kleenvy
バンド名を「kleenvy」にした。クローバーのkleeと、嫉妬のenvyを足してうまれた造語に。
*
この四半世紀の人生は憧れを追い続けていた。あの人みたいになりたい、とかあるいは、あれが欲しいとか、そんな憧れたちを。私には秀でた才能はひとつも無くて、今でこそ褒めてもらえるようになった文章も歌もその他諸々も、全部誰かしらの真似事から出来たもの。言うなれば、パッチワークみたいな。時に立ち止まって、私らしさとはなんだと迷う。けれども、その度に、この継ぎ接ぎのからだが私らしさそのものなのだと飲み込むようになった。
憧れは、行き過ぎると劇薬にもなってしまう。追いすぎて、迷って、真っ暗な中「私には何も無い」と泣く日が未だに少なくない。それはいつしか嫉妬に姿を変えて、制御がままならなくなって、自分が自分を認められなくなる。私って何だ、と。
*
憧れに焼かれて、誰かの背中を見て置いていかれた気持ちになって。それでも、何者かになりたくてたまらなかった。何が何だか分からないまま生きていたら、私を認めてくれる人たちに出会えたんだ。おかげで毎日有り余るほど楽しくて、目に浮かぶ人達が愛しくて、何にも代え難い「幸せ」そのものがすぐそばにできた。決して、楽じゃない今までだったけれど、生きていてよかった、と泣くほどうれしく思えるんだ。
*
羨望や嫉妬に焼かれながら、それでも、しあわせな音を鳴らしていこうね。
等身大の私として名付けて。
*
改めて、これからどうぞよしなに。