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【2つめのステッラ】インテル、スクデットの軌跡

こんにちは!ご無沙汰しております、TORAです🐯

不義に始まり、記録や優勝、挫折を経て、2つめとなる星の獲得まで。偉大なインテルの軌跡を振り返ります。


7月:後世に語り継がれる2つの不義

シュクリニアル、最悪の立ち振る舞い

●21/22シーズン終了時「契約期間が残り1年だね、将来どうするの?」的な質問を受ける。「僕の将来はインテルだ。ハムシクのようなレジェンドになりたい」と漢気発言。

●とはいえ、契約残1年のトップDFには多くの噂。22/23のプレシーズンにパリ方面から50M+ボーナス(10M?15M?)のオファーが届くもインテルはNOを貫く。
●クラブは主力を販売しなければいけない経済状況だったが、ハムシク発言を信じ、50M+αよりも彼の契約延長にバリューがあると踏んだ。
●11月に話す、クリスマスまでには決めたい、年明け落ち着いたら…。シュクリニアル陣営の先延ばしに、ずるずると時間が溶けていく。
●23/1/14のエンポリ戦を前に、代理人が「クリスマスに延長のオファーを受けないと伝えた」と爆弾発言。また、そのエンポリ戦でシュクリニアルは40分に退場し、8試合ぶりとなる黒星の爆弾原因に。
●彼はそのまま怪我でフェードアウト。3/15のポルト戦を最後に出場なし。4/20に手術を受けるも、そこは何故かフランス ボルドーにある病院。PSGのメディカルドクターの勧めによって、PSGのスタッフの立ち合いの元、検査を受けたと報じられる。メンタルお化け。

●CLファイナル直前にメディカル青信号。シュクリニアル曰く「CL決勝は何がなんでも出場したい」とのことだが、インテルは代役以上を務めたダルミアンを至極当然信じ、シュクリニアルをピッチに送ることは至極当然なかった。
●結局、プレシーズンの時点でPSGに内定していたことが判明(自国メディアにシュクリニアル本人が発言)。フリー移籍なら特別ボーナスが貰えていたとの報道も。
●どんでん返し微塵もなし。既定路線通り、23/24の船には乗らず。

メンタルがヘラる

●昨シーズン、11年ぶりとなるスクデットの立役者ルカクがローン移籍によって帰還。
●新シーズンのインテルはなけなしのお金を彼の買取とサラリーに注ぎ込むことを決意。再びスクデットを勝ち取るために、再び彼を信じ彼に賭け、再びLu-La(ルカク+ラウタロ)結成へ。
●ジェコは残留したがっていたが、この決定を尊重しクラブを去る決意(その後トルコで大暴れ)。
●23/7/14、インテルが保有元のチェルシーと移籍金の合意を得る
●直後、チェルシーから不思議なアクション。「彼自身はお宅に行きたがっているのか?」ルカクが代理人グループROC NATIONに無断で、弁護士レドゥーレらと暗躍。ミランとユヴェントスとコンタクトを取っている事実が発覚する。
●すぐにマロッタCEOがルカクへ電話をかけるも全く繋がらず。即座にインテルは90番を過去のものとした。ROC NATIONもブチ切れで契約解除。
●特にユヴェントスと密に連絡を取っていたことが決定打。彼はイスタンブールの前、もしくは、さらに以前から交渉していたとも伝えられ、実はインテルも懐疑的な目を持っていた。

●時系列戻り、6月。親友ディマルコの結婚式に無断欠席をしており、クエスチョンはあったのだ。しかしそれでも、信じた。そして、裏切られた。
●チャン会長も即断。アウジリオSDがルカクに対し、たった30秒の電話で締め出しの決定を伝える
●(ようやく)ヤバいと気づいたルカクはインテルとの関係修復を図るも、クラブの面々は門前払い。特にチームメイトたちが断固拒否。当時、彼らの連絡もまた、ルカクは一切無視したという。「今さら連絡を取ってきて一体なんのつもりだ?」
●元親友であり、熱狂的なインテリスタであるディマルコはSNSを更新し、メッセージを発信。

●その後、ジャッロロッシに袖を通した彼を待っていたのは握手拒否、4万本の鳴らなかったホイッスル、アチェルビとゾマーという高い壁。

8月:伏線

●ルカクの不義により、補強戦略に大幅な狂いが生じるインテル。

INTER JAPAN TOUR 2023

●そんな中、クラブは20年ぶりの来日。前回と異なり、今回は主力も来てくれた。
●がしかし、抵抗不能のオナナ売却とハンダノヴィッチ涙の引退、ロッカールームで愛されたコルダツ移籍により、なんとGK総とっかえ
●この時点ではNEW第3GKのディジェンナーロとプリマGKスタンコヴィッチがファーストの座を争う事態に。こんなCL準優勝チームが過去にあっただろうか
●すでに移籍が期待できるフェーズにあったゾマーもバイエルンの一員として来日していたので、「日本で交渉して、日本で移籍させて、日本でお披露目させろ」と無茶を発する日本人インテリスタ多数。
「破壊的攻撃の、創造。」というキャッチコピーを与えられ、むしろインテリスタこそ苦笑いするが、これが後に、特大の伏線回収に。

破壊的攻撃の、創造。

●ネタっぽくなりましたが、日本で彼らを見る非日常感は現地で見るソレとは一味ちがく、言葉で言い表せないほどの感動でした。本当に最高の思い出となりました。

「まだ荒れるメルカート。二つの”一歩手前”」

●歴史に刻まれた2つの裏切りで終わらない移籍市場。さらに2つのトピックス。
スカマッカ。ローマなど他クラブからも熱視線が注がれたが、元90の代役探しに奔走するインテルが追い抜き、クラブを超えて本人と近づいたが、最後はNO。
●原因は年俸(3.2M?)とされているが「ルカクに賭けていたクラブが、その代役で彼よりも安価な年俸を払えないのか?」という疑問(実際インテルは3.5Mのオファーと報道された)。真実は、先発争いを嫌がりスタメン保証を求めたから、とも。

「移籍?まだ”草案”だよ」

サマルジッチ。代理人のピメンタを通じてウディネーゼとクラブ間同意。1.5Mの年俸同意を経て、メディカルチェックも合格。集まったインテリスタに笑顔を見せ、パフォーマンス。
●しかし急転直下。サマルジッチのパパ登場。「ピメンタに代理権はない。金銭?話してないので”草案”を見たときに驚いた」と、んな訳あるか発言。
●ピメンタはパパルジッチとの話し合いや、サマルジッチが父に対して「今のところ問題ない。予定通り、これからメディカルだよ」とビデオ通話していたことを明かし、仲介を務めたコラロフもピメンタの言い分が正しいとし、こんなことになって申し訳ないと謝罪(何も悪くない)。

●パパルジッチは土壇場で手数料と給与の増額を要求。当然、インテルは一蹴。
●クラブ間同意を交わしていたウディネーゼも激怒。サマルジッチに対し、インテル以外のチームには売却しないぞ、と伝えたとも(ウーディネのメディアが報じるがソースはやや弱い?)。
●サマルジッチ自身はインテルに行きたい為、なんとか粘るも状況はロックされたままクローズ。同日にメディカルを受けたアウデーロは「え、彼来ないの?」と驚いたのではないだろうか。
●主な移籍まとめ
OUT:オナナ、ブロゾヴィッチ、ゴセンス、コレア(ローン)、ルカク(ローンバック)、シュクリニアル(フリー)、ジェコ(フリー)
IN:パヴァール、ゾマー、フラッテージ、カルロス・アウグスト、アルナウトヴィッチ、ビセック(7.5Mの3分割払い)、サンチェス(フリー)、クアドラード(フリー)、クラーセン(フリー)、テュラム(フリー)

「スタートダッシュを牽引するキャプテン」

●開幕モンツァ戦はインテルに長く貢献したダンブロージオとガリアルディーニを讃える一コマ。

●しかし、インテルに特段スイートメモリーがないガリアルディーニは試合中に小競り合い。ラウタロと接触して大袈裟に転げ回り、インテルの面々から「早く立て!」と怒られる。
●シーズン頭から印象的なパフォーマンスを見せたモンツァのコルパーニに、バストーニがInstagramで「俺んとこ来ないか?」と直球誘惑。
●僕らのキャプテン ラウタロ・マルティネス。開幕戦2ゴール、続くカリアリ戦でも1ゴールを決めて最高のスタートダッシュ。ジャパニーズインテリスティから票を募った「Mon of the Month」でも圧倒的な支持を集める

8月の試合成績
リーグ1節:Hモンツァ戦2-0○
リーグ2節:Aカリアリ戦0-2○

8月のMOMはラウティ

9月:レコードラッシュ

地獄を見てきたインテリスタ

●偉大な元選手や監督のスクデット予想。カペッロやサッキなどのネームが10人並び、1人を除いて全員が「インテル」と答える。
●唯一濁したのはネラッズーリの伝説的OBベルゴミ。「まだ8月なので難しい。インテル、ミラン、ナポリの名前を挙げるが、欧州大会が始まってから評価すべきだろう」。これぞ黒青色の血。

フラグだめ、絶対。

●そんなインテリスタの不安を払拭するようにチームは好調。
●3節フィオレンティーナ戦では、テュラムの初ゴール、そして3節にして2度目となるキャプテンのドッピエッタが生まれる。ラウタロをアシストしたテュラムが黒歴史と化したLU-LA のセレブレーションを誘うも、拒否られる

マルクス君、やらかしちゃう
5の劇場

●4節のミラノダービーは黒と青による『5の劇場』。テュラムのゴラッソなどで5-1の大勝。ダービーでの5得点はなんと1974年以来。また、インテルのダービー5連勝はクラブ初。破壊的攻撃の、創造。
●テュラムのゴラッソはセリエA月間最優秀ゴールに。

●続くエンポリ戦でリーグ開幕5連勝を達成するも、アルナウトヴィッチが左ハムストリングの負傷で1ヶ月半程度の離脱。
●暗雲立ち込めると、案の定ずっこける。初のターンオーバーで苦戦を強いられたCLソシエダ戦、リーグ初黒星となったサッスオーロ戦を経て、「ダービーの圧倒的強さはどこへ行った?」と周囲がザワつくも、地獄を見てきたインテリスタの精神は揺るがない(揺るがないとは言っていない)。
●9月を締めたサレルニターナ戦ではラウタロが後半から出場すると、35分間のプレーで4得点の荒稼ぎ。勝点3制(1994/95年)になってから、途中交代で4ゴールを決めた選手は彼が初めて。偉大な記録が誕生。破壊的攻撃の、創造。

●9月の取締会で前季の営業収入が約4億2,500万ユーロであることを発表。クラブレコードの値に。

9月の試合成績
リーグ3節:Hフィオレンティーナ戦4-0○
リーグ4節:Hミラン戦5-1○
CLグループステージ1節:Aソシエダ戦1-1△
リーグ5節:Aエンポリ戦0-1○
リーグ6節:Hサッスオーロ戦1-2●
リーグ7節:Aサレルニターナ戦0-4○

9月のMOMはテュラム

10月:新戦力、躍動・躍毛


●一部界隈を大いに騒がせていたテュラムの派手パンツが「PULLIN(プルイン)」だと判明。

●CLグループステージ2節ベンフィカ戦でパヴァールがジュゼッペメアッツァ先発デビュー。圧巻のパフォーマンスでファン投票のマンオブザマッチに。プレーだけでなく観客も盛り上げるリーダーシップを披露。ファンの心を鷲掴み

もはやアート

●近年、なぜか怨嗟渦巻くボローニャ戦で今季リーグ戦初のドロー。

・おさらい
インテリスタが直近で特に根に持っているのは21-22シーズン。
ボローニャに新型コロナウイルス陽性者が出てしまった影響でインテル陣営はスタジアムに来たにも関わらず試合ドタキャン(ボローニャではなく地方衛生局の判断らしいが)。終盤戦が過密日程になってしまう。
キャンセル自体にはシモーネやマロッタは理解を示すコメントを残したが、延期試合でインテルGKラドゥが致命的なミスを犯してしまう。試合後、ボローニャTDが「信じられないほど、気持ちの良い勝利だね」とインタビューで答え、ボローニャファンも乗じてインテルやラドゥを煽り、インテル側が大激怒。

●そのボローニャ戦で途中交代でプレーするも、抱えていたアキレス腱の炎症が悪化し、クアドラードが離脱。
●続く9節トリノ戦では試合終了後、ハードワークの末に文字通り”全てを出し切った”ヴラシッチが失神してしまう。敵ながら天晴れ。また、重傷を負ってしまったスフールスにチャルハノールが「兄弟、君がピッチにすぐ戻ってくることを願うよ。前よりも強くなって」とメッセージ。直前に競り合っていたので、特に心配をしていた。
●CLザルツブルク戦でIHフラッテージのフラッテージな所以が記録される。フル出場した彼のボールタッチ数はわずか24回。反対サイドのIHムヒタリアンは45分で31回。同サイドの後方を務めるパヴァールが86回と、ビルドアップ放棄問題が勃発。

真の敗北者はホイッスル

●月末には因縁尽くローマ戦。インテリスタは5万本(4万本)のホイッスルを用意し、裏切り者がボールを触った時のみ鳴らすように、と指示が出る。
モウリーニョ「貸してもらえるホイッスルある?役立つかも」。本当、この人はこの手のセンスが抜群。

しかし、ヤツのボールタッチ数はフル出場した選手の中ではワースト。なんなら途中交代の選手より少なく、ホイッスル無駄死に。フライヤー合わせていくらかかったんだろ。
●試合はスコアレスで迎えた終盤81分に新しい9番テュラムが決勝弾を決めるエクスタシーなストーリー。おそらくファンだけでなく選手含めて溜飲が下がり、夏の一幕は一旦これに終演。
クラーセンが植毛に成功する

出場停止か、とインテリスタをザワつかせた

10月の試合成績
CLグループステージ2節:Hベンフィカ戦1-0○
リーグ8節:Hボローニャ戦2-2△
リーグ9節:Aトリノ戦3−0○
CLグループステージ3節:Hザルツブルク戦2-1○
リーグ10節:Hローマ戦1−0○

10月のMOMはテュラム(2回目)

11月:酷使無双

●ラウタロ・マルティネスが10月のセリエA月間MVPに。8月もあったら2回目の受賞だっただろうになぁ(表彰は9月分から)。

●11節アタランタ戦、チャルハノールやラウタロの美技で勝利するも、ルックマンの危険な飛び込みによりパヴァールが負傷。約2ヶ月OUT。
●CLグループステージ4節ザルツブルク戦はターンオーバー。サンチェスやカルロス・アウグスト、フラッテージの他、ビセックがサプライズ初スタメン。
●フロジノーネ戦でディマルコが月間最優秀ゴールに輝くスーペルゴラッソ。味方すら頭を抱える。

●代表がインテル化する。

●北マケドニア戦はディマルコを中盤化させるディマッシステム。さらにダルミアンが先制ゴール、バレッラが2アシスト、ディマルコ1アシスト。フラッテージの途中出勤を経て、インテルスタメン組みフル出場。…おい。
●果然、バストーニが負傷でユヴェントス戦欠場に。おい。
●天王山となったイタリアダービーは1-1の痛み分け。バストーニとパヴァールの今季インテルの特色である左右CBを欠いたとはいえ、特に後半は負けられない、じゃなくて、負けたくない。そんな試合に。

悪魔降臨

●CLグループステージ5節ベンフィカ戦。チームは更なる大幅ターンオーバーでこの一戦に臨むと、なんと前半34分時点で、過去に軋轢生じたジョアン・マリオにハットトリックを許してしまう屈辱。血を吐くインテリスティ。
●しかし、HTにシモーネがデモーネ👿と化し、漆黒の雷を落とす大激怒。選手交代はあえてせず。今回先発に選ばれた面子の自尊心を取り戻すマネジメントで、見事チームは立て直り3-3に追い付いてみせた。
●チャルハノールに第三子が誕生。名前はアシル・カン(男の子)。おめでとうだぜ!

・チャルハノールの家族構成
長女はリヤちゃん。長男はアヤズくん。アシル・カンくんは次男です。
奥様のシネムは幼馴染。一度は離婚の危機を迎えましたが、乗り越えて仲直りしたそうです。よかったよかった。

●そんな中、35歳アチェルビが代表戦含めての月間フル出場。これぞ、シモーネ監督のベテラン酷使。

11月の試合成績
リーグ11節:Aアタランタ戦1-2○
CLグループステージ4節:Aザルツブルク戦0-1○
リーグ12節:Hフロジノーネ戦2-0○
リーグ13節:Aユヴェントス戦1−1△
CLグループステージ5節:Aベンフィカ戦3−3△

11月のMOMはアチェルビ

12月:振り返れば、分水嶺に

●直前のベンフィカ戦でターンオーバーしたおかげか、昨季王者ナポリとのアウェイゲームで完勝。バレッラさん、ようやく今季初ゴール。「バレッラバレッラバレッラアアアアア!!」

●15節ウディネーゼ戦、リーグでの初スタメンとなったビセックが躍動。剥がせる、運べる、縦にバシッと付ける、「引いた相手にはビセックなのでは?」とわずか1試合で、若手に過度な期待を持たない歴戦インテリスタの氷壁を溶かす(ちょろい)。
●試合後に人目を憚らずいちゃつくテュラムとパヴァール。付き合っとるやろ。まだ完治せずのパヴァールに焦る周囲のスタッフが笑える(笑えない)。


ここでターンオーバー!?

●敗北も引き分けも等しく無価値。勝利しかないCLグループステージ6節のソシエダ戦。シモーネはラウタロ、バレッラ、バストーニらキャプテンマークを付ける面々を軒並みベンチに置くまさかのターンオーバー。いやー振り返るとCLはターンオーバーばかり笑。尚、代わりにキャプテンマークを付けたのはダルミアン。
●戦い方も明らかにフルスロットルではなく、次戦への意識は明らか。結果ドローで着地し、グループ2位通過となる。
●続くラツィオ戦。標準合わせたかいあり、快勝。2位ユヴェントスもナポリに競り勝った為、改めて今季の最大目標がスクデットであるとともに、シモーネが代価を支払う覚悟ある人間だと再認識するインテリスタ。
●しかし、これが後に振り返った時の分水嶺に。

英断

●だもんで、コッパイタリアも捨てちゃうシモーネさん。ラウンド16で怨敵ボローニャと対戦。勝利に値した内容だったが決定機とPKを逸すると、延長にもつれ込んだので、体裁の為に1点だけ取っておいてその後にあえて逆転を許す、高度な戦略的撤退
●17節レッチェ戦でアルナウトヴィッチがリーグ戦では開幕戦以来となるアシストを記録。セレブレーションが尊い。この団結力

●また、この試合でシモーネ・インザーギ率いるインテルは単一監督のもとで、リーグ25試合連続得点を達成。セリエA史上初の記録(以後、記録継続)。
●慢性的なアキレス腱の痛みに悩まされていたクアドラードが手術で長期離脱。インテルは右サイドプレーヤーを補強へ。
●公式YouTubeチャンネル内でOBラノッキアがホストを務めるトーク番組「Frog Talks」にテュラムが出演。ファッショニスタでお馴染みの彼がチームメイトのおしゃれを評価。
◎:ダルミアン、チャルハノール
○:アルナウトヴィッチ、センシ
×:クアドラード
最悪:バストーニ
テュラム「バストーニは本当に酷すぎて、時々わざとやっているように見える」

12月の試合成績
リーグ14節:Aナポリ戦0−3○
リーグ15節:Hウディネーゼ戦4−0○
CLグループステージ6節:Hソシエダ戦0-0△
リーグ16節:Aラツィオ戦0-2○
コッパイタリアラウンド16:Hボローニャ1−2戦略的撤退
リーグ17節:Hレッチェ戦2−0○
リーグ18節:Aジェノア戦1−1△

12月のMOMはビセック

1月:黒色の初日の出

●かねてより噂のあったサイドプレーヤーのブキャナンが加入。インテル公式の加入PVが「酷いが過ぎる」と話題に。
※パラマウント+主導のPVもあり、こちらは相変わらず高クオリティ。

●新年一発目のヴェローナ戦、ATに劇的逆転弾を決めたフラッテージのパンツが日本インテリスティにとっての初日の出に。

明けまして

●↑直後、まさかのPK献上となるがキッカーのアンリが外してしまう。煽りに煽りまくる青い血が通った鬼畜生ども。船頭がディマルコとアチェルビというのも、これまた、ね。

●20節モンツァ戦。最終ラインがダンブロージオ、ガリアルディーニ、カルディローラと元インテル構成に、特にCHガリアルディーニの中央CB起用に心躍らせるインテリスタ多数。
●その期待に応えるのが僕らのガリオ。9分にPA内でガッツリハンドでインテルの先制点をアシストして頂ける。

最もうるさい人と最も寝ている人はだあれ?

●舞台移ってスーペルコッパ in サウジアラビア。道中の飛行機で最もうるさいのはバレッラ(知ってる)、最も寝ているのはテュラムであることがチームメイトたちへのヒアリングで発覚する。

アチェルビの狂気

4チームで争う初フォーマットのスーペルコッパ。準決勝のラツィオ戦は3-0の快勝。
●決勝は(当時)マッザーリ政権ナポリと相見え、0-1で勝利。ATにキャプテンが決めて、キャプテンらしいセレブーションで盛り上げるキャプテン、まじキャプテン。

他にも決勝はトピックスがいっぱい

ⅰ)ラウタロはこの劇的ゴールでクラブレジェンドであるヴィエリの得点記録に並ぶ(123G)
ⅱ)温め直したサンチェスは美味しい、大仕事のスギちゃん
ⅲ)インテル、スーペルコッパ3連覇&新フォーマット初優勝

3&1

ⅳ)後半にシメオネ退場。インテリスタもしこりが残るジャッジ。前後半で主審が選手交代したのでは?と国内外で話題に
ⅴ)バレッラがスーペルコッパ決勝のイエローを貰い、次戦リーグ22節をサスペンションで欠場。いや、なんで異なるコンペティションで累積が適応される?
ⅵ)セリエA⇆スーペルコッパでカードが引き継がれるなら、チャルハノールは準決勝ラツィオ戦でサスペンションなはず。が、ここは適応されず、スーペルコッパを飛ばしてリーグ22節欠場。

本当になんで???

●てことで、リーグ22節フィオレンティーナ戦はチャルハノールとバレッラの飛車角落ち。インテリスタ寵愛のアスラニタンがスタメンを掴み、初アシストを記録。若手に過度な期待を持たない歴戦インテリスタの口元を緩ませる(ちょろい)。
●レスターへの移籍が有力視されていたセンシ。当人が現地へ出向き、メディカルもクリアするが土壇場破断。「センシがブチ切れて帰っちゃった」というポストをするレスターの現地ファンも(規模が大きいアカウントではありませんが、空港で一緒に写真を撮っており、信憑性は高いかと…!)。
●1月全勝。シモーネさん、ようやくセリエA公式の月間最優秀監督に。

1月の試合成績
リーグ19節:Hヴェローナ戦2−1○
リーグ20節:Aモンツァ戦5−1○
スーペルコッパ準決勝:ラツィオ戦3-0○
スーペルコッパ決勝:ナポリ戦0-1○
リーグ22節:Aフィオレンティーナ戦0−1○ ※21節はスーペルコッパの影響でリスケ

1月のMOMはゾマー

2月:僕らはこの時、確かに、何かに、優勝したんだ

2つの再び

●セリエA 23節、天王山ダービー再び。DAZNの視聴者数は2,272,596人で、過去最も視聴された試合となった。
●スコアは1−0だったものの、インテルの完勝と断言できる内容で、クラブは素晴らしい白星と自信を掴む。
●チャルハノールのスーパーワンダフルマーベラスグレイトフルプレーが各所でバズる。

●セリエA 24節、怨敵調伏の修羅再び。ローマ戦。試合は今季リーグ初となる前半2失点を浴び、2-1で折り返すが、後半に3点を叩き込み逆転に成功。
●ルカクの決定機を止めたゾマーを、公式がInstagramでピックアップ投稿。テュラムが「分かってるね〜!」とコメントし、インテル戦士たちもイイねで乗っかる。この直後にルカクはインテルのフォローを解除

●チャルハノール30歳のバースデーにチームメイトやスタッフがサプライズパーティー。最高の雰囲気

●そして実はダンスがべらぼうにお上手なチャルハノール(有名)。

●続くサレルニターナ戦はフィリッポ・インザーギ監督が直前に解任となり、インザーギ兄弟対決ならず。なぜ後1試合待てないんだ?
●リヴェラーニ新監督の初陣はブースト乗らず、むしろ混乱デバフに。前半で3点差とし、後半はペースを落とした上で4−0完勝。
●ラウタロはサレルニターナ戦の得点でイカルディを超え、今世紀最もインテルで得点を積み重ねた選手に。


珠玉の物語と、純粋なインテルイズム

●CLノックアウトステージ16のファーストレグ。インテルはホーム1-0で勝利。チャンスはあれどネットを揺らせずに時間が溶けていく中、テュラムの負傷交代で後半からINしたアルナウトヴィッチが殊勲の決勝弾

●負傷離脱や決定力不足に悩み、思うように得点が伸びず、苦しみが表情にも出ていたアルニー。この試合も決定機を複数逸するが、最後にようやく決め切った感動的な物語に涙するインテリスタ紳士が取り上げられる。

エモ

●彼の名はパオロ・フィオラヴァンティ。トスカーナ出身で子どもの頃から大のインテリスタ。奥さんと子どもたちも巻き込み、今では一家でインテリスタに(奥さんは当初フィオレンティーナ→エンポリファン)。
●3人目の子どもが生まれた際にはアドリアーノのユニフォームを着せた。何故か?「マテラッツィのユニフォームが見つからなかったからです。」
●彼はこの試合、ど平日水曜の21時キックオフに車で3時間かけて会場に。その足で帰り、翌朝8時から仕事。インテルイズム。
●ちなみにフィオラヴァンティといえば、ヨーロッパ出身のプロサーファーとして最も成功した一人であるレオ・フィオラヴァンティが想起される。彼もまた幼少期からのインテリスタで実は昨季インテルとコラボ。フィオラヴァンティ万歳。

●セリエA26節レッチェ戦はラウティデー。リーグ戦100G達成、そして、過去65年のカルチョにおいて3シーズン連続で21G以上を決めた選手5人の内の一人に。

●続くアタランタ戦も4得点の大勝。これでリーグ4試合連続4得点と大暴れ。破壊的攻撃の、創造(さらに言えば、3戦連続4−0のクリーンシート)。
●2024年1月、2月ともに全勝。さらにラツィオ、ナポリ、フィオレンティーナ、ユヴェントス、ローマ、サレルニターナ飛ばして(失礼)、アトレティコ、レッチェ飛ばして(失礼)、アタランタのボス超ラッシュを完璧にクリア。優勝した
●その頃、日本のインテリスタは部活動を精一杯勤しむ。


2月の試合成績
リーグ23節:Hユヴェントス戦1−0○
リーグ24節:Aローマ戦2−4○
リーグ25節:Hサレルニターナ戦4-0○
CLラウンド16ファーストレグ:Hアトレティコ戦1-0○
リーグ26節:Aレッチェ戦0−4○
リーグ21節:Hアタランタ戦4−0○ ※先月リスケ分

2月のMOMはバレッラ

3月:ツケを支払う

伏兵、大仕事

●ビッグウェーブに乗るインテルだが、ジェノア戦はシーズン前半同様に苦戦。しかし、愛しのアスラニタンがインテル加入後初ゴールの末に勝利。若手に過度な期待を持たない歴戦インテリスタ大騒ぎ(ちょろい)。また、このゴールはインテルの2月最優秀ゴールに。
●後のインタビューでインテリスタになったのは4歳頃、叔父さんの影響だったと発する。インテルから声がかかり、初めてやりとりをした時は狂喜乱舞の大喜びだったとのこと。現チームで特に仲良いのはフラッテージ(知ってる)。

●『3度目の正直』vsボローニャ。次戦(CL)のためにターンオーバーを決行したが、己が誇りの為に勝利のみが求められる聖戦。0-1勝利の決勝弾を決めたのはビセック
●アスラニ、ビセックとここに来て伏兵が勝負を決める。チーム全体で戦うネラッズーリ。

シーズンは、難しい

●これ以上ない雰囲気の中、CLラウンド16のセカンドレグ アトレティコ戦。ワンダメトロポリターノに乗り込む。
●キックオフ直後から劣勢のインテル、しかし、33分にディマルコがFW化する”らしい”得点で2点差に。これが一気に勝負が楽になる…はずだった。
●直後の35分にグリーズマンを点差を埋められると、シメオネ監督の交代策ズバリ。足元に長けた選手たちの投入で潮目が変わると、87分、特に目立っていたメンフィスに被弾。あと10分耐えれば、という時間帯に同点
●延長はインテルが押したが、疲労困憊でエネルギーと精度に欠け、ネット揺らせずPKに。4シーズンぶりのPK戦、しかもメトロポリターノで。セリエAを大優先し、CLグループステージ2位抜けを許容したツケ(1位抜けと戦い、セカンドレグを敵地で戦う)を支払うことになってしまったインテル。ラウンド16で敗退。
●当時はコンペティションの優先具合とそれに伴う結果が素晴らしく、「未来視しているかの如く」とも評価されていたが、リーグで頭2つくらい抜けた3月という現在地から、12月を振り返るとグループステージ6節ソシエダ戦が分水嶺となってしまった感。もちろん極大結果論ですが、終わった後で結果が念頭に来るのがお仕事ってもんです。

後任探しに拍車かかる

●続くナポリ戦も疲労とショックからか低調な内容で1-1ドロー。
●しかし、この試合の最大のトピックスは試合結果以外に。アチェルビがファン・ジェズスに対し、差別発言をした疑惑。
●試合後、司法当局は無罪を発表。しかしアチェルビの性格やクセを鑑みれば、『そうですよね!無実ですよね!』とは言い切れないインテリスタ多数。ライバルクラブの方は「無罪=無実と断定するインテリスタ多すぎ」的なコメントが散見されましたが、少なくても僕のTLでは超圧倒的マイノリティでした。
●言った言わない問題や、その根元にある倫理観の水準は僕の手に余りまくるのでこれ以上の言及は控えますが、結果としてインテルの彼に対する評価が下がったことは否めないと推断せざるを得ず。後任の噂も活性化。

3月の試合成績
リーグ27節:Hジェノア戦2−1○
リーグ28節:Aボローニャ戦0−1○
CLラウンド16セカンドレグ:Aアトレティコ戦1-2●
→PK戦の末、ラウンド16で敗退
リーグ29節:Hナポリ戦1−1△

3月のMOMはバレッラ&バストーニのW受賞

4月:2つめのステッラ

シモーネ色々おめでとう!

●セリエA30節エンポリ戦。チーム全体は引き続き低調なパフォーマンスだったが、ディマルコとサンチェスのゴールで勝利。
●直前の代表ウィークで負傷したゾマーの代わりに出場したアウデーロも見せ場を作り、クリーンシートに直接貢献。
●エンポリ戦の勝利でシモーネ政権100勝目
●さらに翌週は通算150試合目の指揮と誕生日が重なる。色々おめでとうだぜ!!

●しかし、暗雲と疑惑再び。「バレッラがクラーセンしたのでは?」説が浮上。出場停止か?

マロッタリーグ

●そのクラーセンがパートナーのラウラさんと結婚!過去にはチャリの2ケツでお巡りさんからこっぴどく怒られたこともある2人が正式にゴールイン。
●ちょこちょこ謎ゲームをやらされるインテル戦士たち。このゲームにおけるゾマーの壊滅的なセンスのなさが話題に。

●続くウディネーゼ戦もチームパフォーマンスはまだ上がらず。よりにもよってサ○ジッチに事故られるが、チャルハノールのPKで同点とすると、「遅番の最後に絶対結果残すマン」こと、フラッテージがATに逆転弾を決める大仕事。

●この試合で歴史的なレコード達成。インテルはセリエAにおいて、シーズン開幕〜31節まで途切れることなく得点を上げた史上初のクラブに。破壊的攻撃の、創造。
●バストーニが誕生日+3月のセリエA月間MVPに。色々おめでとうだぜ!
●バレッラも候補に上がっており、ジャパニーズインテリスティの目は確かであることが証明される。

●32節カリアリ戦。ようやく上向きな内容だったが(サンチェス圧巻)、2度のリードを追いつかれドロー着地。
●試合前にハンダノヴィッチのネラッズーリとして455試合に出場した偉大な記録を表彰。
●また、カリアリ戦はオナナが観戦に訪れる。昨季の守護神揃い踏み。元チームメイトとのほっこりタイムもあり、インテリスタの胸をきゅんとさせる。

●テュラム(11G,7A)はインテルの最初のシーズンでセリエA 10G以上+5A以上のダブルを記録。2004/05シーズンからこれを達成したのは2人目。尚、1人目は三冠シーズンのエトー。
●今節はカルチョ様式美「お付き合い」発動。上位勢はラツィオを除き、全てお手手を繋いでドロー足踏み。

明日はどっちだ?

●オークツリーの債務返済期限が近づくインテル。ようやく具体的な動きが見られる。米国ファンド『ピムコ』に借り換えの可能性。チャン会長残留なるか?明日はどっちだ?
●PSGのCBに不穏な噂。明日はあるのか?


記録と記録に残る、伝説のミラノダービー

●33節ミラン戦は勝ち点3を得ればスクデット。聖戦。
●前日には聖戦に向けて、クルヴァ・ノルドの激励。「君たちはすでに歴史を刻んだ。明日、伝説になる。ミラノダービーでのスクデット獲得は、誰も経験したことがない。

●インテルはベストメンバーで史上初を、2つめの星を、掴みにいく。

●対するミランはピオーリさん”あるある”の奇策発動。配置上、ワントップを務めたのはレオン(レアオ)。右サイドのムサは押し込み時は5トップ大外、撤退時は5バック大外の頑張りタスク。※ジルーはコンディション面で懸念があったとの事前報道。
●先手を取ったのはインテル。18分のCK、ニアのパヴァールがフリックすると中央でフリーとなったアチェルビが仕留める。「ヘッドおおおおおおおおおおインテル先制ええええええええええええええええええええ」(音量注意)
●昨季CL準決勝のユーロダービーの先制弾よろしく、左サイドCKからの得点。
●ミラノダービーにおいて、インテルがDFのアシストでDFがゴールを決めたのは2012年5月のサネッティ→マイコン以来。

●後半開始早々、49分にリードを広げるインテル。テュラムの地を滑るようなシュートがニアを射抜いた。
●今季前半のゴラッソと似たシチュエーションから、今度はファーではなくニアを選んだ9番、天晴れ。
●この得点でテュラムは19得点に直接関与(12G,7A1)。過去20年でインテル初加入の選手が19得点に直接関与したのはイブラ(20関与)、ミリート(26関与)、元90(25関与)の3名のみ。

●終盤、ミランはファイアーフォーメーションで背水の陣。80分にその厚みから1点を失う。
●ライバルの目の前でスクデットを決めて伝説を作りたいインテル、なんとしても避けたいミランの混沌。最後の10分は血を血で洗う血戦に



●そして笛が鳴り、視線は空へ。



●20回目の優勝は、セリエA史上初となるミラノダービーで確定。歴史的で伝説的な快挙。
※もっと正確に言えば、ダービーで優勝が決まったのがリーグ初。@via:Opta
●残り5試合残しての優勝はセリエA最速タイ。過去にトリノ(47/48)、フィオレンティーナ(55/56)、インテル(06/07)、ユヴェントス(18/19)、ナポリ(22/23)が達成。インテルは唯一、これを2度達成したクラブに。
●シモーネ監督はインテル6つめのトロフィーを獲得。インテル史上3番目となる偉大なレコード。1位はエンニオ・エレーラとロベルト・マンチーニの7つ。
●ピオーリはこれでミラノダービー10敗。史上最多を更新。また、6連敗を喫した初めての監督にも。いや、前者はインテルもダメージ喰らうやつw

おめでとう!!!偉大なインテル!!!!!

一旦、ここまで。

せっかくなのでここでぶつ切りではなく、残るシーズンの軌跡も最終節後に更新します。ぜひまたご覧ください!

ありがとございました🐯

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