203号室 ツイキャス
2020/05/20
朝遅くに目を覚ますと、アパートの庭の野草がさっぱりと刈り取られていることに気づいた。昨日の午後見た時にはわさわさと生い茂っていたから、夕方に業者の人が来たのだろうか。そういえば濃い緑の匂いをかいだような気もするがとにかく、景色がすっかり変わってまるきり別人だ。街ですれ違ってもアパートの庭だとわからないだろうと思う。庭に降りてみると刈った草はすっかり片され、葉のかけらや太い茎などがちらばっている。フキやその他の花の苗とおぼしき草は残されていた。虫は減るのかもしれないが、野草を観察するのは毎日のささやかな楽しみだったのでさびしい限りである。
20時からクリタ氏と犬と街灯の朗読ツイキャス第2回をやった。今回は北野勇作さんも参加してくださって、3人での朗読会だ。配信が終わったあとに聞き返してみると、自分のしゃべれてなさ、聞けてなさに驚愕する。頭の中では(それはおもしろいですね。私もつねづね思っているのですが……)などと流暢に話しているのに、実際には「ふふ、おもしろっ……」しか言っていないのだ。聞く方も、他の人がおもしろいことを喋っているのに(あ、もうあと10分しかない……コイン足りるかな……)などと頭の中の考え事に集中していて、意味を拾えていない。こういうことは友人と会話していても、仕事の話をしていてもちょくちょくある。たいていの時はそのままに流れていくが、まれに録音してみると「へー、そうなんだ!」と言いたくなるような話を人がしていてかなり新鮮に聞ける。だからツイキャスを聞き返すのは、それでいいのかというはさておいてとても楽しかった。
あまりにも小説を書くのをさぼってしまうので、1日に最低400字書かないとめぐまれない動物たちのための団体に1000円寄付するというルールを自分に課した。
今のところなんとかクリアできており、めぐまれない動物たちを救う日はまだ当分来なさそうだ。
(蜂本)
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