省エネ基準適合のための3つの基準値
省エネ基準適合の判定は、最終的には一次エネルギー消費量の評価によって行います。一次エネルギー消費量評価のための基準は、一次エネルギー消費性能(BEI)で、この値が1.0以下となることが省エネ基準適合のための条件となります。
一次エネルギー消費性能(BEI)は、設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で除したもので、暖房、冷房、換気、給湯、照明などの標準的な仕様を採用した場合のエネルギー消費量に対して、実際の設計仕様を採用した場合のエネルギー消費量がどのくらいの比率になるかを表しています。
外皮性能には、外皮平均熱貫流率(UA)と冷房期の平均日射熱取得率(ηAC)の基準値があります。
外皮平均熱貫流率(UA)は、単位温度差あたりの外皮総熱損失量を外皮総面積で除したもので、具体的には、建物内外温度差を1℃としてときに、建物内部から外部へ逃げる単位時間あたりの熱量を外皮面積で除したものです。
冷房期の平均日射熱取得率(ηAC)は、単位日射強度あたりの総日射熱取得量を外皮総面積で除したあと100をかけたもので、具体的には、単位日射強度あたりの日射により建物内部で取得する熱量を冷房期間で平均し、外皮面積で除したあと100をかけたものとなります。
外皮平均熱貫流率(UA)と冷房期の平均日射熱取得率(ηAC)は、地域の区分ごとにそれぞれの基準値が定められており、省エネ基準に適合するためにはこれらの数値以下になることが求められます。
一次エネルギー消費量の計算では、地域の区分をはじめ、外皮性能計算で求めた外皮平均熱貫流率(UA)、冷房期の平均日射熱取得率(ηAC)、外皮面積などの数値を入力する必要があります。