消費生活アドバイザー合格への道
~60歳でも頑張ったら合格出来ました~
「消費生活アドバイザー」という資格にチャレンジした,60歳の奮闘記である。そもそも「消費生活アドバイザー」という資格を取ると何かいいことがあるのか?
県や市町村の消費生活センターの採用に必須資格だという事。
なぜ私がこれを受けよう思ったか…。これは実際の2次面接でも必ず聞かれる質問なのだが,このように答えるようにしている。
「ずっとお客様対応に関わる仕事をしていて、対応力は相当ついたと思うのですが、自分に足りないところが,もっと幅広い自分の業界以外の知識、特に法律的な知識を持っての対応だと気付き、その知識を得るためにはこの消費生活アドバイザーの資格を取るための勉強が一番良いと考えたからです。」
しかしこれは建前で,本当は上司が持ってて威張っているので自分も取ってやろうと燃えたのだ(笑)。あと自分が所属していたACAP(消費者関連専門家会議)の会員さんでも持っている人はそれ程いなかったので,ぜひチャレンジしたいと思った。
しかしなんと取得に3年の歳月を費やしてしまった…。ただそのおかげで合格するノウハウというか勉強法はつかんだ気がするので,それを残しておきたいと思います。
■試験合格後に獲得できる資格
(1)消費生活アドバイザー資格
(内閣総理大臣及び経済産業大臣事業認定資格)(5年毎の更新制)
(2)消費生活相談員資格(国家資格)
※自治体の「消費生活センター」などの就職には必須資格
■1次試験
〇テスト方式
CBT(Computer Based Testing)方式
(会場に設置されたPCを操作して)により実施
択一および○×式での出題、全 30 問(300 点満点)
1問に5個の項目。65%以上の正解者が合格
択一→【ア】に入る正しい言葉を下記の5つの中から選びなさい
〇×→次の文章が正しければ〇 間違っていれば×をつけなさい
〇テスト範囲
---------------------
1. 消費者問題
2. 消費者のための行政・法律知識
(1)行政知識
(2)法律知識
3. 消費者のための経済知識
(1)経済一般と経済統計の知識
(2)企業経営一般知識
(3)金融の知識
(4)生活経済
(5)地球環境問題・エネルギー需給
4. 生活基礎知識
(1)医療と健康
(2)社会保険と福祉
(3)衣服と生活
(4)食生活と健康
(5)快適な住生活
(6)商品・サービスの品質と安全性
(7)広告と表示
--------------------------------
■2次試験
〇小論文
テーマ(3つ提示され1つ選び800文字以内 60分)
消費者問題 / 法律知識 / 企業経営一般知識
〇面接
10分程度 面接員2名
(本題)合格への長い道のり…
1年目
→1次で失敗
考察…①過去問しか勉強しなかったため,解ける範囲が狭かった
②専門用語の正確な語句・単語を記憶出来てなかった
2年目
昨年の考察をもとに対策を立てる
①参考書での基礎からの勉強
②単語帳アプリ活用による反復練習
購入参考書
① 「消費生活アドバイザー受験合格対策」〇年版 丸善出版
最新版を購入した方が良いと思うが,7000円以上するので,
Amazonで中古を買う手もあり (経費で良ければ最新版がお勧め)
②「徹底解説 消費生活アドバイザー試験」〇年版
これも1冊4000円程度するが,過去問は解いたほうがいいので,出来
るだけ多く手に入れた方が良いと思う。
私は新品を購入し,Amazonで別の年の中古も購入。5年分くらいの過
去問を解ける環境を作った
単語帳アプリ
マナビティ 無料
100項目を1枚のシートとしてExcelで管理,何枚でもアップできる
勉強時間の確保
①平日は5時起床,6時までの1時間集中して勉強
②休日も2-3時間の勉強
③空き時間にマナビティで反復学習
※たまたまコロナ禍で飲みに行く機会が全くなく勉強が出来た
スケジュール
3月から6月まで→参考書で勉強,覚えるべきことを単語帳に登録,反復
7月から試験まで→過去問を解きながら,覚えるべきキーワードを単語帳
に登録,反復練習
結果
1次合格。
2次は論文と面接という事で,自信もあったし何を勉強するというもの
でもなく,結局ほとんど何も準備せずに臨んだが,論文もしっかり書け
て,面接でも面接員から「すぐにでも講演して欲しい」などと言われ
て,当然合格したものと思っていたら,何と不合格…
※この時までは,8分野の項目から2つを選んで論文を書くスタイル。
今回から3つの項目から一つを選ぶ方式に変更。
来年は1次は免除で2次のみなので,もう一回だけ受験する事を決意。
3年目
→(1次免除,2次論文と面接のみ)に取り組んだ事
①2次の論文対策…昨年の反省を経て,NACS(公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会)西日本支部の二次試験対策講座「論文通信添削講座」を受講。
3つのテーマに対して8つ?の課題を提示。その中から自分で4つの課題を選び,本番方式で800文字以内の論文を書いて郵送し,添削をしてもらう制度(12000円+事務手数料+郵送料など)
※4つの課題の評価が「Cの上,Cの中,Dの上,Dの中」という結果になり,これは何か根本的に論文の書き方がおかしいのだろうと理解(笑)。ネット上で合格体験談などを公開している人たちの記事を見て回って気づいたことは…
・消費者の立場に立ってという考え方ではダメ(自分はこの傾向が強すぎた)
・理想は,①消費者 ②企業 ③自治体 の3つの立場を理解し,そのバランスを考えた論文を書かなければならない。
②SDGsにヤマを張る。上記の小論文の添削以外の時間は,すべてSDGs関連の本や雑誌,新聞記事,Web資料などをどんどん入手し,その件に関しての知識を習得する。(おかげでSDGsについては相当詳しくなったし,17項目は今でも暗記してます)
③新聞は出来るだけ時間を取って読み一般常識的な知識を身に付ける(多分これが本番で役に立っていると思う)
④書きやすいシャープペンシルの購入
去年は何も考えずに普通使っているシャープペン持って行ったが,60分で800文字を(しかも昨年は2回)書くのは相当指が痛い。そのため指に優しいふにゅふにゃしたグリップのシャープペンシルを購入。芯はBが良いとの事。
本番当日
実際の論文の課題3つ
<消費者問題>
消費者教育に対する考え方が近年変化してきている。1900年代後半の考え方と2000年代に入ってからの変化についてそれぞれ説明し、学校、企業において今後必要となる消費者教育のあり方について具体例を挙げながら論じなさい。
<法律>
消費者団体訴訟制度には、①差止請求制度と②被害回復制度の2種類があるが、それぞれの制度趣旨と概要を説明したうえで、これらの制度をより一層機能させるために考えられる方策について論じなさい。
<企業経営>
昨今、多様な働き方が社会に浸透する中で、社員の健康管理に着目した経営(健康経営)が注目を集めている。このような背景を踏まえ、以下の2つについて、⑴⑵ごとに論じなさい。
⑴「健康経営」が企業において果たす役割について、以下の3つのキーワードを用いて論じなさい。
キーワード:経営資源、人材の流動化、競争優位
⑵「健康経営」を実現するために、企業はいかなる取り組みをすべきかについて論じなさい。
なんと,SDGsがかすりもしない…(涙)
●消費者問題 ●法律 に関しては,準備不足で間違った専門用語で書いてしまうリスクがある…
●企業経営の問題にチャレンジ
ポイント→企業からするとよい人財確保のためには労働環境整備は必須。環境を良くすることで会社の業務も遅滞なく潤滑に行われる,しかもそれにより売り上げも上がり納税や雇用もスムーズに行き社会貢献も出来る。労働者も健康的な職場で自分の力を発揮できる…的視点
とりあえず800文字書き上げました…
面接対策
事前に用意した想定問題
★消費生活アドバイザー資格を取ろうと思った動機は?
★この資格を仕事でどうやって生かすか?
△最近の気になる消費者問題は?
■最近の気になる環境問題は?
■消費生活センターの役割をどう思うか?
★→2年とも聞かれた
△→1年目に聞かれた
■→ネットに聞かれたと上がっていた
結果→合格
ワーイ♪\(^ω^\)( /^ω^)/ワーイ♪
総括
■最大の難関は一次突破
・一度は全ての分野を勉強しておく
・過去問を出来るだけ多く
・曖昧に覚えない。(テスト時に絶対迷う)
■二次は日々の情報収集と決意
・新聞,Web,雑誌…
・論文練習は他人に評価してもらう
・面接は想定応答の準備
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?