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ピンクちゃん

アタクシの地元にピンクちゃんと呼ばれている人がいる。何故ピンクちゃんと言われているかは分からないが居るのだ。

ピンクちゃんは多分女性であり、父親なのか旦那なのかは分からないけれどいつもそのオッサンと自転車であちこちを走り回っていると思われ、ありとあらゆる場所での目撃証言があり、会えるUMAとしてアタクシ達の中ではちょっとした有名人なのだ。

さて、そんなピンクちゃんはとても凄いのだ。
どう凄いのか1つずつ説明して行こうかと思います。
まずは、前述したようにありとあらゆる場所に出現し、目撃情報から算出した距離にして南北は60km東西は30kmほどの範囲を活動しているのだ自転車で。
んまー活動とは言いましたが実のところ何をしているのかは全くの不明でして、会いに行けるならぬ会いに来るUMAと言ったところでしょうか。

そして二つ目は、見た目が無農薬の採れたてジャガイモに服を着せたような風貌。
またまたウソ言うなよ〜とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、実際目にしてみると言い得て妙とはこのことかと納得せざるを得ない事でしょう。
肌は土色で起伏にとんだ顔の造形、そしてなによりもはち切れんばかりの豊満ボディにミニスカートという天変地異レベルの出立ち。

初見ならば最低5回は振り返るでしょう。
まさかあんな人が存在するわけないと我が目を疑うはずです。だがしかしピンクちゃんはしっかりと、確かにそこに居るのです。

そんな風貌のピンクちゃんをアタクシは至近距離で見た事があります。
時は昼、場所はとある立ち食い蕎麦屋にて遭遇いたしまして、先客としてピンクちゃんが居たのです。

アタクシはうわああ!ピンクちゃんだ!と今まで感じた事がある感激とはちょっと違う感激を受けてました。
その日もあいも変わらずのミニスカートをお召しになっていまして基本デブ専であるアタクシも、うーんコレはダメなヤツだとピンクちゃんの後ろ姿を眺めていましたら「ゔお」と言う声と共に振り返ったんです。
そこには両目を囲む様に白く大きく塗っているピンクちゃんがいました。
バカボンの本官さんの更にデカい白目と言えばイメージが掴めると思います。
多分ですが、あの出立ちでヤマンバギャル全盛期の渋谷に突入させたらヤマンバメイクに革命を起こしていたかも知れません。

そして、そのピンク本官さんに蕎麦屋のおばちゃんがこう問いかけたのでした「あら〜今はそういうのが流行ってるの〜?」と、アタクシはおばちゃんそんなわけないだろよーと心の中で思いつつ、はて?ピンク本官さんはなんて答えるのだろうか?とワクワクしていると何故かちょっと御立腹な様子なのだ。明らからにプンスカしてるのだ。

謎である。
おばちゃんは良かれと思い、コミュニケーションをはかろうと思い声をかけたはずだ。それなのにピンク本官さんは言葉を発する事もなく明らかにプンスカしているのだ。
自分でしたであろう前衛的すぎるメイクに触れてはいけなかったのだろうか?はたまた神聖な儀式用のメイクであり凡人であるアタクシ達は声をかけてはいけなかったのだろうか?今となっては知る由もない。
ただ一つその時わかった事があった。

ピンクちゃんはクサイ。


さて、二つ目が終わりましたのでクサイ原因の一つなのかも知れないピンクちゃんの三つ目の凄いところを紹介いたします。
ピンクちゃんはいつでもどこでもオシッコをするのだ。
ピンクちゃんの野ションを目撃したとの情報を仲間達からも聞いているので、いつでもどこでもと言って差し支えないかと思います。

アタクシも初めて目にした時はそりゃービックリしました。
田んぼ道を車で走っていると遠目にあーありゃピンクちゃんだなあと気付きました。
するとピンクちゃんはなんの躊躇いもなくパンツを下げしゃがみこんだのです。
流石のアタクシも、おいおい!マジかよ?!と思いすれ違い様にスピードを落とし見てみると確実にアスファルトを濡らしていました。
男性諸君ならば野に放つ場合もあるかと思いますが、ピンクちゃんは言っても女性である。
しかし、ピンクちゃんに関しては女性である前にピンクちゃんなのでしょう。
生まれながらのピンクちゃん。もう何が何だかわかりません。

ちなみにですが、アタクシはピンクちゃんが放尿してる姿を三回ほど見ています。

そして、そのうち一回は我が家の目の前の道路です。
オシッコをシャーとして拭かずにパンツをグイーンと上げ何事もなかったかのように自転車に跨り去って行ったのだ。
会いに来るUMAから用を足しにくるUMAに進化した瞬間を見れたのである。全くもって嬉しくないのである。

さて、そんな凄いピンクちゃんなのだがここ最近見ないのだ。
最後に見たのは確か去年の初夏の頃で、自転車がまさかの電動自転車になっていてピンクちゃんもオッサンにも近代化の波が来たか〜なんて思ったのをはっきりと覚えています。ピンクちゃん生きてんのかなあ?オッサン具合でも悪くしたのかなあ?と思いつつアタクシは一つの仮説をたてた。

自転車が電動自転車になった事により活動範囲が劇的に広がり、未だ見ぬ土地にマーキング即ち野ションをしに行脚しているのではないかと。
今コレを読んで居る方、窓をから外を見てみて下さい。もしかしたらピンクちゃんが「ゔお」と鳴きながら放尿しているピンクちゃんを見れるかも知れませんよ。



ゔお


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