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ラグトレイン
寝過ごして始発を送り、朝10時前の電車に揺られた。偏頭痛と少しの二日酔い、喉の痛み、充電4%。バンドミュージックだけがせめてもの救いでいた。
目を、逸らせないでいた。発車して僅か、一軒家が近づいてくる。線路沿いにある家、電車が通れば揺れる家、バスケットゴールがある家。私の、実家だった家。
目を、逸らせないでいた。
乾ききったコンタクトでしっかり見据えた。焼き付けるように、燃やすように。いっそ燃えてしまえば、なんて。機嫌が悪いのは、気圧のせいじゃない。
皮肉を込めて、妬みを込めて、母「だった」ものへ。
あたしは今、とっても幸せよ。