【本質で上回る】セリエA第19節インテル-トリノ プチレビュー
こんにちは!TORAです🐯
本日はセリエA前半戦最終節インテル-トリノのプチレビューです。
最近、なかなか時間取れずでレビューを書く時間が取れないのですが、今回はかなり噛みごたえある試合だったので要点だけ抑えたくなり筆を取りました!
●トリノのハイプレス
今更って感じですけど、トリノは昨季とは別チームですね。
いや、ユリッチ監督の「自分の色に染め上げる力」が凄いと表現すべきか。
肝となるのはデュエル、つまり肉弾戦です。
積極果敢な肉弾戦でボール保持・非保持という二元論ではなく、トランジション、つまり攻→守、守→攻の切り替えにスポットライトを当てたフットボール。
非保持においてはリスク管理を伴うマンツーマンで闘いを挑みます。
という訳で前置きが長くなりましたけど、一言で済ませば、マンツーハイプレスで来られました、です。
シーズン序盤、インテルは苦しめられましたね。
結局、戦術の具体的な改善というよりもチャルハノールがフィットしたことで自然と練度が高まった感。
ようやくエリクセンの間接的な代役が確立
ややミーハー的な表現かもですけど、これが真理だと思います。
中盤3枚がインタラクティブに機能することで、インテルは上昇気流を掴みました。
しかしながら本日は縦の推進力において絶対無二のバレッラが不在。
代わりのヴィダル。
完全に私見ですがボール保持においては過去とは別選手。
ダイナミズム的な要素は損なわれ、今は中長距離のパスが光るボールプレーヤーに。
賛否あるかと思いますが、僕はナインゴランと重ねています。
って、別にここは深掘りするところじゃなかった笑
●すれ違うが故に噛み合う
ではインテルがどうアクションしたのかを見ていきましょう。
✔︎ブロゾヴィッチが最終ラインに落ちる
✔︎両IHが中盤底でブロゾヴィッチをフォロー
✔︎(主に)左CBバストーニが入れ替わるような形で陣形中央付近へ
ⅰ)ブロゾヴィッチが最終ライン落ちして擬似的な4バックになる。
ⅱ)入れ替わる形で左右CB、特に左のバストーニ(とディマルコ)が高めを取る。
この形は昨季よりもハッキリ色濃い、今季のフォーマット。
しかし、本節はさらに再現性があり、また両IHのフォローも明らかに強かった。
ビルドアップユニットとアタッキングユニットがパキッと分かれてましたね。
で、バストーニが架け橋的な存在でした。
例の如くしっかりとデータに反映してます。
・前半のボール保持における平均的な選手配置
全体的にやや左に寄っており、バストーニ(95番)が中盤と並ぶ高さに位置していることが分かります。
セリエA公式より引用
てな訳でインテルはこれまたいつも以上に左寄りに攻めるんですが、これまたぱっしゃりとデータに反映。
・ボールタッチエリア回数を可視化
右から出して左で運ぶ!がめちゃくちゃ分かりやすく現れてますね。
セリエA公式より
これが効果的だったか否かは…ちと判断が難しいですね。
トリノの勝負どころとすれ違った結果、噛み合ってしまったんです。
首を横に傾げた方、申し訳ありません。
けど、この表現がしっくり来るんですよ笑
✔︎トリノのハイプレスマンツーの肝はボンジョルノ
✔︎徹底してヴィダルに付いていく
開始わずか1:40、ビルドアップの場面でペナルティエリアに落ちるヴィダルに果敢に付いていくボンジョルノを見てトリノは左サイド(インテル目線で右)がポイントなんだと気づきました。
立ち上がりから一貫していたので、バレッラが出場しない時点でデザインされていたのでしょう。
左から攻めたいインテル、左に工夫を施したトリノ。
インテルから見て左サイドが主戦場となりましたがインテルにおいての右はトリノからすればリスクを負っている部分。
そこに危険性がなければ、全体、特に逆サイドが安定するのは至極当然の結果でしょう。
けど、その安定しているサイドはインテルが攻めたい左サイド。
戦術由来による正面衝突でピッチにはさながらリングが形成。闘争が勃発しました。
ツイートの通りですが、インテルはなんと平均のほぼ倍以上のデュエル勝利数!
というか、1試合で計98回のデュエル勝利数ってとんでもない値ですよ笑
それによってボールロスト=トランジションもべらぼうに多くなってますね。
スタッツからはユリッチ監督がやりたいサッカーできている、起こしたい事象が発生していると言えます。
しかし、肝心要のデュエルにおいてインテルが圧倒的に上回っている点がこの試合のミソなのかなと思います。
本質を抑えたホームチーム
本節のインテルがアウェーチームの土俵に誘い込まれたか、それとも自ら向かったのか。
推測の域は脱しませんが、いずれにせよ試合の本質となる肉弾戦というポイントを抑えたインテル。
決定機の数やら得点期待値やら、試合の優劣を考察できるスタッツは多く存在しますが本節を語る上ではこのデュエル数に着目すべきと断言します!
●なぜにヴェシーノ?
結論から言うと前線のデュエル要員と推断します。
シモーネ監督の肌感なのか、なにかしらの分析があったのか。
確認する術はありませんが、なんとなくシモーネ監督は相手の土俵でそのまま押し通せると踏んだ印象を受けました。
これはもう完全にピッチに現れてました。
ヴェシーノは間違いなく特命を受けたはず。
またまたまためっしゃりとデータに現れてますよ、安心してください。
・後半のボール保持における平均的な選手配置
ヴェシーノ(8番)明らかに高めに位置しています。ある程度の出場時間があること、そしてあの展開を考えればヴェシーノはとにかく高めキープだったと言えるでしょう。
セリエA公式より引用
要はビルドアップユニットを1枚削って、アタッキングユニットで戦えるプレーヤーを1枚増やした。
シモーネ監督はポゼッションを高めようなんて考えてなかった。むしろ、保持の時間を捨てて効率よく戦う、いや闘おうと思ったと推察します。
したがって、本節に限って言えばヴェシーノが消えたように見えたのは戦術由来ですね。責められることではなく、むしろ己の仕事を全うしていたと思います。
ただ、この理論だと「じゃあなんでその後にセンシやディマルコ出したんだよ」ってツッコめるんですけど、これに関しては「ポゼッションは必要と言ったけど、まさかここまでのつもりでは。。」
シモーネ監督の魂の悲痛な叫びが突き動かしたのではないでしょうか。
そう考えると、やっぱりヴェシーノ投入が失敗だったと思っているのは我々サポーターだけではなかったのかもしれませんね笑
最後までご覧いただきましてありがとうございました🐯
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