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「女性天皇こそ時代の要請(6問6答)」④ 小田部雄次名誉教授が解明~「男系男子」固執の背景にある男尊女卑思考の影響やマイナス的思考


【画像① 昭和天皇は「現人神」「統治の総覧者」から「象徴天皇」へと、皇室の歴史の激変を一代で乗り越えてきた。その中で、皇太子時代から香淳皇后との結婚生活まで一貫して側室制度を否定し、これを廃止させて「男系男子」継承の支えとなるべき仕組みを取り払う役割をも果たした。継承問題での女系・女性天皇の容認の方向は、昭和天皇の代から基盤の底で仕掛けられていたものといえよう。】




2月18日にYouTubeチャンネル「古是三春_篠原常一郎」でライブ配信した静岡福祉大名誉教授・小田部雄次先生の「女性天皇こそ時代の要請
内外に誇れる敬宮愛子さま」は大変に好評を博した。この番組では、従来の小田部先生が出演された対談同様にあらかじめお見せしておいた質問について、きちんと検討した分かりやすい回答を準備して臨んでいただいた。


この度も、6問の質問に対し、それぞれ時間をかけて丁寧に回答していただいている。この度、この番組のために小田部先生が用意していただいたメモを再編し、問答式の記事にまとめたので、以下に提供したい。国会では、皇室典範改正に関して水面下のすり合わせのような協議が始まっているが、「男系男子継承」をそのままにしていては、遠くない日に本格的な皇統の危機を迎えかねないことに目をつむり、「公務のための皇族数確保」と称して「女性皇族が結婚後も皇籍に残れるよう検討する」など、本質的ではない問題でお茶を濁している始末である。


「女性に生まれた皇族は、天皇の直系長子であり資質があっても皇位継承できない」というおよそ理不尽な明治時代以降の典範の規定を改正させ、国民の多くが望む敬宮愛子内親王の立太子への道を開くには、多くの国民が「女系、女性天皇」容認の歴史的・現実的正統性を認識し、声を上げることが必要な局面だ。



【画像② 静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次先生の専門は日本近現代史(皇室制度、華族制度)。写真は著作の1つ『49人の皇族軍人戦場に立った近代日本の影の主役たち』(洋泉社 歴史新書Y)。】




この問題の理解を進めていくために、本シリーズはこれまでに掲載してきた関連記事(「小田部雄次先生がざっくばらんに答えます」(第1~第14回)、「小田部雄次先生に聞く」(①~⑤)他)と合わせて、広くお読みいただきたいと思っている。また、今後、地方議会での「皇室典範で女性天皇を認める改正をもとめる意見書」の採択の運動を広げるため、小田部先生から提供していただいた内容を学ぶ運動も起こしたいと考えており、その面で勉強会開催を希望される方は、ぜひ連絡メール/furuzemitsuharu@gmal.com

までご連絡いただきたい。


(参考映像)「【敬宮愛子内親王殿下】 女性天皇こそ時代の要請 内外に誇れる敬宮愛子さま 小田部雄次教授(静岡福祉大学名誉教授)」2024/2/18

https://www.youtube.com/live/9M9rNsVdc18?si=sgNfPBCVKJm963wi


以下、4番目の質疑応答をお届けする。



【画像③ 幼時の今上陛下(左)と東宮傳育官の浜尾実氏。今上陛下は教育係を御側に置かれて、帝王学を身につけやすい心身教育の環境が配慮されていたが、ご両親である上皇上皇后夫妻と共に、昭和天皇からのご配慮があったであろうことが偲ばれる。】





◆質問④




岸田内閣に対して有識者会議は「秋篠宮殿下、悠仁殿下までの皇位継承の流れはゆるがせにしない」という方向性を示しました。この方向性の根拠は、いったい何なのでしょうか?


例えば「直系長子優先」で「女系・女性容認」となれば、皇位継承は現在の天皇ご一家の長子でいらっしゃる敬宮愛子内親王殿下が皇位継承一位となり、順位が変わるだけと思われます。現在の上皇陛下が誕生された際も、昭和天皇に継いで皇位継承第一位とされた秩父宮が皇嗣から外れて、皇位継承第二位に変わった事例があります。そして、憲法で規定された「皇位は世襲によるものとする」を考えるなら、「直系長子」が望ましいことは明らかではないでしょうか?


皇位継承ルールが「国民の総意に基づく統合の象徴」のあり方に相応しく現代的に改められることに皇室内で、あるいは国民や政府の中で、どのような不都合があるのでしょうか?





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