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Venba プレイ日記 ほっこり料理系ゲームだと思ってたらなんか違った

このゲーム、結構前からウィッシュリストに入れてリリース楽しみにしていました。インドの文化が気になるし、ビジュアルも可愛いし、お料理ゲームっていうところも魅力的。まだ日本語対応はしてないけど、そんなに難しそうじゃないからまぁ大丈夫かな~と英語でプレイ。たまにわからないとこはスマホの翻訳アプリかざしながらやりました。

カナダに移住したインド人家族の話って、どんなのかな~みんなでがんばって生きてく話かな~とビジュアルにあったほっこりしたストーリーを勝手に思い描いていたら、なんか全然違った。つらすぎてめちゃくちゃ泣いた。


以下ネタバレ感想です。




事前情報通り、インド人家族が移住先で頑張って生きていくストーリーではあるんだけど、想像したより生活は全然うまくいかないし、ちょっとした描写がキツい。
常にインドに帰るべきだったんだろうか、この選択は正しかったんだろうか、みたいな自問をし続けているし。仕事は全然見つからないし。お父さんは無給でいいから試用で雇ってくれとか必死だし。お祈りメールばっかり届くし。インドでは作家で才能もあったのに、ここでは言葉ができないから、嫌いな人に頭を下げて、やりたくない仕事をしなきゃいけない。職場でもうまく行ってない。割れた眼鏡が悲しすぎる。

そして冒頭で希望に満ち溢れて生まれた息子も、どんどんカナダの文化に染まっていき、どんなに母親が頼んでもタミル語で喋らない。一緒に寝たがらない。インド料理のお弁当をからかわれて嫌な思いをしたのか、食べようともしない……。息子は周囲の子供と同じになりたくて、インド人のバックグラウンドを持つことを恥ずかしいと思ってしまう。
こんなに世代間の文化差による隔絶がエグく描かれるとは思ってませんでしたよ。

それから、このゲームは自分で料理を作れるのがポイントではあるけど、その料理というものが、よく日本の料理漫画にあるような「みんなで食べるとおいしい」「手作り料理でみんな仲良し」みたいなほっこりした感じだけじゃない。もちろん料理が世代や人々をつなぐものとしても描かれてはいるんだけど、場合によっては、作った料理は全然感謝されないし、嫌がられるし、挙句の果てに無駄になるっていうのがめちゃくちゃ大胆だなと思いました。

だってさ、

プレイヤーが頑張って作ったこんな可愛いビジュアルの食べ物が全部無駄になることあんの!?!?!?

こっちが7品も作って待ってるのに息子が「今日やっぱ帰るの無理だわww」みたいな軽いノリのメッセよこしてきたとき、まじでゾッと絶望しましたよ……なんかそういうパーティーの食べ物が無駄になるのみたいな恐怖症ありますよね……それかな……。

最後は息子も、成長してから自分の文化的背景の大切さや母の愛情、父の影響力に気づいてハッピー和解ルートではありましたが、プレイヤーの気持ちとしては「でもお前私の料理無駄にしたじゃん」みたいな遺恨は正直ちょっとありましたね……食べ物の恨みが深すぎる。まあVenbaが幸せならそれでいいですが……。

このシーン、泣きながら「嘘つき!嘘つき!!」て叫んでしまった


そんな感じで息子にもやもやしたこともありましたが、最後に息子目線になったとき、スマホで「このキャラクターが料理を恥ずかしいと思わないなんておかしいと思います」みたいな長文を書いては消していたのには様々な葛藤を感じることができました。ゲームのクリエーターさんは息子の立場の世代の方なんだろうなぁ。解像度が高すぎる。
あと母親目線だと読めてたレシピブックが、息子目線になった途端に読めなくなった演出はとても良かったです…。なんて書いてあるんだろう?ていう感覚を追体験できた。

話が思ったより悲しかったのはありますが、色々と考えさせられ、登場人物のことも応援したくなり、ビジュアルはとにかく美しく、知らない食べ物に思いを馳せることもできる素敵なゲームでした。イドゥリもプットゥーもいつか食べてみたい。日本語対応したら良いなぁ。







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