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横断歩道の白しか選ばない残酷さ
陶器のマグカップを割った。
青色の模様が描かれていて、持ち手がまあるい。
過ごした思い出の数だけ傷をつけた。
結婚したいとおもった。
「レコード買って聴いて そうじゃなくても宝物」
マグカップの破片が鏡だったら、泣き出しそうな顔が見えたのだろうか。
見つけたくなかった。
季節をまとって、未来はあかるいと信じて
やまなくて、黄色の花を家に飾った。
しにたいとおもった。
両手いっぱいの荷物が邪魔だった。
どうせいらないから手放してしまった。
ごろごろと坂道をくだって、
地球上のかなしみとくるしみを抱きしめて、
ゆるやかに落魄を。
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