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いよいよ「赤旗」も発行の危機?減り続ける日本共産党の党勢~党大会後、早くも都道府県委員長会議で”尻たたき”はかるも党員は田村新指導部にそっぽ?~筆坂秀世


【画像① 「Change 希望をあなたと共に」が新しい日本共産党の党アピールフレーズだという。しかし、1月の党大会以後、止まらない党勢(党員数、機関紙「赤旗」発行部数)の後退という深刻な状況に、党内では希望を共に出来るような雰囲気は無さそうだ。3月13日、国会内の記者会見で新しい「党押し出しポスター」を発表する田村智子党委員長。】


日本共産党がふるわない。1月に党大会を開催し、「共産党史上初の女性党首」田村智子氏を志位和夫氏の後任の委員長に選出するも、党内の意気は全く上がらない。かつての「党No.4」で国会議員としてもエースだった筆坂秀世さんに言わせるならば、党員のやる気を引き出せないのは、「十年一日」のごとく代わり映えのしない方針を打ち出し閉鎖的な党運営を事としてきた党指導部に問題があるという。


ここのところ、機関紙「赤旗」では自民党の”パーティー券キックバック裏金”問題の暴露や追及を展開して意気盛んなようだが、党国会議員が大活躍しているようにも見えず、また「金権腐敗の自民党政治」にとって代わるべき新しい政治の方向性も示せていない。党の停滞した現状の背後にあるものを、筆坂さんが喝破する(以下)。




【画像② 筆者・筆坂秀世さん。元日本共産党No.4(書記局長代行)、党政策委員長、参院議員(1995~2003年)。党内抗争を背景にした「セクハラ事件」で幹部と議員の座を奪われた後、党中央委員会勤務後に離党。現在は政治評論などで講演、執筆活動で活躍。筆者(篠原常一郎)は95年初当選時と2期目の前後に公設秘書を務める。】



◆「笛吹けど踊らず」の党員――「大運動」は「大失敗」~共産党はこんな愚かなことをいつまで続ける気か


長い間たっているにもかかわらず、何も変わっていないことを「十年一日」のごとくと言うが、共産党を見ているとまさしくその通りだと思えてくる。党役員の決め方一つとっても選挙と呼べるようなことは一切やっていない。田村智子氏を初めて女性委員長に登用したが、その決め方は談合以外の何ものでもない。90歳を超えた浜野忠夫氏や80歳を超えた市田忠義氏を副委員長に登用した人事には、呆れるほかない。


高齢者を登用するなというわけではないが、それにしてもこの二人は長すぎるだろう。党の躍進に貢献するどころか、志位和夫議長と共に共産党長期低迷に責任を負うべきなのが浜野、市田の両名だ。

 

こんな硬直化した人事のもとでは、方針も代わり映えのしないものにならざるを得ない。その最たるものが、失敗が証明済みの党勢拡大運動だ。ここのところ、何かにつけ日本共産党は「大運動」と称して「党大会までに達成しよう」などと節目を設けた目標値も示して、党員を「赤旗」読者拡大や党員拡大へとせきたててきたが、数十年見ていて一度たりとも目標を達したことはない。目標に届くどころか、後退を繰り返しているのが実情だ。もちろん、1月の党大会に向けた目標も達成できず、3月までの現状では党大会前より党勢は後退してしまっている。


この間、何かと言えば「大運動」なるものを何度も呼びかけられ、党員に多くの課題を押し付けてきた。頑張った党員ほど疲れ果てている。最早「笛吹けど踊らず(何かやらせようといろいろと手を尽くしても、まるで反応がないこと)」というのが、日本共産党党員の圧倒的多数の状況なのだ。その結果、党大会で選ばれたばかりの新指導部は、すぐに”尻たたき”に躍起にならざるを得ない状況となったのである。




【画像③ 「古い政治はもう終わり」と機関紙「赤旗」で党内外に呼び掛けるのだが、このままでは「赤旗」そのものが発行基盤を失い”もう終わり”になりそうだと、党指導部は党員に警鐘を鳴らしている。しかし、どんな努力をしても、普通の紙媒体新聞が大幅な部数減を続ける中、「赤旗」だけが時代の趨勢に逆らって後退を前進に転換できるわけがない。】


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