
奮闘した藤田が1歩リード、塚川とのパス交換が少なかった事が気になる。塚川はセレッソの固い守備になかなかパスやシュートが出来ず心残りか。

SH
得点の鈴木は1歩リード。杉本は守備と体力で不安を見せた。中美は大きな爪痕を残せず、自身投入後3失点は少し印象が悪い。セルジーニョ、イズマなど人材豊富なため、競争は熾烈に。
龍平は守備が重要視される場合、カップ戦も含めチャンスを得る可能性がある。アピールに期待したい。

CF
アシストと献身的な守備で目立った阪野は1歩リード。
榎本はなかなかボールを受けれず苦しんだ。
ジャエル、彰人は短い時間でフォーメーション変更もあり十分なアピールは出来ず、今後複数の試合をこなすことで固まってくるか。

開幕戦に向け

残り1週間となったJ2開幕。愛媛には山雅がどういうプレースタイルなのかヒントを与えている状態であり、対策されて迎えることが予想される。
セレッソとは違い愛媛は3バックが予想されるため、対3バックの戦術がどうなるか期待したい。