一度、決めた矯正歯科医院は転院できるの?転院したくなったらどうやって転院するの?

●一度、決めた矯正歯科医院は転院できるの?


勢いで初めてしまった歯科医院を転院した私の苦労話を書いてみる。
 
今考えてみると信じられないことだけど、知り合いが歯科医院で働いているため、割引をして安く治療してもらえるからといって、私は何も考えずに、勢いで矯正を始めてしまった。

矯正治療を本格的に始める前に、まずはワイヤー矯正開始前の準備として、現在の狭い顎を顎拡大装置を使って広げているいった※。
その際、矯正について今更と思いながらも、気になったことを調べていくうちに、矯正について種類の多様さ・病院の治療方針の違い・医者の美意識によって矯正治療後の結果が異なること・病院の設備の多様さなどを知っていった。
知り合いの歯科医院ももちろん親切でいい病院だったのだが、矯正の勉強を深めていくにしたがって、してみたいこと・したくないこと等たくさんの希望がでてきた。
例えば、私の場合は、やはり表側にワイヤーをする場合、せめて目立たない白いワイヤーにしたいとか、やっぱり抜歯はしたくない、裏側矯正もしてみたいなどの気持ちが本当に今更だけど出てきた。
矯正中の歯科医院に、オプションについて相談してみたが、「そういうのは対応していません!目立たないワイヤーも扱ってないし、裏側矯正についてうちは懐疑的なスタンスです!それから、一度決めた治療方針も変更できないから、このままでやっていきましょう!」とけんもほろろ。しかも、割引をしてもらっているので、なんとなく、事情を知っている歯科助手さんが冷たかった。
完全に事前の確認を怠った自分の責任である。
もっと前に、ちゃんと確認しておけばよかった・・・。
悩みに悩んだ末、通っている歯科医院の先生には申し訳なく思ったが、矯正歯科医院の転院を考えるようになった。

 しかし、矯正は一度初めてしまうと、治療方針の転換はもちろん、なかなか転院がしづらいという現実に直面した。
 結論から言うと、一度始めた矯正でかかっている歯科医院の転院は可能である。しかし、条件付きで。

以下にその条件について、書いていく。

●転院する際に直面するであろう問題!事前に確認しておこう☆


条件①転院前歯科医院の精算問題

矯正治療は一人ひとりにあわせた矯正器具を製作するため、矯正治療開始前に何十万円もの矯正器具代を払う。高額なため、一括で払えない場合等、人によってはデンタルローンを活用していることもある。
矯正にかかる費用の支払いが完了していて、お金の点で転院前歯科医院とお金の精算がクリアになっているかどうかと心配する歯科医が多かった。
その点は解決済みであるという点を強調すれば納得してもらえるケースが多いが、転院がらみでトラブルを経験した歯科医もおり、転院を嫌がられるケースも多かった。(金銭問題で不信感を持たれないためにカウンセリングでは殊更、最新のヴィトンのブランドバックを持ち、デパートにあるブランドの新しい勝負服を着ていって、裕福アピールをしたつもりであったが、無駄な努力に終わったのである・・・。)
最終的には、現在装着している矯正器具を転院前の矯正歯科で歯科医と納得いくまで話し合ったうえで外してきてください、と全ての矯正歯科医院で言われた。
このように、歯科医は転院する患者に対して慎重な対応を取る。
現在矯正中だけど転院を視野に入れているので相談したいという、カウンセリング予約さえ断られたこともある。
矯正開始前にカウンセリングに行っていれば、どんなにかウェルカムな対応をとってもらえたのだろうと考えるとすごく悔やまれた。

条件②治療方針変更問題
お金の問題はないと理解してもらっても、転院前の矯正歯科と転院希望の矯正歯科と見立てが異なる場合がある。
具体的には、抜歯するという方針で転院前の歯科医院で矯正治療を進めていても、転院先の矯正歯科が抜歯しないという方針で矯正治療を行いたい場合、既に抜歯する前提で歯を動かしてしまっている場合、変更したくても途中で物理的に治療方針が変更できない場合がある。
「矯正治療開始前にカウンセリングに来てもらえれば、対応できた症例だったのですが、今の状態では治療方針の転換は難しいです」と、歯科医に言われてガックリと落ち込んだことは何度もあった。
このように、矯正治療は一度開始してしまうと、転院するのにお金がかかるだけでなく、本来親切に対応してもらえるはずのカウンセリングでも歯科医に嫌がられたり、場合によっては断られたりすることがある。
さらに転院前の矯正歯科医院には矯正器具の費用は一括して支払わなければならず、ダブルで費用もかかると良いことはなにもない。
皆さんには、矯正治療を始める前に、転院をしないで済みよう、矯正をする歯科医院について充分な検討をしてもらいたい。

★事前に聞いておくべきこと
具体的には、①表側矯正・裏側矯正・インビザライン等何の方法で矯正したいのか②抜歯するしない、歯を削る削らないの治療方針③病院の設備④矯正を実際にしてみてやっぱり裏側矯正にしたい、表側矯正にしたい、マウスピース矯正をしたいなど、矯正治療方法の変更の希望がある場合対応してもらえるのか、その場合はいくら差額を払えばいいのかなどを事前にしっかり歯科医に確認しておくことをお勧めする。
 細かい内容の確認について、説明をいやがる歯科医もいる。その場合は、矯正治療が始まったら、更にこちらの求める説明をしてもらえない可能性があるので、納得いくまで話し合ってもらえる、相性のいい歯科医がいる矯正医院を選ぶことが大切である。

矯正中の歯科医院を転院する場合は、今回私の書いた問題に直面する場合がある。
くれぐれも勢いで始めないこと。始める前に慎重すぎるほど色々なことを良く確認し、自分がどうしたいのかをちゃんと把握し、それに応えてもらえる歯科医院なのかを確認しよう!

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※歯がキレイに並ぶスペースがないために歯並びが悪い場合は、顎拡大装置を使い、ある程度顎を広くして、ワイヤー矯正などの本格的な矯正治療を行う前に、歯を並べるスペースを作る治療がある。

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