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NO WARっていうより、せめてSTOP WARだな

2022年2月24日から4月15日で50日目。

最近友人から送られてきた動画を観て、自分が今感じているものとは随分異なる世界にいるひとを改めて意識した。。
海外ではなく、国内で NO WAR、戦争反対と声を上げることが、どうも時代遅れでイケてないなと感じた自分とのズレ。ぱっと目に入ってくるビジュアルの一つ一つもどこかノスタルジックだ。ベトナム戦争は50年近く前のことなのか。

いや、戦争には反対しますよ だけど、
今それを言うことは、意図的な現状無視ではないか。
〈自分たちの国がどこかの国を侵攻する可能性があるということを自覚しておく必要がある〉ではなく、イラク戦争のときよりもむしろ積極的に、すでに参加しているという認識がいかに共有できていないんじゃないかなと。侵攻することと守ることの違いも含め。

ウクライナよりも昨年、自分に強い衝撃を与えたのはミャンマーだった。22年2月にアメリカ議会はジェノサイド認定をミン・アウン・フラインの軍政権に出したが、今も続くクーデター当時に声を上げたひとたちは少なかった。先日、駅前で募金を募っていたミャンマーの人たちがいたから眺めていたけど、誰の視界には入っていないもんだ。ウクライナもロシアもそこにあるのに。

ミャンマーより前は、香港、台湾だ。
日本人は白い肌だから声を上げたのか?という話も見かけたけど、日本人の世界には序列があるんじゃないかと思う。戦争反対、では自国が侵攻されたら? いま日本の周りで友好国は台湾だけなんじゃなかろうか。

*    *    *

この記事を読んで、ウクライナはある意味、迎えるべくして今の状況を迎えているということも考えられるようになった。ステルスNATO拡大という戦略、大きな声の目に見えるニュースだけではない目線。

ウクライナ善戦。ウクライナ自身の理由
https://news.yahoo.co.jp/byline/dragoner/20220408-00290445
2022.04.08/dragonerWebライター(石動竜仁)

2014年のクリミアから(それ以前のミンスク覚書)流れを整理していくと、アメリカもイギリスも覚書の通りにウクライナの安全保障に参画していたと考えられるし、ベラルーシからのキエフ急襲は想定外だったとしても、ある程度想定されたシナリオの中に、アメリカ軍からの衛星情報を元にウクライナ軍が防衛するなどがあり、祖国防衛にあたる戦術理解度は高かったのかもしれない。
ロシアの(プーチンの)NATOの東方拡大に対する危機意識ということも、同時に流れを見ていくと、

なぜモスクワは「第三のローマ」なのか
2017年3月24日オレグ・エゴロフ
https://jp.rbth.com/arts/2017/03/24/726618

キリスト教の正統は、ローマではなくロシアにある
バチカンが隠ぺいしつづける不都合な歴史

[橘玲の世界投資見聞録] 2014年5月15日
https://diamond.jp/articles/-/53108

プーチン、異常なウクライナ「執心」の訳...1000年に及ぶ歴史から完全解説
Newsweek 2022.3/11
https://news.yahoo.co.jp/articles/b82f3ba1d2e3f64dea60e6d9b8f64532d436d255

NATO東方拡大とロシア、という言い分と共にみかけるのは、ウラジミール(大公と同じ名前なのかな)というプーチン的な都合で領域拡張的であるという文脈。
ルーシとヴァリヤークからイワン雷帝とエカテリーナ二世の帝政ロシア、プーチンの内面性として紹介されるが、個人の意識を支えるものがその国民の意識だとすれば、そこに流れている時間を知ってみると「第3ローマ」という言葉と出会った。ヒトラーの第三帝国というのは西ローマ帝国(ゲルマン民族・神聖ローマ帝国)、ビスマルクのプロイセン帝国に続いて3番目、ということだったが、この元ネタはドストエフスキーとか。
キリスト教圏には、日本人には見えてこない時間が作る意識があるということも、ロシア―ウクライナ戦争の50日の間に知ることができた。

真珠湾攻撃は奇襲というけれど

戦争は戦時におけるルールがあると聞いてるし、真珠湾攻撃が奇襲というのは「宣戦布告との前後関係」がポイントになって、アメリカ的には宣戦布告なき卑怯な騙し討ちという話になるわけだけど、ロシアが21世紀に始めた侵攻は戦争ではなく液体がにじむような軍事力の行使だ。911以降の非対称戦争に始まり、グローバルに接続強度の強い状況で既に古典となってそうな宣戦布告による始まる二国間戦争の開戦という自体が起こりえるんだろうか。イスラミックステートのような、国境意識の薄いある種民族紛争的なことが今でもあることも覚えておきたいけど。
仮に日本が侵攻を始める場合、おそらく内閣の閣議決定なりがあり、国会で審議され……多分その間に相手は守りを固めるし、国内輿論も湧く。つまり冒頭に打ったように、改めて「NO WAR」な現況の存在は十分に確認できているし、密室で拙速に開戦するという自体がいかに妄想レベルかとも思ってしまう。

国際法、とかよく使われるうけど、それについても少し理解したいと思っていたところ、書店で小室直樹『戦争と国際法を知らない日本人へ』という本が平置きになっていたので読んでみた。

はじめに「国民の一人ひとりが、国際政治、国際法、国際関係を徹底的に理解して、自分自身が日本を指導する覚悟をもたなければ、日本は滅亡のほかないであろう」とあり、一国平和主義的なことから隔絶した、地球に住む人類意識を与えつつ、「国際法は、本質的に、慣習法である」とされる。
この言葉は本書内に何度か登場したが、慣習、国際的な慣習によって決まるルールで、なんか文字として条文化されている(国際法という本があったりして)と思っていたので全く驚いた。確認の意味も込めつつ『社会科学ジャーナル』(p121-142)に掲載された「慣習国際法における「法的確信」概念に関する一考察 従来の学説の持つ問題点」(橋野篤・1990)という論文などいくつか読んでみたが、国際法とはつまるところコンセンサスということだ。

『戦争と国際法を知らない日本人へ』は、現代国際法を理解する上での根本的な歴史と考え方として、キリスト教とイスラム教についてから始まるが、それを受けて「ナポレオン戦争によって戦争の概念が変わった。それにもう一つ。国際政治の枠組(frame of reference)が形成された。列強(powers)の談合による国際政治である」とし、ヨーロッパ・キリスト教圏が中心であった世界が、日本とアメリカの闖入によって、古典的ヨーロッパ列強政治は、大きく変質し、よく植民地支配といわれるような「半主権国家、半独立国という概念が一掃されたのは、第二次世界大戦が終わってからである」と現代までを俯瞰するが、たしかにその理由の中に、先に記してある歴史の流れ、第3ローマというウクライナ/ロシアのギリシア正教/ロシア正教会は、ローマ・カトリックやアメリカ的なプロテスタントとは異なる物事を知らなければ、ある意味自身の知ることのみで判断するコンセンサスなきNO WARが成立する。
違う歴史を眺めてみると、かつてのビザンツ帝国の首都、コンスタンティノープルのあるトルコが積極的に仲介していることも面白く感じる。

つまるところ、戦争について無邪気

「ウクライナを支持する日本の盲点、「戦争に関与している」との覚悟があるか? 戦争関与の前に行うべきだった3つの議論」という記事から抜粋する。

イギリス政府は「イギリス(トニー・ブレア政権)のイラク戦争への参加意思決定は正しかったのか?」に関する検証を行い、「イラク戦争査問委員会」(委員長ジョン・チルコット卿)の報告書「チルコット・レポート」を2016年に公刊した。
チルコット・レポートは、戦闘を伴う直接戦争当事国ではなく「広義の戦争関与国」として戦争に加わる場合においても、少なくとも以下の3点について慎重な議論を経た上で意思決定がなされるべきであることを指摘している。
(1)平和的な代替手段
日本政府は、平和的な代替手段を模索したうえで、「広義の戦争関与国」としてウクライナ側に立つ決断を行ったのか?
(2)戦争の背景・論拠
ロシア、ウクライナ、そしてアメリカ・NATOが「戦争を開始する・受けて立つ・関与する」に際しての歴史的・民族的・宗教的状況や思想的・法的論拠などを十二分に理解したうえで、「広義の戦争関与国」としてウクライナ側に立つ決断を行ったのか?
(3)自国の国益
これまで構築してきたロシアとの関係をほとんど全て捨て去ることになろうとも、ウクライナを支援しロシアと敵対するほうが日本の国益を増進することになると判断して、「広義の戦争関与国」としてウクライナ側に立つ決断を行ったのか?

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69607 2022.04.07/北村 淳

日本は、経済制裁に参加したことに加え、防衛装備や輸送機の展開を行っている広義の戦争関与国にあたるそうです。開戦→戦争という古典的な戦争とは異なり、既に参戦している(現にロシアは「非友好国」に指定:英語ではどうなんだろ)という認識に立ってみるとどうだろうか。

戦争と戦闘は一体的な行為だろうけど、戦闘とは何を指すのか、戦争には反対するが、戦争のさなかにある人達に向かってそれをいうほどの信念も度胸もない、むしろ仕方ない戦いとも思わず、積極的に応援するならその標語は「STOP WAR」なんじゃないだろうか。連帯だ。

そういったわけで、自分なりの表明として作ったインスタグラム・フィルターを掲載しておきます。誰かと並ぶと、ずーっと続く帯になる、#StandWithUkraina 連帯を示したい。

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