令和5年5月15日の日記

 春のゲームマーケットで自作ゲームを出展したのだけど(現地には行けなかったので「出展してもらった」と言った方が良いか)、本気で「自作ゲームのマネタイズ」というものを考えた時に、今後どういった点に留意すべきか、個人的な覚書を残しておこうと思って。

【ゲームデザイン】
・今までは、まず「作りたいものがある」という意識がゲーム製作に取り掛かるための起点となっていて、その意識自体は多分今後も強力な製作のモチベーションになるとは思うんだけど、作りたいもの、完成させたいものに向けてじわじわとバランス調整を重ねていく、というやり方が(少なくとも今の時点では)あんまりうまくないのかもしれないと思っている。これについては多分、そういった手法で完成させた方がより理想のゲームに近付くのだろうけども(=完成度が高くなる)、逆に言えば延々と調整を繰り返す事ができるので、おれの性格的に少なからずエタる可能性があって、それが非常に怖い。
・なので、今の自分がゲームを完成させるために必要なのは「逆算」と「制約」ではないかと考えている。例えば「予算や期限を何も考えないで、作りたいものを作ってみよう」という考え方よりは「製作予算的にコンポーネントはカード30枚と箱と取説だけ!次の頒布会に印刷間に合わせたいから期限は6週間!」とかの方が、結果として形になる率が高いと思う(当たり前だけど)。
・これはきっと「クリエイトしたい」という意思と「完成させて世に出したい」という意思が、必ずしも同じベクトルを向いていないからだと思う。
・まずは巧遅より拙速、で、それを繰り返していく中でいずれ巧速になるよう意識して製作していった方が良い。
・今回も、長年温めていて何度もテストプレイをしているゲームより、ノリと勢いでガッと作ってしまったゲームの方が結果的に完成が早まった。今はたぶん、この「ノリと勢いでとにかく形にしてみる」ターンなんだろうなという気がする。ネタのストックはあるので、ノリと勢いにネタを掛け合わせられるタイミングを見失わないようにしたい。

【告知、PR等】
・難しい界隈だと思う。PRに関しては、ざっとネットを眺めた感じ「ゲームマーケットの1~2ヵ月前ぐらいからお祭り騒ぎ的な自作ゲームのPRが始まる」という雰囲気。逆に言えばそれ以外の時期に定期的なPRがあるのは、商業作品かほぼセミプロみたいな人達で、もろインディーズ、みたいな人達は細々と製作状況をアップしたりといった範囲に留まっている印象を受ける。
・どこの界隈でも「しつこいPRは逆に引かれる」というのはあると思うんだけど、インディーズ→セミプロ→商業という過程を経てマネタイズするという事を考えると、やっぱりまず認知される事が重要で、でも特にアナログゲーム界隈は過度に認知されようとすると嫌われる空気感がある……といった感じ。この辺は本当に慎重にバランスをとっていかなければいけないと感じる。認知度とウザがられ度がトレードオフにならないよう気を付けなければいけない。
・某ラーメンハゲが「良い物が売れるというナイーヴな幻想は捨てろ」と言っていて、それはその通りだとおれも思うんだけど、それはそれとしてこの界隈は結構ギリギリまでその幻想が通用するように感じる。結局良いものが売れている。問題は、その「良い」の基準が複数あるところ。ゲームシステム、デザイン、アートワーク、或いは製作者の人柄……なんてのもカウントして良いのではないか。もちろん最終的にはそれらを総合した結果「良い」のか「悪い」のかの判断が下されるんだろうけども、少なくとも、まだガッツリと商業に至っていない段階では(例えばゲームマーケットである程度黒字を出したい、という段階では)どこか一点突破の「良い」でもそれなりに通用するように思う。
・なので、まずはやっぱり「面白いものを作る」「それを面白がる」という基本をしっかりこなしていきたい。もちろん技は色々あるんだろうけど、まずは正拳突きを強くしていきたい。

【販売】
・頒布会や展示会に限っていうと、ある意味では「それまでやってきたことの結果」が売り上げであると思うので、ここはもう天に任せるしかない。
・人事を尽くす部分、呼び込みだの販売トークだのの部分については、メンバー全員のスキルに絶大なる信頼を置いているので何の心配もしていない。むしろおれが一番コミュ障かもしれない。
・委託や通販について、ざっくりとした流れやコスト面についてはある程度把握しておきたい。この辺はメンバー全員で協議して決めていく形になると思うんだけど、いずれは窓口業務も自分で賄えるようになりたい。

【短期的には】
・まずは新作を途切れなく出す。
・2024年中までに黒字化を目指す。

【中・長期的には】
・年でならすと黒字だね、みたいな形に。
・利益の一部を次作の製作コストに回せるように。

 ひとまずそんな感じ。

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