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【強】セリエA21−22第3節 サンプドリア-インテル レビュー

こんにちは!TORAです🐯

今回はセリエA第3節サンプドリア-インテルのレビューです。

●選手起用

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・サンプドリア選手交代
68分クアリアレッラ▶︎アスキルセン
78分アウジェッロ▶︎ムッル
78分ダムスゴー▶︎ヴェッレ
88分シウヴァ▶︎トッレグロッサ
・インテル選手交代
54分ブロゾヴィッチ▶︎ヴィダル
54分ペリシッチ▶︎ダンブロジオ
62分ラウタロ▶︎コレア
67分ディマルコ▶︎ドゥンフリース
67分チャルハノール▶︎センシ

●前半-やっぱり凄いよ、サンプレス

前節、ヴェローナのハイプレスに苦しんだインテル。

解答用紙は書き進められたものの、最後はコレアが持っていったので採点は○なのか△なのかは有耶無耶感がありました。

ゆえ、セリエA随一のプレッシングチームであるサンプドリア戦は今後の資金石だし、インテルが序盤に越えなければいけないの壁のひとつです。

ということで、サンプレス、すなわちサンプドリアのプレスを見ていきましょう。
※もう言いませんので滑ってるとか言わないように。

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✔︎ブロゾヴィッチ番はカプート
✔︎クアリアレッラは中央の遮断を徹底
✔︎ダムスゴーは一旦セットしてから、シュクリニアルにボールが入ったらすかさず前に出て捕まえる
✔︎カンドレーヴァも同様だけど強度はダムスゴーほどではない

ちなみにこの設計、昨季終盤と変わらずです。

スクデットが決まり、出場機会が少ない選手中心にも関わらず、5−1と圧勝した試合と本節、差はなんだったのでしょうか。

サンプドリアの設計のディテールが良かった?

インテルのビルドアップのクオリティがだめ?

個人的にはメンタル的なところが一番だと思っています。

強気・強度、2つの「強」で前重心に来られた

別にデータとかが存在するわけじゃないので感覚論ですが、実際問題、サンプドリアのようなチームはここが肝心要

とは言え、これだけだとなんだかふわふわなので具体的な要因も挙げます。

ⅰ)インテルのピーキーさが丸みを帯びた=サンプドリアのプレスリスク減

ⅱ)ビルドアップも前半は中盤L字じゃなかった+ブロゾヴィッチがカプートにストーキングされていた=昨季エリクセンタスクの不在

そう。

サンプドリアの設計が同じでもインテルの設計が違うという差はホームチームの『強気の強度』を後押しするファクトだったでしょう。

プレスって設計とかボールの取り所をどうするのかっていう狙いとかありますけど

「やっぱ強度だよなぁ」

「そしてそれには運動量だけじゃなく、やってやる!という勇気や気概も必要だよなぁ」

そう思った秋の夜長でした。

●前半-降りるジェコは効くものの…

サンプドリアのプレスをベタ褒めしましたが、インテルが四苦八苦したのは10分程度です。
あとはやられながらもやる。『がっぷり四つ』状態

最も効果的だったのは降りるジェコを利用、または囮にしてその背後のスペースをラウタロに狙わせるやり方。

特にクーリングブレイク明けからは徹底が見られました。

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✔︎ジェコが降りバレッラが膨らむことで、裏のスペースとパスコースが空く
✔︎ラウタロが裏抜けを狙う


凸凹ツートップの凸が実はセカンドトップで、凹がストライカーなのは昨季から続くお馴染みのインテルタスク。

上述の通り、サンプドリアは一旦セットしてから前からプレスを仕掛けるので、仕掛ける頻度が高い左サイドはどうしたって前重心です。

その前重心を逆手に取れるのがこのメソッド

なんですが。

”このやり方”でネットを揺らせなかった点と前重心に飲まれるシーンも少なくなく、やっぱり『がっぷり四つ』だった点に練度不足を感じ得ません。

この「答えは合ってるんだけどスペルミスで減点、惜しい!」感じ。

うーん、ヴェローナ戦と似てますね。もどかしい。

●後半-早めの戦術的な交代ゆえに…

1−2。インテルはリードで前半を折り返しますが、後半早々に同点に追いつかれます。

前半から苦しめられていた左サイドを崩されました。
ゴールシーンは完璧で「これはもうしょうがない!」で飲み込めますが、その後も前半以上に左サイドを使われたのは悪印象。

個人的にディマルコの3バック左起用はヴェローナでめちゃくちゃ機能していたので超ポジティブなんですが『インテルの3バック左』としては流石にまだ馴染んでいませんね。

で、それに呼応するようにペリシッチもあたふたするシーンが散見。

てな感じでインテルの課題もありますが、この場面でもそれ以上にサンプドリアが良かったです。

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✔︎︎カンドレーヴァがボールを持てば、すかさず上がるベレシンスキ
✔︎トルスビーが担保役になるが、降りて構えるわけではない

カンドレーヴァとベレシンスキは、そもそも調子が良かった!というのは間違いないですが、2人の連携が阿吽。
特に同一レーンで崩せるコンビネーションが非常に厄介でした。

加えて、トルスビー
いやぁ本当に良い選手ですね、彼は。

前半35分にイエローカードを貰っているのにアグレッシブな姿勢を崩しませんでした。

ベレシンスキが上がったら自身が降りて担保するんじゃなく、右サイドの攻撃をフォローしながら担保するんですよね。

裏返ったら迅速なプレスバックでボールホルダーの時間を奪ったり、狡猾なファールで潰す。

それを支えるのはやはり強気と強度

で、シモーネ監督はと言うと、この状況に素早くアクション。

54分ヴィダルとダンブロジオ、からの62分コレアの投入は①縦の変化②旗色が悪い左サイドのテコ入れの両方を図るためと考察します。

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✔︎中盤がL字になり、DF-MFのトラフィックが減る
✔︎代償として後ろに重りがちなので、自身で運べてチャンスメイクできるコレアIN
✔︎ダンブロジオはシンプルに最終ラインの対人守備の向上目的、あわよくばセットプレーでプランD発動

さらに67分。

ドゥンフリースの交代はディマルコが筋痙攣を起こしたという側面が強いですが、センシの投入は実質トップ下っぽくなっている左IHでチャンスに絡んで欲しいという狙いでしょう。

シモーネ監督はセンシを高めで使いたい節がありますからね(僕は賛成派)。

先手を打つ戦術的交代

前任は割と疲労やパフォーマンスを軸とした交代という印象ですが、シモーネ監督は戦術的なカードの切り方が目立ちますね。
しかもアクションが早い。

個人的な好みは「やらないよりもやってみて後悔」なので、この姿勢を崩さないで欲しいです。

まぁ、今回は見事に「やってみて後悔」となりましたが。

「センシを投入するのにこんな早い時間帯からカード使い切ってどうするんだ!笑」

的な冗談もありましたが、ディマルコが筋痙攣を起こしたので、あそこで代えないとどちみち交代回数に引っかかりますしね。

シモーネ監督に落ち度はないでしょう。

強いて言えば「1回目の交代の後、10分も経たずにコレアを投入するなら、思い切って最初の交代で3枚替えちゃえばよかったのに」と思わなくもないですが、これはもう結果論もいいとこ

ラウタロもぷんぷんしちゃうだろうし。
またボクシングすることになるかもだし。

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センシの負傷からはもう戦術云々は不要。

気持ち全面、両チームともヒートアップしてホイッスルを迎えました。特にオルサートさんは一際目立っていましたね。

ほんとおつかれさまです
・スコア
サンプドリア2-2インテル
(18分ディマルコ、33分吉田、44分ラウタロ、47分アウジェッロ)

●雑感-『強さ』入り混じる試合

2−2。

妥当なスコアです。

チームとしてのアウトプットは間違いなくサンプドリアが良質。

しかし、インテルは個人。質的優位の強さがありました。

って言うとなんだか印象良くないかもですが、この部分での差異化がないと上位を目指せないのがサッカーです。

ディマルコの左足。

バレッラの推進力とスキャン力。
そして、ラウタロの点で合わせるボレー。

どちらもゴラッソで個人由来強めですが、だからこその『強さ』

ルカクとハキミという戦術破壊兵器を失ったインテルとしては、むしろここがシーズン前の最たる懸念ポイントだったので、本節含めここまでの結果はポジティブでしょう。

でもって、だからこそ本節は面白かった

組織由来の強さと個人由来の強さが
入り混じった試合展開

総評としてはやっぱりサンプドリアが組織由来でインテルが個人由来ですが、ポイントポイントで「逆も然り」が光ったのがまた良き。

戦術と個人の融合。

いや、サッカーなんて常にそうなんですけど、この試合のエンターテイメント面のレイヤーがひとつ上にあったことに異論がある方は少ないんじゃないかなと、勝手ながら思っています。

さて、インテルは次はCLですね。
個人的にグループステージはこれ以上ない最高の組み合わせです。絶対リベンジしましょう!

FORZA INTER!!⚫️🔵

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