見出し画像

【セリエA第36節】ジェノア−インテル マッチレビュー

こんにちは🐯

今回はセリエA第36節 ジェノア−インテルのマッチレビューです。

今シーズンも残り3節。本試合の後はナポリ→アタランタと強豪が続くので今日勝ち点を落とす訳にはいきません。

●スタメン

画像4

●前半

本日も3CBシステム同士の一戦。インテルは3戦連続です。

・ボール引き出しを狙うジェノア

まずはジェノアのボール非保持を見ていきます。立ち上がりは高い強度でジェノアがゲームを掌握します。10分を過ぎるとややペースダウン。インテルがボールを握れるようになります。

強弱はありましたが基本的なフレームワークは一貫してました。コンセプトはミドルプレスでしょう。

画像5

まずはセットディフェンスから入ります。ツートップはCBに対しあまり圧をかけず中盤との距離感を大事にし、CBのパスコースを制限する一方で中盤のケアも請け負ってました。元インテルのピナモンティ頑張ってましたね!

中盤はインテルのWBとCHがボールを引き出すと一気にチェックに入ります。特にCHのブロゾビッチとガリアルディーニにはボールを持たせないように見えました。WBにはプレッシャー自体はしっかりかけますが、そこまで強度は高くないような印象。ハメるというよりもプレーの制限が目的でしょう。

その分、DF−MFのライン間が空くかな?って思ったんですが最終ラインも連動してました。ローマ程ではないですが上手く圧縮できてましたね。非常にソリッドで見事な守備でした。

・WBの躍動

このジェノアの守備はかなり効いてたと思いますが、インテルも負けじと良い形の攻めを度々作ることに成功。

活躍したのは両WBです。今日はビラーギ、モーゼスともにキレキレ!特にモーゼスはクリーシトとのマッチアップは完全に上回ってましたし、内に絞るムーブもあったりしてジェノアの脅威になっていました。

前述のようにWBへの圧がそこまで強くなかったこともWBが気持ちよくプレーできた要因ですね。

ここに優位を見たインテル、前半は右サイドに重きを置いて崩します。

画像6

前半のアタッキングエリア。右サイド重視なのが分かります。※Sofa Scoreより引用

今日のインテルは得意の中盤空洞化のビルドアップはあまり出来なかったので(ジェノアが乗ってこないから)、この2人の活躍がなかったら行き詰まってしまった可能性も否定できないな、と思っています。

・復調の3CB

続いてはジェノアのボール保持に触れます。

基本的にロングボールを長身のツートップに当ててからの二次攻撃がメイン。相手を上手く引き込んでから放るあたり、インテルの攻め方と通じるものがあります。

画像7

この後、ボールはもつれて左でフリーだったクリーシトに。クロスからピナモンティがヘッドを放つも枠外。

この他にも良い形は何度か作られましたが、インテルの3CBが水際でことことく防ぎます。

シュクリニアルは最近の不調を感じさせませんでしたし、ゴディンはここに来てコンテ監督の信頼を掴みましたね。そしてラノッキア。今シーズンは出場すれば意外と?良いプレーしますね(後半、ややバタついたけど笑)。

画像11

ラノッキアは地上、空中のデュエル数で両チーム断トツトップでした。※Sofa Scoreより引用

個人的にデ・フライはルカク同様、代えが効かないと思っていましたのでラノッキアが計算に入るのは非常に大きいです。

試合は34分、ビラーギのピンポイントクロスにルカクが頭で合わせて0-1。インテルリードで後半を迎えます。

●後半

・リアクションは逆効果?

後半、両監督がリアクションを見せました。

まずインテルです。ボール保持に変化が見られました。ビルドアップの入口でエリクセンとブロゾビッチが入れ替わる仕掛けを組み込んできたのです。

画像8

狙いは間違いなく前半狙われたCHの対策でしょう。入れ替わりでマーカーを混乱させて時間とスペースを生み出したかったんだと考えます。

この狙い自体は非常に良く分かるし、頷けるんですが、それをエリクセンとブロゾビッチに課したのが間違いだったのではないでしょうか?プレーヤーの特性とマッチしてないです。

やっぱりエリクセンはアタッキングサードで真価を発しますし、ブロゾビッチもレジスタの役割がより輝くな、と。

てことで、この仕掛けはあまり効果がなかったように思いました。笑

続いてジェノアです。こちらは徹底的に狙われたサイドをさすがに放っておけない!ニコラ監督のそんな意図が感じられるようなリアクションでした。

ミドルプレスに変わりはありませんが、やや強度を落としシステムを整えてきたのに加え、WBへの圧を強めCHへの圧を弱めました。全体的にバランスを取ってきた印象。特に59分にベーラミに替わりシェーネが入ると明確でしたね。

これによってインテルはCH(というかエリクセン)にボールが集まるようになりますが、そこから先どう展開するの?どう崩すの?というビジョンが共有できていなかった印象。

両チームのリアクションが悪い意味で噛み合ったこの時間帯、ちょっとぐだぐだっとしてしまった感は否めないでしょう。

・再びサイドへ

この状況を受けて、コンテ監督はすかさず手を打ってきました。

64分、ラウタロ、エリクセン、シュクリニアルOUT。サンチェス、バレロ、ダンブロジオIN。この交代からインテルは再びジェノアのサイドを混乱に陥れます。狙いは明確。

左でゲームを作り、右で崩す。

いかにモーゼスとクリーシトのマッチアップを作るか?

です。面白かったのは崩しの要はモーゼスですが、戦術の要になっていたのはブロゾビッチとサンチェスでしょう。

画像9

ブロゾビッチはサイドでもしっかりボール叩けてましたし、自分でも運べる点が◎。サンチェスは降りてくるタイミングがgood。ボール引き出し+マーカーの撹乱という一石二鳥の貢献をしてくれました。

画像2

画像3

ブロゾビッチ、前後半のボールタッチ数とエリアの比較。後半の方がボールタッチが多く、また左サイドに寄っています。※Stats  Zoneより引用

ディテールこそ違えど前半同様、右サイドを徹底的に狙う形に回帰したインテル。68分にはこの攻撃のモデルロールのような完璧な崩しもありました。

画像10

細かいシーンで申し訳ないですが、中→左→中→右とテンポ良くワイドに揺さ振りました。サンチェスがロベッラのマークを曖昧にし、ブロゾがボール運び&中央に折り返したことで崩しのスイッチが入りました。

先述の通り、ジェノアは前半よりサイドのケアを強化していましたが、アプローチを変えてきたインテルが単純に上回りました。
ただ、サイド使ってるだけではなく、しっかり中央に楔があるのが良かったですね。

これで勢いがつくと、82分にモーゼスがどシンプルにクリーシトを抜いて折り返し→サンチェスが合わせて追加点を挙げると、93分にはポジティブ・トランジションからルカクがロングドリブル。個の力でボックスに侵入し、そのままシュートを流し込みました。

スコア ジェノア0-3インテル(34分ルカク、82分サンチェス、93分ルカク)


●雑感

3得点、かつクリーンシート。圧勝と呼べるスコアですが、正直なところ、内容はスコアほどの差はなかった印象です。繰り返しますがジェノアの守備は本当に良かったですし、長くなってしまったので触れませんでしたがボール保持は後半の方が良かったです。

ただ、それ故に価値がある。

今日は前節と違い、決めるべきタイミングで決めたからこその結果です。
この勝ち方をナポリ→アタランタの連戦、そしてEL直前に経験できたのは非常に価値があるかなと思っています。

さて、最後に彼に触れなくてはなりません。
本日、ドッピエッタのルカクです。

①加入初年度でセリエA23得点は歴代3位タイ ②セリエAのアウェイゴール15得点は歴代2位  ③公式戦29得点は自身のキャリアハイ

と、この1戦で素晴らしいレコードを3つも記録してくれました🏆🏆🏆

BIG ROM、インテルに来てくれて本当にありがとう!!!
次節もよろしくお願いいたします!笑

画像1

Forza Inter !! ⚫️🔵

ご覧頂きありがとうございました🐯

もしサポートを頂戴した場合はサッカーのインプットに使用し、アウトプットでお返しできるよう尽力いたします。