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誰も彼も優しさなんて持ちあわせてないよ

或いは此処は、地獄の七時間半に違いない。パソコンが人間の数より並んで、足音ばかりが立派に響いて、お茶は無料だなんて言う。私は地獄で昼間を過ごし、夜は地獄とは少しだけ程遠い東京の端っこで恋人と丸くなる。

地獄の七時間半で、君は私に小さな手紙を書いていた。汚い字で書きなぐった紙の数は八枚ぽっちで、君と私の時間を埋めるには足りないけれど、でもインクの滲みや擦ってしまった跡だとか、いたるところに君が潜んでいる手紙は熱く燃えていた。

地獄の七時間半から眺める真っ赤な月の低い位置や、都市の血脈と排気ガス混じりの空気、あのいたるところに君が潜んでいる。私達は出会ってから大分時間が経っていたのに、この地獄の七時間半に燃え尽きる導線を、どうして隠していたのだろう。何故君は手紙にして渡してくれたのだろう。

分かる事ばかりで焦げ付く地獄のような七時間半に、君は潜んでいるはずなのに、都市の血脈でパソコンは真っ赤に光り、全て忘れてしまいそうな神々しさ。都市は神になろうとしていて、私もその血脈のひとつ。

#詩

    

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