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「田村智子委員長は志位和夫議長の”弾除け”」~日本共産党新指導部体制に投げかけられた”偽装人事”疑惑


【画像① 1月の党大会で委員長の座は志位和夫氏(69、左)から田村智子氏(58、右)へと移ったのだが、「田村氏は引き続きトップに君臨する志位議長の”弾除け”にすぎない」との声が永田町界隈では上がり始めている。】




◆党大会での”パワハラ””つるし上げ”発言で批判を集める新委員長の田村智子氏




1月の党大会で、「初の女性委員長」に就任した田村智子氏(参院議員)は、その出発から党内外の批判を洗礼を受けている。


「共産党の田村智子委員長が先の党大会で出席者の発言を指弾し、党内から『パワハラ』との指摘が出ている。執行部は『叱責ではなく発言内容への批判だ。人格を傷つけるものではない』(小池晃書記局長)と擁護している。党員除名問題に端を発した『強権的』という党イメージのさらなる悪化につながる可能性がある」

「党首公選制導入などを求める著書を出版した党員の松竹伸幸氏が昨年2月に除名されたことに関し、(1月)16日の党大会で神奈川県議が『問題は出版より除名ではないか。排除より包摂を』と異論を唱えた。これに対し、委員長選出前の田村氏が大会最終日の18日に『発言者の姿勢に根本的な問題がある』と反論。『批判の矛先を180度間違えている』『問題の政治的本質を全く理解していない』などと激しい口調で畳み掛けた」

「公開の場での非難に、党所属の地方議員からX(旧ツィッター)で『この糾弾はハラスメントだ。謝罪と撤回が必要』などの投稿が相次いだ」

(参考)「田村氏に『パワハラ』指摘相次ぐ=共産党大会で出席者を指弾」2023/1/22 時事通信ニュース
https://sp.m.jiji.com/amp/article/show/3148094

記事に補足すると、田村氏は個人的な党大会での「発言」で神奈川県議の発言を批判したのではない。「結語」と言われる大会議事の一番最後に代議員の討論などを受けて党指導部としてこれらをどのように受け止め、方針としていくかの方向性を示すためにされる公式的な決定として、党内外に宣言する形の発言の中でである。もちろん、内容については田村氏も大会前から副委員長としてメンバーに入っている中央常任幹部会委員の全員で検討して決定されたもので、その時点での党最高指導部の判断及び意思として示されたものである。


【画像② 国会内の食堂でステーキランチを食す小池晃党書記局長・参院議員(63)。彼も党内の会議で田村智子氏に対するふとした発言で党内から「パワハラだ」と批判されたことがある。小池氏と18歳当時に同じ共産党党支部に所属し、議論も交わしたことのある筆者としては、今日的基準では共産党内の議論や党運営ではあらゆる面でパワハラ的体質が染みついていて、それが組織原則である民主集中制によっても醸成されたものとも思っている。むしろ、党内から幹部の物言いについて「パワハラ」批判が出るようになった昨今を見ると、「共産党も変わりつつあるし、変わらざるを得なくなっているのだな」とも感じている。 】



したがって、「激しい口調で畳み掛けた」という田村氏の言い方の問題はあるにしても、神奈川県議の発言について「姿勢に根本的な問題がある」「問題の政治的本質を全く理解していない」と丸っきり上から目線で決めつける内容は、田村氏を含む二十数人からなる党常任幹部会委員全体の共通認識なのだ。ちなみに共産党内では「演説上手」として若い時から知られてきた田村氏ではあるが、国会秘書の先輩として見てきた経験から言って、党の既存の決定文書などをまとめることは出来ても、閣僚などを相手にする国会質問を作る能力は全く無かった。身内が作った文章や内容を、演技者よろしく感情の抑揚をつけて演説する、ということには努めていたように思う。

だから、表現が大げさで身内の感情を掻き立てるような物言いをする。しかし、意見を異にする相手との論争ではそんなものだけでは通用せず、あらかじめ秘書などを準備した原稿通り質問しても想定(希望)した答弁が大臣から返って来ないと、「国民の願いに背を向けている!」などと目をむき顔を恐ろしく歪めて怒鳴りだす。これは最近の共産党の国会議員によく見られる姿なのだが、テレビ放映された国会質問で田村氏が感情むき出しで叫ぶ姿を見て、「変わらないなあ」と呆れたものだ。

まあ、横道にそれるようだが、「パワハラ」と党内からも批判を集めた田村氏の発言は、彼女がよかれと思って演技たっぷりに「激しい口調」でやったことにもよるが、基本的にはもともと上意下達で一方通行的なコミンテルン以来の体質を持つ共産党指導部及びシステム全体の「パワハラ」的体質を示すものに過ぎないのだと、筆者は断言する。


◆「結局、新女性委員長は志位和夫議長の”弾除け”だ」~永田町で流れる風説



こうした田村委員長の”演技者的気質”が伝わったかのように、現在、永田町界隈では「田村委員長は議長になった志位氏のダミーで、結局”弾除け”なのでは?」との声が上がっている。


「もともと、1957年から90年代初めまで党トップとして君臨したカリスマ指導者、宮本顕治と同じく、議長になった後も事実上のトップとして振る舞い不破哲三委員長をしたがえたように、志位和夫氏も議長になって”長期君臨”への批判をかわし、新女性委員長の田村氏を”弾除け”にして君臨する体制に移行したのではないか?」(国会政治部経験の長いメディア関係者)


【画像③ 不破哲三議長の下、党委員長に就任した当初は会議でかなり「いじめ」に遭い、2004年には「抗うつ剤服用」が週刊誌にすっぱ抜かれた志位和夫氏だが、なんとか23年間の委員長生活をクリアし、議長就任とあいなった。】

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