会いたい
今日は大丈夫だと思っていても、雨の降る午後六時は、何かを思い出させて仕方が無い。
昨日は巻きタバコを覚えた。私の手は不細工だった。きみの身体は大きかった。私は足だけが可愛かった。嫌われるくらいすべてを出すのは難しかった。
緑色の傘で小さな通りを歩くと、後ろから自転車がぶつかってきた。水たまりに倒れて、きみかもしれないと振り返った。
情けない夜に名前をつけてやりたい。ごめんねばかりの二十五歳だ。おばちゃん、お見舞いあまり行けなくてごめんね。お母さん、娘になれなくてごめんね。きみ、いつもごめんね。昨日も今日も明後日も、私のちいさな世界よごめんね。
雨の降る午後七時は、頭の奥をじんと響かせて、みたことのある景色ばかりが溶けていつかアメーバになる。そこからあなた達を探すのは難しい。ごめんねばかりの二十五歳でごめんね。ループとリフレインの頭は空っぽ。EからSへ飛んでいくよ。黒く染まった道路で白線だけがぼんやりあかるい。いつでもどこへでも行けるのに、あの子に会えない。
もうちょっと頑張れよ、とか しょうがねえ応援してやる、とか どれもこれも励みになります、がんばるぞー。