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【局面のリフレーミング】コッパ・イタリア準決勝2nd leg.インテルvsユヴェントス レビュー

こんにちは!TORAです🐯

今回はコッパ・イタリア準決勝2nd leg.インテルvsユヴェントス、イタリアダービーのレビューです。

時間を確保してたので勝っても負けても執筆する予定でした。
仮に勝利したならまた10000文字の記事でも書いてやろうか!と思っていたのですが…今回はあっさりいきます!本当に!

というのも、この試合はどうしたってインテルを褒め称えつつも「ユヴェントスどうした?」というツッコミ不可避な内容。

ユーヴェさんとはここのところ激発力の高い”いざこざ”が多かったのですが、本試合はドヴェリさんが上手くコントロールしてピッチ内でしっかりすっきりの着地だったので…

そこを汲み取り、憎き相手とはいえこれ以上ベクトルをマイナスに持っていくのを控えたいという思いからです。

リーグ戦とコッパで痛み分けですしもういいかな、終わらせて互いに次見ようぜ!

とはいえ、多少の言及はするけれどもね!笑

それではいってみよう!

●差は4局面の捉え方

個人的にこの試合の肝となったのは両チームの4局面、すなわちボール保持・非保持、ポジティブトランジション・ネガティブ(以下略 を「どう捉えたか?」だと思っています。

端折りつつも順を追って見ていきましょう。

先ずはハード面で明確な対策を敷いてきたユヴェントス。
その前からプレスは”本試合仕様”だったでしょう。

4-2-3-1のような布陣に

✓ミレッティが1列上がり、チャルハノール番に
✓ディマリアが外に開いてバストーニやディマルコを見る
✓ディマリアが開いた分、デシリオが落ちる

3-5-2と4-2-3-1は必然的に噛み合う配置なのでマーク確立を狙ったと見ます。自身の担当を明確しハッキリ付いていく、をベースにする(受け渡しをしないって意味ではないです)。

その背景はキエーザとディマリアの併用による前線の強度不足と考察します。

インテルの3CBに対して、量的な強度の低い2枚では最終ラインがボールを持つのを容認するにしても、「容認のボーダーライン」をあまりにも逸脱してしまうと踏んだのでしょう。

がしかし、嚙み合わせただけでインテルのビルドアップを積極的に阻害するような強度は感じられません。

結局はいつものユヴェントスらしく迎撃主体のアプローチでした。

迎撃フェーズではコスティッチが落ちることで5バック形成となります。

コスティッチが降りることで5レーンを封鎖

アッレグリ監督はリスクマネジメントで5バック形成を最優先に設定していたはず。故、フォーメーションを嚙み合わせてもプレスの火力が出ない(出せない)。

事実上、アウェイの地での一発勝負。

姿勢としては頷ける、というかチーム戦術的にも「だよね」と同意するのですが、悪い意味でドラスティックが過ぎたかな、と。。

特に両翼は終始、背中を引っ張られているようで低重心。
監督の青写真との擦り合わせが出来ておらずあやふやなままピッチに立っているように見えましたね。

したがって本試合のユヴェントスの基本フォーメーションは4-2-3-1ではなく、5-3-1-1と表現すべきと考えます。

選手の平均ポジションにもしっかり現れていました。


前半の平均ポジション、ユーヴェはくっきり5バック

翻って、インテル。

本試合は保持の選手配置が良く、その構造を活かす強度もありました。
つまり、ネガティブトランジション時のカウンタープレスの品質が高く、トランジションが裏返るシーンが明らかに多かった。

僕はPSMから今季インテルはカウンタープレスやミドルプレスが増加していると発してきました。

とはいえ、継続性がなかったり、練度不足で突っ込んでいったけどあっさり躱されてリスクが勝ってしまったり。挙句、なかったこと(元に戻した)感の強い時期があったり。

何とももどかしい感じでしたが、この試合は拍手喝采の出来でしたね。

今月は超激務でみんなヘトヘトでしょうが、その中でこのクオリティの体現はシーズン終盤への高いモチベーションあってこそでしょう。

詰まるところ、

ユヴェントスは4局面をパキっと分け、非保持を『守備』とした。
インテルは4局面をシームレスに、非保持を『攻撃』とした。

この設定、そして効果性が本試合の命運をわけたポイント。

どちらが良い悪いの二元論ではありませんが、誤解を恐れずに言うならば、イタリアダービーは基本的に両チームとも”前者”の選択、そして傾倒する傾向にあります

要は『渋い試合』になりがちで、事実今季これまでの試合もそうだった、と事象自体に反論は少ないかと思います。カルチョ玄人好みではあるけどね。

今季最後となるイタリアダービーでシモーネ監督は、そしてインテルは勇気と気迫を持ってして4局面をリフレーミングしてくれたように見えました。

そして、それは勝利を手繰り寄せる手段となった。

CLベンフィカ戦の勝利とベスト4進出。
エンポリ戦の快勝とルカク復調の兆し。
そしてウノゼロという最小スコアとはいえ完勝した今回ダービー。

ここで上昇気流を掴んで羽ばたかないなら、いつドン底から好転するでしょうか

来期CL出場も、今季CL決勝も、コッパトロフィーおかわりも。

行こうぜインテル⚫️🔵

以上!
最後までご覧いただきましてありがとうございました🐯


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