【バフは課題提示で打ち消せ】インテルよ、ここだけ押さえろ。デ・ロッシローマの3試合をプチ考察
こんにちは!TORAです🐯
今回はプチコラム!
ダニエレ・デ・ロッシ新監督の元、3試合3連勝と絶賛レジェンドバフ乗っかり中のローマ基本スタンスを簡易レポートし、24節ローマvsインテルをより楽しもう!という記事です。
いやー、ローマ変わりましたね!背景含めた良い悪いは置いておいて、こんな短期間にガラリと戦い方を変えるデ・ロッシさんisレジェンド。
●フォーメーション
就任わずか3試合にして、選手配置と起用はほぼ固まった感があります。少し不透明なのは以下の2点。
ⅰ)アンカー
パレデスorクリスタンテ?
現状は前者がファースト(右IHにクリスタンテ)だと踏んでますが、対インテルを考えると、後者を選んで右IHにボーヴェを持ってくる強度重視モードもあり得ます。
ⅱ)左SB
初陣はスピナッツォーラでしたが、28分で負傷交代。そこからクリステンセンが起用され、3試合目で加入したてのアンヘリーノがいきなりスタメンを掴みました。好パフォーマンスも58分に負傷交代。怪我の内容や具合は追っていませんが、インテル戦は普通に出れるっぽいですね。
デ・ロッシ監督の4−3−3に合うのはアンヘリーノだと見ています。しかし、これもインテル戦ではクリステンセン起用で不思議はない。
●ボール保持-ディバラにディバラしてもらう
保持のベースは変形の4-3-3。
考え方の最上流はシンプルにディバラと見ていいと思っています。
ミドルサードからアタッキングサードへボールを運ぶ。中盤と最前線のルカクを繋ぐ。ルカクとの即興演奏で守備組織を破壊する。高精度の中距離砲で重心低めを許さない。時には外に膨らんでブロックから人を剥がす、などなど。
右内側を起点としたフリーロール。それが設計の原点。
ディバラにディバラたるプレーを存分にしてもらう。
彼が内寄りなので、後方の右SBはやや高い位置+アップダウンで大外を担保。
右SBを務めるカルスドルプは長い走行距離を走れるのはもちろん、スプリント力にも優れ、個人的にはローマで最もアスリート力が高い一人と思っています。
3試合連続フル出場中。この選択をしたデ・ロッシ監督には一脈相通じる。分かる、僕もこれまで「もっとカルスドルプ使えばいいのに」って思ってた(プレーだけ評価、性格とかは知らないです)。
とはいえ、カルスドルプが深さを取った際に裏返れば、物理的にカウンターを追走する形となるのは不可避。その保険となるのが予防的プレーの予測や強度に優れるクリスタンテやボーヴェ、配置の妥当性ありますね。
ポジショナル成分ももちろんあり、この観点におけるディバラの可動域は広いです。いや、柔軟って言うのがいいか。
旋回して自身が担保側になることも。IHから大外に流れるムーブはボーヴェよりもクリスタンテに一日の長がありますね。ランニングのタイミング◎。
一方、対岸の左サイドはWGのエル・シャーラウィが大外孤立隊を務めます。中央と左ハーフレーンを担うはポジション通り、左IHペッレグリーニ。
中盤としてのポジションバランスを崩さない範囲でディバラのようなタスクをこなしたり、時にはディバラと入れ替わるように前線となることも。
後方の左SBは最も繊細な配置のお仕事。右が高い位置を取るので、下がり目でビルドアップや被カウンター対応の保証となりつつも、前進した際はエル・シャーラウィとペッレグリーニの他称となる必要あり。
クリステンセンは配置の繊細さに欠くものの、強度と根性で誤魔化せる点が良いですね笑。
逆に繊細さはアンヘリーノが加入直後からGOODパフォーマンス。
クロスの精度とレンジに長け、エル・シャーラウィとペッレグリーニを追いこなさなくてもチャンスメイクできる点もめっちゃ良き。非保持でケチがつかなければこのまま先発掴めるんじゃないかなと思います。
左は、右に比べると静的で基本的にはエルシャーラウィが引っ張ったスペースをSBやペッレグリーニがどう使うか?が主。
ここでもディバラがポイントで、彼が対岸からルカクを超えて左サイドに絡む再現性は非常に高く、四人称の演奏になると火力がマシマシになります。
懸念点もとにかくディバラ。フルシーズン、フルタイムを中々勘定し難い彼がピッチにいない時にどうするか?
現状ディバラは3試合とも後半で途中交代していますが、その後の時間帯はいずれも無得点です。
無論、まだたった3試合、しかも疲労する後半なので、未だ指摘に値する内容では決してありませんが、とはいえディバラへの依存性は疑いようがないかなと。
デ・ロッシ体制お披露目となったヴェローナ戦では途中交代でザレフスキが出ましたが、彼は内よりも外の選手。殴り方が変わってしまう(変わるからこそ刺さる場合も勿論あるけど)。
続くサレルニターナ戦ではアワールが入りましたが、未だローマの水に慣れ親しんでいない感。本来のポテンシャルを発揮しているとは言えません。
したがって、バルダンツィの獲得はソリューションに直結し得るディールです。彼にかかる期待は大きい。ローマさん、ずるいよ。僕らお金ない仲間でしょ?なんですんなり取ってるのよ。
もう一点挙げるならルカク。
ディバラがフリーロールとして流動的な動きをする分、深さを取れるヤツはあえて中央やハーフレーンに留まり最前線の幹となることを求められます。つまり、ポストプレー色がより強まっている。
それでもあの化け物フィジカルなので十分が過ぎるほど活躍できますが、ヤツの最大火力は引いた位置や開いた位置から前を向いてプレーすることであるのは、他ならぬインテルが一番分かっていること。
恒点CFっぽく見えて、本質は遊点STであるのがヤツ。チェルシーでの失敗はこの理解不足が最たる原因でしょう。
さらに言えば「”その試合で”分が悪い相手がいると、1試合丸っと封殺される」傾向もあるので(この辺はメンタルかと)、理不尽FWが好物なアチェルビ相手に”その試合で”やれるかは見物ですね。
インテル戦はおそらくアズムンが間に合わないので、代えの選手もいないのも気になるところ。というか、アズムン、アジア杯すごかったですね!
●ボール非保持-よく仕込んだけど、隙はある
保持もタスク由来の流動性がありますが、非保持はさらに複雑です。就任直後で仕込んだデ・ロッシ監督はそれだけで優秀と言えるかも。いや、マジでよくこんな短時間でやったなって感想!
前からプレスのトリガーは前任時代と大差ありません。基本的に差し込むようなハイプレスは消極的でミドルセットで構えます。
ただし、トリガーを引いたらしっかり圧をかけて嵌める!的なプレッシングの発動頻度は前任との差異かな、と。
ミドルセット後のプレスはタイミングと強度など、クリスタンテが抜群で「あ、やっぱこの選手とんでもないな」とn回目の再認識をさせてくれますが、ルカクとディバラが人重視の守備をできるタイプではないので、チームとして脅威かと問われるとちょっと難しいですね。
セットの配置は4-3-3から変形し、4-4-2になります。右WGのエルシャーラウィが一列降りる形。
特徴的なのは左IHペッレグリーニ。
セット後に彼が前に出ていくことで最終ラインを監視しつつ、中盤へのパスコースを背中で切るアプローチが新生ローマのメインプレスです。
連動して左SBは距離を調整して相手の中盤に対応しやすい位置に。相手の心臓部はCFルカクが付くことが多いです。したがって、相手の中央CBがボールを最も許容される傾向が強い。
ここが非保持におけるローマの最大の是非ポイントかな、と。
3試合で崩れておらず、現状は機能していると評価していいと思いますが、これまでの対戦相手はボトムハーフのクラブであること。そして彼らとの試合の中でもリスキーな場面が散見されるのは、しっかり取り上げるべき事象。
繰り返しますがルカクはストーキングできるタイプではないので(ストーキングしないでほしいという側面もアリ)、相手心臓部を経由してペッレグリーニの背後の中盤にあっさり通ったり。
また、ペッレグリーニが背中で消し切れない(相手に角度を作られる)場合に、相手中盤の時間と空間を潰す左SBの対応が甘く、プレー猶予を与えてしまったり。
ペッレグリーニが上がることで結果、裏目に出てしまうシーンはちょこちょこあります。
デ・ロッシ初陣となったヴェローナ戦の被弾もフォロルンショのゴラッソに目を奪われがちですが、そのトリガーとなったのは、前に出て行ったペッレグリーニの前向きベクトルを逆手に取った彼のドリブル突破。
被弾そのものは「理不尽!しゃあなし!」で終わっていいんですが、その芽となったのは設計の練度不足。
ミドルセットからのプレスは個人的にローマで最も考えさせられますが、逆を言えば伸び代です。
ここから熟成していくでしょうから、早い段階で当たれたことは幸運かもしれません。
レジェンドバフはこの課題を突きつけて打ち消したい。
撤退フェーズも特徴があり、5バックに移行します。いや、5バックではなく「PA内に4人は置きましょうね」と表現するのが正鵠を射ているかも。
最も好むは左WGエル・シャーラウィが5バックに入る形。
WGが非保持に2列目に降りて、最終的には最終ラインまで吸い込まれるのはかつて戦ったポルトのガレーノタスクですね(CLインテル戦でやらなかったけど笑)。
流れの中でエル・シャーラウィが最終ラインに降りれない場合は中盤が最終ライン化します。その場合、大外はシンプルにSBが見る。
また、撤退フェーズではディバラも降りて、5−3の”3”をケアすることも。最終盤の逃げ切りモードは5-4(6-3)にもなるので、ザレフスキはタスクがハマりそう。バルダンツィはローマデビューだったからか、カウンターをしたがって”局面を考慮すると”ハッキリ前目でしたね。良い悪いではないですよ。
PA内に4人残してソリッドに跳ね返そうね!は前体制からの踏襲。目に見えてアクティブさが増したデ・ロッシ体制ですが、最後の最後は堅守ということみたいです。
ただ、ここでも気になることがあって。ローマは「PA内に4人残す+絞ってソリッドに」が水際における鉄則なんですが、いつかのインテルみたいに絞り過ぎな気もしています。
『絞る』は守備の基本にして奥義だと認識していますが、何事もやり過ぎはよろしくない。特に被カウンター時にボールホルダーに集まり過ぎて、他の選手を離してしまうシーンは3試合の中でもいくつかありました。
「幅を使う+人数をかけたカウンター」、手前味噌ながらインテルは世界トップクラスと鼻高々できると思っています。アクティブなスタイル、そして、3連勝で自信を持つことで前に出てくれるならば、その裏返しでこれまた課題を突きつけられる予想図は十分に描けるかと。
●トランジション-質的優位はシンプルに怖い
本項はあっさりで。
まだ声を大にしては言えませんが、ポジティブトランジションで印象的だったのはカウンター時にあえて幅を取らないこと。
大外配置のエル・シャーラウィも内側に寄り、中央&ハーフレーンで完結させたい!を好むように見えます。
スペースよりも時間。
シンプルにルカクのフィジカル質的優位とディバラのテクニック質的優位を持ってして、少しでも時間をかけずに相手が背走している状態で殴りたいってことだと考察。
結局これが一番怖いですし、ローマはクロスの歩留まりが悪いので(=クロスを送った数に対して、味方に通る割合が少ない)メインウェポンは中央地上ルートで頷けます。以前、スピナッツォーラのクロスにディバラで刺されたクラブのファンが言うなって感じですが!!
ネガティブトランジションでの気づきはカウンタープレス。
切り替わったら周囲がワッと囲む。面で抑える。その頻度や継続時間に特筆するものはないんですが、ピンポイントの部分。ボールが引っかかったその当事者部分では裏返りを恐れず、ガッチリ圧をかけて落掌しようとするアクションは頭に残りました。
非保持もそうですが、沸点はそんなに高くないけどいざ襲いかかった際は獰猛だぜ!が、デ・ロッシ流なのかな。
しかしながら、ここも無理が効かない選手がいるという歪みが存在するので厚みなく威力に欠けるシーンも。
カウンタープレスが重なればインテルに軍配が上がる場面が多いでしょうが、それはローマ側も分かっているはず。対インテルでは控えそうな気がします。
●存在意義、危うし
ここまで書いといてなんですが、記事執筆の2/9 夕方時点の予想スタメンは下記の通り。
左WGボーヴェ説。
うせやろ?ここまで書かせといてエル・シャーラウィじゃないの?マ?
この記事が出た後に予想が更新されていくでしょうが、現時点ではボーヴェ先発が優勢っぽいですね。
その目的はチャルハノール番とのこと。となると、守備の仕方変える?笑
記事の存在意義が一部露散しますが、仮に左WGがボーヴェだとして単純に考えるなら以下の配置になるのかな?
インテルの両CBが空いて持ち運びフリーダムになりそうなので、本当にローマがこの形だとすると、シーズン前半よろしく撤退してきそうな気もします。後半からビセック起用も面白そうですね。
ま、今はこれ以上考えてもしょうがないことですが、ちょいと引っかかるのはスタートダッシュに成功したとはいえ、「『プランA』を変更したばかりで、もうディテールチェンジしちゃう?」ということ。
新しいことに新しいことを上乗せすることが、さらなるバフとなるのか。それとも練度不足となるのか。
それともやっぱりエル・シャーラウィで新プランAを遂行するのか。それこそが勢いとなるのか。なぜ対策しなかった!?となるのか。
個人的には新プランAで来てほしいですねー!「ノってるデ・ロッシローマ」をそのまま倒して、勢いを頂きたいので!
楽しみ!絶対勝ちましょう!
超がんばれインテル⚫️🔵
最後までご覧いただきましてありがとうございました🐯
5,500字オーバー、プチじゃなかった。
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