「犬と猫を一緒に飼って喧嘩しないんですか?」と犬猫動画

犬と猫が一緒にいる写真や動画をUPすると、しばしば訊かれることがある。


「犬と猫を一緒に飼って喧嘩しないんですか?」


結論から言うと、『うちの場合は喧嘩しない』なんだけど、軽々しく『大丈夫だよ!』とは言えないよね。やっぱり犬と猫の同居に失敗している例も沢山あるし、それどころか猫同士ですらも新入りの子猫が来たら老猫がストレスで死んでしまったなんて話もある。(犬同士は犬種や個体の性格にもよるけど気をつけてあげるポイントを外さなければ平気なことが多いかもしれない。多頭飼育の方が犬が家庭の馴染むのが早い事さえある気がする)


こればっかりは、やってみないと分からない部分もある。人間だって『この人こそ運命の相手だ、生涯を共に生きよう!』と決めても離婚しちゃうことだってある。ましてや、犬や猫たちの立場からすれば自分で選んだ相手ですらないからね。そりゃ、同居失敗することもあって当然なんだと思う。


今日は、そんな話をしようと思う。少し長くなったから続きからに折りたたむね。


正直に言うと、うちの場合も今でこそ犬と猫が一緒に寝てたりするけど、先住犬と新入り猫がこんなに仲良くしてくれるとは思わなかった。犬は一階で、猫は二階で飼うとか、留守中は猫の安全を守るためにケージでお留守番とか(そもそも自分SOHOなんで留守番させることは少ないが)そのために無駄に大きいケージを用意して、いま少し邪魔だったりね(笑) とにかく、そんな風に何重にも保険をかけた上で、猫を迎え入れた。


そもそも、うちの犬【ノイ】は、猫と同居してる今でも外で見かける猫は獲物だからね。ノイを連れてる人間が制御してやらないと逃げる猫を追いかけてしまう。野良猫は逃げるから追いかけると言うのもあるんだろうけど、基本的にワイマラナーは猟犬種だから獲物がいれば狩ろうとするのは備わってる本能なんだと思う。


そんなアグレッシブな犬を飼っているのに、どうして猫を迎えようなんて思えたのか。それには、今の猫を迎える前に少しだけ我が家で保護したもう一匹の子猫の存在がある。


その猫は、うちの庭に捨てられていた多分生後1ヶ月程度の女の子。餓死寸前でピーピー泣いてて、泣き声が聞こえて庭を探したら家の裏手の隙間で小さくなって隠れて泣いていた。手を伸ばすと逃げちゃうから(本当はダメなんだけど他に無かったんで)ミルクを入れたお皿を置いて少し離れて様子を見た。それで、子猫が出て来たところをすかさず捕獲! 無事に保護して、その日のうちに動物病院へ連れて行って、病院で里親探しを頼み、自分でもポスターを作ったりFBで知り合いで誰か猫を飼える人がいないか探した。


その子猫を保護してた期間が10日間くらいかな。私も、良い飼い主さんが見つからなかったらうちで飼おう思ってたから少しずつノイに馴らしてた。(その子猫を飼ってくれる家族は動物病院経由で見つかってウチに迎えに来てくれた)


最初は、ノイは子猫が気になって気になって興奮が収まらない様子で臭い嗅ぎまわったり、動物病院で借りたケージの前から離れなかったりしてた。でも数日で慣れて、気にしなくなった。ケージから出すと後を付け回したり臭い嗅いだりしてたけど。1週間もすると、一緒にベッドで寝られるようになった。(私は起きて監視してたよ勿論!)


子猫の方が、多分本当に生後1ヶ月程度だったんだと思う。社会化期が終わってなかったんだね。犬に、すぐに慣れた。ノイから逃げてたのは最初の数日だけで、それからは子猫が自分から寝ているノイに近づいて行くようになった。ノイのおっぱいを吸ってノイに怒られたり、尻尾にじゃれて怒られたり、それでも懲りずに近付いていく。また、ノイの叱り方が上手なんだよね。子猫が悪さをした瞬間に低く短く唸るように吠える。アレ、子犬を躾ける時の親犬のやり方だよね。ノイは、子育てなんかしたことないのに凄ぇ! それで子猫がびっくりして止めると、ノイはまた知らん顔で寝てしまう。そのうち子猫も疲れて寝てしまう。そんな感じになった頃に、さっきの子猫を引き取りたいという家族が現れた。


それから一年後くらいかな? FBで友人が実家で自由猫が産んでしまった子猫を飼える人を探してて、ちょっと迷ったんだけど(ちょっとしか迷わず)迎えに行ってしまったよ。それが今は立派な家族の一員となったニャン吉(リンちゃん)なのだ。


ノイは、子猫の扱いを覚えていてくれたのかもしれない。


最初に子猫を保護した時ほど興奮しなかった。ノイは、子猫がウチに来た日から、子猫が一緒にベッドに乗ることを許してくれた。ベッドは、飼い主である私とノイの寝床だと【ノイは】思ってて、私以外の家族がベッドに上がろうとすると怒ることもあった(笑) そこに乗ることを許してくれたってのは凄いことだよね。自分のテリトリーに入れてくれた。本当に、ノイには感謝しかないよ! 本当は嫌だろうに、私の我儘を許してくれた。


ちなみに、その夜の動画がコレ😂

動画ではカットしちゃってるんけど、ニャン吉も初日からノイの尻尾に噛み付いてノイに怒られていた(笑) 断尾されてて猫じゃらしみたいな尻尾だからな…。


この動画は夜中に撮影したもの。いつも通りに寝る準備をして、部屋の電気を最小限に暗くして当時マイブームだったDr.HOUSEを流して、完全に「さぁ寝ましょうか!」みたいな雰囲気で、ノイがすっかりベッドでウトウトしてるところに、ニャン吉を連れてきた。


そういう時間と環境にしたのにも理由が幾つかある。


そもそも夜中のノイは眠いので(普段から家族に対しては何されても怒らないくらい我慢強いけど)細かいことより眠気を優先する。部屋が寝るときの環境になってれば、条件反射で眠くなってしまう。眠い時は鈍い。それが、まず1つ。


次に、ニャン吉は昼間ぐっすり寝て元気になった頃合い。疲れてる時に緊張感を与えるのは子猫には酷すぎる。でもウチで生活するならノイに慣れなければならない。ニャン吉は、ウチに来た日が丁度生まれて1ヶ月目だった。今まさに社会化期で、それがもう少しで終わってしまう。体力があって(疲れてなくて)(どうせ子猫だからすぐ疲れちゃうけど笑)まだ恐怖心がない時期に、できるだけ多くノイと触れ合って慣らす必要があった。それが2つめ。


3つ目は、外が静かだから。ノイは、そんな訳で家や家族を守る意識はとても強いので、来客があったりすると興奮してしまうことがある。夜中に誰かが来るということはあまりないし、近所の子供がうちの壁でボールを壁打ちして大きな音がしてビックリするようなこともない。


理由は、そんなところかな。あぁ、それと一番重要なことがあった。


ノイとニャン吉を引き合わせて明らかに無理そうなら早めにちゃんとニャン吉を幸せにしてくれる飼い主さんを探さなければならないって言うのもあった。ノイは、保護猫とも上手くやってくれてたから大丈夫だろうとは思っていたけど、やっぱり相性ってあるからね。ダメだった時のことも考えなければいけないもんね。ノイやニャン吉の幸せがかかってるからね。


結果だけ見ると、ニャン吉は以前の保護猫よりもノイと相性が良い印象がある。


保護猫は餓死寸前だったからだと思う。多分、空腹がトラウマになってて、お腹が空くと昼夜問わずニャーニャー大泣きした。野良経験があるから当然ながら警戒心も持っていて、動きはニャン吉より素早かった。


一方、ニャン吉は、自由猫の産んだ子とはいえ、友人の実家で猫ベッドまで用意して母猫はご飯ももらってて(笑)、おおよそ生命の危機とは遠く、手厚く育ってきて、まるで恐怖心を知らないようだった。友人のお父さんに「幸せにしてね」って言われたし、もう絶対に幸せにしたる!って思った。お義父さんから娘さんを嫁に貰ってくるみたいな気持ちだったよね。(その自由猫の手元に残した子猫は今は友人の実家で飼われているって。良かった🤗)


ニャン吉は、そんな育ちなので良く言えばおっとりしてて、言ってしまえば鈍臭い(笑) 動きが凄くゆったりしてる。犬が歩いて来ても逃げるどころか避けることすらせず寝転がったままボンヤリしている。犬が避けてくれるから踏まれないと思ってる。ノンキ過ぎるけど、それが猟犬種で逃げる獲物を追いかけてしまうノイとは相性が良い。ノイは逃げなければ追わない。


でも、忘れてはいけないは、ニャン吉がそんな風におっとりと穏やかな猫に育ったのは、ノイがニャン吉を攻撃しなかったからなんだよね。ウチに来た時のニャン吉は、生まれて初めて犬という生き物を見た。得体の知れない大きな犬という生き物が、どんな存在なのかをノイで学んだ。それで、逃げる必要がない相手だと認識した。これはもうマジで、ノイの功績! だから、ノイがニャン吉を追わない度に、じゃれられても構わない度に、ノイのことメチャクチャ褒めまくった。大げさに喜んで見せた。ノイがヤキモチを焼かないように、ノイの立場を潰さないようにノイの生活にできる限り変化を与えないよう気をつけた。


何度かね、同じようにワイマラナーを飼っている数人から「うちで猫なんか飼ったら犬が殺しちゃう」的なことを言われた。そりゃそうだ。私も保護猫を保護した時はそう考えた。だから、飼ってくれる人を探した。今だって、場合によっては、そういう事も当然あると私も思ってる。


個体の気性や相性、年齢、家庭環境、その他の色々な要素が絡み合って、うちの場合は本当に、たまたまノイがニャン吉を受け入れてくれて上手くいってる一例にすぎない。これからも、ノイのメンツを潰すような真似をすれば、ノイの苛立ちの矛先がニャン吉へ向かうことも考えられるから、ノイの気持ちは常に考えておかなければならない。一方で、ニャン吉の穏やかな性格も大事に育てていかなければならない。


犬猫同居は、簡単ではない。でも、上手くいく事もある。でも、それは運次第という訳でもない。犬猫当人の行動や相性にまかせるだけじゃなくて、飼い主や家族が犬と猫の間に入って上手く同居させるために出来る事も沢山ある。手を尽くして、それでも同居できない事だってある。


だから


「犬と猫を一緒に飼って喧嘩しないんですか?」


って質問に答えるのは、とても難しい。


それと、上手く一緒に生活してくれてるノイとニャン吉には、いつも感謝でいっぱいだし、愛情しかない。彼女のお義父さんに会いにいく時みたく「全力で幸せにします!」って気持ちは常に持ち続けている! 素敵な出会いをくれた友人にも感謝してる!


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