共犯
母の右足は凪いだ海の表面だ
今朝フェリーから眺めてきたばかり
それか我が家に住まう老犬の白くにごった瞳だ
今朝抱きしめてきたばかり
車椅子から投げ出された母の足は
つるつる滑る病院の床の上で
少女との思い出をなぞって
真っ直ぐ伸びていた
生い茂る陽光の中で
彼女は自分の肌が
六十歳に近づいていることを
私に教えた
もうちょっと頑張れよ、とか しょうがねえ応援してやる、とか どれもこれも励みになります、がんばるぞー。
母の右足は凪いだ海の表面だ
今朝フェリーから眺めてきたばかり
それか我が家に住まう老犬の白くにごった瞳だ
今朝抱きしめてきたばかり
車椅子から投げ出された母の足は
つるつる滑る病院の床の上で
少女との思い出をなぞって
真っ直ぐ伸びていた
生い茂る陽光の中で
彼女は自分の肌が
六十歳に近づいていることを
私に教えた
もうちょっと頑張れよ、とか しょうがねえ応援してやる、とか どれもこれも励みになります、がんばるぞー。