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インテル・ミラノ 2010年代の"裏"選手名鑑【後編】

 暗黒の2010年代を(多少なりとも)彩った選手たちの紹介の後編になります。前編は公開済みですのでそちらもぜひ。

 


18.イシャク・ベルフォディル

1992.01.12(28歳)
アルジェリア
CF等
在籍:2013夏〜2013冬
インテル時代の背番号:7
知名度:★★☆☆☆

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 この選手も、若手有望株として最初は大きな期待をかけられていました(しみじみ)。いやマジで。カッサーノと入れ替わる形でやって来ました。イカルディと同期加入です。しかしパラシオやイカルディ、リッキー・アルバレスらの後塵を拝することとなりなかなか出場機会を得られませんでした。結局、翌年に控えたW杯を見据えて出場機会を求め、1月にリヴォルノにレンタル移籍。2014年夏にパルマFCへの完全移籍となりました。CFのみならず前線のポジションを色々とこなせる選手でした。そしていつも困ったような顔でプレーしていました。

 現在はブンデスリーガのホッフェンハイムに所属しています。2年前にCLでシティ相手に先制点を決めたことを覚えていますが、その後も主力として活躍しているかどうかは不明です。ブンデス詳しい人に聞いてみて下さい。


19.ガブリエウ・バルボーザ(ガビゴール)

1996.08.30(23歳)
ブラジル
CF
在籍:2016夏〜(一応)2020夏
インテル時代の背番号:96
知名度:★★★★☆

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 最近の選手も一応、ということで。ご存知の方が多いと思うので、あまり説明は要らないでしょう。ネイマール二世です。少なくともリオ五輪の頃はそんな立ち位置でした。残念ながら欧州初挑戦は失敗という形になりましたが、母国ブラジルでリベルタドーレス杯優勝の立役者となったことは記憶に新しいですね。ブラジルでのサッカーが水に合っていたようなので再び欧州に挑むのか気になってはいたのですが、2020年1月にフラメンゴに完全移籍しました。その前からレンタルで在籍していましたがそのまま完全移籍に移行した形です。個人的には活躍できる場でプレーするのが一番だと思っています。

 ということで実質在籍したのは2016-17シーズンの一年のみでしたが、退団後もことあるごとにインテルへの愛情を語ってくれるので今でもファンからの人気は高いです。


20.ジョアン・カンセロ

1994.05.27(25歳)
ポルトガル
RSB等
在籍:2017夏〜2018夏
インテル時代の背番号:7
知名度:★★★★☆

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 買取OP付きのレンタル移籍でバレンシアから加入。テクニカルで攻撃的なとてもいい右サイドバックでした。あんまりよしなに書くと、それ以上話題に出すなとインテルファンから怒られそうなので以上にします。インテルから直接マンチェスター・Cに移籍して現在に至ります。経歴の改変?知らねえなぁ

 個人的には、同じシーズンの冬に加入したラフィーニャ ・アルカンタラ(下画像:右)は半年だけだったにもかかわらず今もファンから絶大な人気を受けていて、えらい違いやなと思っています。

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21.ワルテル・ガルガーノ

1984.07.23(35歳)
ウルグアイ
CMF等
在籍:2012夏〜2013夏
インテル時代の背番号:21
知名度:★★☆☆☆

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 知ってる方は、ナポリの印象が強い人が多いと思います。在籍がもう8年近く前なので、私はあまり覚えていません。試合に出てたのは覚えています。ナポリからのレンタルで1年間在籍し、28試合に出場しましたが翌シーズンからの監督とあまり折り合いが良くないとのことで買取はされなかったということです。現在はウルグアイのペニャロールで現役を続けているようです。

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 小柄さがよくわかる一枚。


22.ステヴァン・ヨヴェティッチ

1989.11.02(30歳)
セルビア、モンテネグロ
CF、ST等
在籍:2015夏〜2017夏
インテル時代の背番号:10→8
知名度:★★★☆☆

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 コバチッチのRマドリー移籍に伴い背番号10を付けて加入。やっぱりフィオレンティーナ時代の余韻があったため期待値は高かったのですが、度重なる怪我離脱でなかなかポジションを確保できませんでした。マンチェスターCからの買取オプション付きレンタルでしたが、2016-17シーズンの9月に試合に出たことで買取義務が発生し完全移籍になりました。完全移籍になったのですが2017年1月にセビージャにレンタル移籍(は?)。2017年夏にモナコへの完全移籍が決まりました。結果的に、何のためにシティに金払って完全移籍したんだかということになったのを覚えています。


23.ジョエル・チュクウマ・オビ

1991.05.22(28歳)
ナイジェリア
CMF等
在籍:2010夏~2015夏
インテル時代の背番号:20
知名度:★★☆☆☆

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 「ミケルの従兄弟」というその一点のみである程度の知名度を得ていた選手。チェルシーに長らく在籍したミケルと異なりこちらはレンタルでパルマとインテルを行ったり来たりの5年間を過ごしました。個人的には風貌しか印象に残っていないことを正直に言っておきます。

 現在はアランヤスポルにレンタル移籍中です(保有元はキエーボ)。


24.ジョアン・マリオ

1993.01.19(27歳)
ポルトガル
CMF
在籍:2016夏~
インテル時代の背番号:6→10→15
知名度:★★★★☆

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 「インテルのハゲは有能」というハーバード大学提唱の説に真っ向から反例を叩き出した張本人。他の多くの選手同様に抜群の期待値で加入し、途中から栄光(?)の背番号10を拝受したのですが、中々ポテンシャルを発揮できませんでした。個人的には4231のトップ下で起用された時はチャンスメーク等に光るものがあったと思うのですが、それ以上に判断ミスが目立ったりシュートがクッソ下手だったのが大きかったと思います。まあ言うてもそこまでなら別によかった(よくはないけど)のですが、2017-18の冬にウェストハムにレンタル移籍した際、インタビューか何かで保有元のインテルを批判するような発言をしたことで多くのインテリスタの反感を買いました(例:イタリアは合わなかった、イタリアには行かないほうがいい、僕には4500万€の価値があるetc.)。日本のインテルファンからも「JM」「眉毛」呼ばわりされる始末で、現在もレンタル移籍中ですが絶賛余剰戦力になってしまっています。ちなみに移籍金€40mで加入。先述のガビゴールと同時期加入で2人の移籍金を合わせると€70mオーバーであり、史上類を見ない無駄遣いof無駄遣いとして多くのインテルファンの記憶に残っています。ただ2人に対するファン感情はほとんど正反対なのもまた面白いところです。


25.ネマニャ・ヴィディッチ

1981.10.21(38歳)
セルビア
CB
在籍:2014夏〜2016夏
インテル時代の背番号:15
知名度:★★★★★

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 マンチェスターUの黄金期を支えたセンターバック。最終ライン及びロッカールームの統率役を期待されて入団しました。実際の貢献度は最初の期待値の半分くらいだったでしょうか。当時のインテルが採用していた3バックにあまり適応できなかったのと、何より怪我に苦しみました。結局最後の半年はヘルニアの手術でほとんど出場なし。怪我さえなければもう少しキャリアも延びたかもしれないとも思ったり。2016年1月に契約解除となって退団したのと同じタイミングで引退しました。


26.ヤン・エムヴィラ

1990.06.29(29歳)
フランス、コンゴ
DMF
在籍:2014夏〜2015夏
インテル時代の背番号:90
知名度:★★☆☆☆

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 レンタルで加入したフランス人。アンカー役として加入時の期待度高かったのですが、まあそれ以上はあんまり言うことがありません。


27.トレント・ルーカス・セインズベリー

1992.01.05(28歳)
オーストラリア
CB
在籍:2016冬〜2017夏
インテル時代の背番号:20
知名度:★☆☆☆☆

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 こちらは怪我人等で手薄になったCB陣のバックアッパー役として半年間在籍したオーストラリアの選手。おそらく試合に出たのは1試合とかではなかったでしょうか。半年ですが決して「活躍できなかった」のではないことは一つ付記しておきます。現在はイスラエルのチームに所属しています。


28.リサンドロ・ロペス

1989.09.01(30歳)
アルゼンチン
CB
在籍:2017冬〜2018夏
インテル時代の背番号:2
知名度:★☆☆☆☆

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 言ってしまえば前述のセインズベリー枠。とはいえちょこちょこ試合には出ていました。バックアッパーとして備えていてくれました。なんでかわからんけどこういう選手って試合に出るとちょっと嬉しくなります。なんでかわからんけど。現在はアルゼンチンのボカに在籍しています。人懐こそうな笑顔が印象に残っています。


29.セドリック・ソアレス

1991.08.31(28歳)
ポルトガル
RSB等
在籍:2018冬〜2019夏
インテル時代の背番号:21
知名度:★★★☆☆

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 夏に加入したヴルサリコの怪我が長引いたため、冬にサウサンプトンからレンタル加入。現役のポルトガル代表ということもあって個人的には期待していたのですがスパレッティ監督(当時)は既存戦力でやりくりし、あまり使ってくれなかったのでもう少し見たかった選手です。出てた時は無難に良いプレーをしていただけに、なおさら。

 サウサンプトンに戻った後、今冬からはアーセナルにレンタル移籍。しかしCOVID-19禍によりほとんど出場できていません。ほとんどっていうかゼロかも。

30.トンマーゾ・ロッキ

1977.09.19(42歳)
イタリア
CF
在籍:2012冬〜2013夏
インテル時代の背番号:18
知名度:★★☆☆☆(ラツィオファンは星5かも)

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 この稿のラストを飾るのはもちろん(?)この選手。2004年から12年までラツィオ で活躍したCFで、ミロスラフ・クローゼの加入等でラツィオでの出場機会が減ったのち、2012-13シーズンの冬に半年の契約で加入しました。このシーズン、インテルは怪我人続出で使えるCFが殆どいませんでした。そんな中、ピンチヒッターとして獲得されたのがこの選手です。そういった加入の経緯が自分の中でどこかカッコよかったせいか今でも印象に残っています。'13年3月には念願のセリエA通算100得点を記録。2016年を最後に引退し、現在は指導者の道を歩んでいるようです。

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上画像:ロッキといえばこのベロ出し画像だよね

 と言いたいところですが、世間的にはロッキといえばイエローカード様のほうなので、ちゃんとフルネームで呼んであげましょう。

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 こんなもんか。他に誰かいたらコメントいただけると嬉しいです。書き加えるかも。

追記:前後編ともに載せてない選手のリクエストも頂いたので、後日「番外編」として別稿で載せようと思っています。こちらに関しては活躍した、してないにかかわらず頂いた分は載せようと思っています。リクエストくださった方、ありがとうございました。

   * * *

 2010年代、特に2012〜2017年あたりは本当にたくさんの選手が出入りしました。マジで多すぎ。三冠後の世代交代とFFPによる緊縮財政が重なったのが主原因でしょうが、大物選手から若手有望株、んーちょっと知らないなあみたいな選手まで1年で退団は当たり前、そしてほとんどが買取OP付きのレンタル移籍でした。ずばりお金が無かったからです。そう考えると、そういう時期に8年も在籍したあの日本人選手は凄いなあと改めて感じました。結論それかよ。

以上


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