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【卒展2021 Making Process】#09 コロナ禍で開催する卒展の工夫

卒展委員長
瓜田 理揮
(うりた りき)
統合デザイン学科4期生
菅 俊一プロジェクト

2021年度卒業制作展・修了制作展 委員長を担当した瓜田理揮と申します。
メイキング記事最終回となる今回のテーマは
「コロナ禍で実施する卒展の工夫」

あらゆる感染症対策をした上で実施した卒展において尽力をしてくれた運営チームの計5名で今年1年を振り返りました。

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スピーカー紹介

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卒展委員長 瓜田理揮 (画像1番左、横顔):今回の司会進行
広報統括 中村理紗 (画像左から2番目)
仕事内容:広報マネジメント担当。主にスケジュール及び予算管理を行う。
展示班統括 亀井杏果 (画像1番右)
仕事内容:展示工程全体が円滑に進む様にマネジメント・ディレクションを行う。展示に関わる部署を包括的にまとめる。
書記 岩﨑由紀子 (画像右から2番目、背中)
仕事内容:卒展委員から展示学生へお知らせをする(内部から内部へ伝える)役割。具体的にはメールマガジン配信や4年生専用公式LINE等の運用担当。
運営補佐 東千鶴 (画像右から3番目)
仕事内容:予約サイトの運営・入場受付(人の動き含めた)システムの管理。それに伴うデザイン等の実装まで行う。

(以下より、スピーカーは苗字・敬称略で記載致します。)

1.お互いの仕事を振り返ってみ大変そうだったこと

瓜田:それでは、最初のトピックスから。お互いの仕事を振り返ってみて、周りを見てて大変そうだったと思った事はある?

岩崎:目に見えて大変そうと思ったのが、予約フォームです。

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【急遽、決定した展示の予約制】

瓜田:2020年4月から議論はしていたものの、展示が予約制になったきっかけは2回目の緊急事態宣言でしたね。

当時の状況:
2021年1月2日に"緊急事態宣言が出る"という報道がありました。その後1/7に緊急事態宣言が出されるという状況で、私達は報道されてから実際に宣言が出るまでの1/5〜1/7の3日間で制限人数を大学側と協議したのちに予約サイトを実装し、1/13に予約サイトが一般公開されました。

東:予約フォームに関しては一般的に公開するのが遅かったかなという反省があって。 早くから検討はしていたけど、その割に具体的な話はできていなかった。

予約フォームの実装自体はギリギリでもよかったけど、客観的に見れば通常開催なのか人数制限するのか一言も言わず1週間前にいきなり予約フォームをSNSで告知しているので、もう少し早く検討して予約制になるかもってことだけでも伝えられていたら「今年どうなるのだろう」と卒展が気になっている人たちにもっと早く伝えられたなと思う。

岩﨑:予測を立てないといけないことが多すぎる1年だったから、実際に動くのが遅くなってしまってたね。

亀井:定期的に学校側と「本当に予約制にしなくていいんですよね?」とか聞いていたけど、先に手を打ったほうがよかったのか、いつでもできる準備だけしておいたほうがいいのかどうすべきだったかは、今振り返っても難しい問題だね。

中村:学校側から「外部の人をいれてもいい」という判断も遅かったから予約制をOKと決まるのも遅かったし、GOが出てから迅速に動けたから結果オーライなんじゃないかなとも思う。

岩﨑:今まで卒展委員は「学生主体」として動いていた。でも今年はコロナのせいで「コロナですけどどうしますか」っていうのを会場である学校に確認するしかなくて。現場の学生同士はワタワタしてたなぁ。

ただ、コロナ対策について前期のうちに沢山考えたし予想していたからこそ動けたと思う。みんなでmiroを使って「こうなった場合はこうしよう」っていうのをオンライン上で沢山検討して、それを後期にすごく活かせてよかった。

瓜田:みんな足並み揃ってたもんね。
展示班が検証してくれて、さらにそれをみんなで先生たちにプレゼンして。意識の中にあった上で取り組んだことで、指示を待っているんじゃなく自分達から行動できた。

東:確かに、お互い焦んなかったもんね(笑)

岩﨑:卒展委員みんなそれぞれ「こうなるだろうな。じゃあこうしなきゃな。」って各班ができることに向けて動いててすごかったなあ。


【予約制決行に伴う苦悩】

亀井:来場予約ができていない人も会場に入れてしまうと、そこで不公平が発生しちゃうから、予約してくれた人以外は断らなきゃいけないっていうのもすごく辛くて。そこは難しかったな。

瓜田:展示が見られない人本当は発生させたくない。でも、一気にお客さんが来場して何か起こった時のことを考えると制限をゆるめられなくて心苦しかった...。

何が正解かわからなかったけれど今年はそう判断させていただきました。
今は、展示が最終日まで開催できたことに安堵・感謝です。

亀井:「私たちはどんな状況でも展示をやりたいです。そのためにこういう対応をするつもりです。」っていうのを5〜6月(2020年)くらいに教授陣にプレゼン・相談しようということになって、どの時期に緊急事態宣言が出たらどういう対応ができるか、タイミングごとに書き出してた。

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今よりももっと情報が少ない時期で、世界的な対応も今と全然違ったりしていて、いろんな会社や団体もきっと同じことをやっていたと思う。

こうすればいいですよっていう答えがないから、ひたすらニュースを見たりだとか、いろんな美術館の対応を調べたりとかしていた。

※2020年1回目の緊急事態宣言発令当時はICOMによる基本対策などを参照しながら開催のあらゆる手法を検討した。

それがすごい大変だったけれど、行ってよかったことは締め切りベースで考えたことと、先のことまで予測していたから割とすんなりと学生の質問に答えられたこと。

予測ができなかった面としては、12月の終わり頃に緊急事態宣言がもし出たら展示設営必要な木材の発注をやめようとかそういった話で進んでて、会期直前で宣言が出たらどうするという話もあったりして、そこはもう予測できないって判断だったけど、実際その予測できないことが起きてしまってすごく困ったし、私達が判断して良いことではなかったからもどかしかった。

瓜田:緊急事態宣言が出た後、大学が早めに閉まる可能性をしっかり考えていなくて。
よくよく考えてみると去年までは設営日も1日多く設営時間も3時間長くて(今年は去年より3時間早く大学が閉まったため)今年だったら?と置き換えず考えていたので、いざ設営始まってみて初めて時間のなさに気づきました。

亀井:時間が早まったっていうルール的なこともそうなんだけど、学生が何人も集まって作業するから窓開けて換気させなきゃいけないとか、サーキュレーターを各部屋に置いて部屋を空気を循環させなきゃいけないとか。
必要な備品が増えてそこの準備も大変だったなっていうのもあったかな。

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※入場制限対策用の入場シール。お客さんが来場した際にお渡ししたもの。時間帯ごとに色を変え、蜜な状態を作らないようにした。

感染対策と部屋の使い方-01

※感染症対策と部屋の使い方について学生に共有した資料の一部

東:展示する部屋は増やした?

亀井:増やしたね。例年なら学期末試験の会場になってる部屋が、今年はオンライン授業に切り替わったから展示できる部屋が多くなって。学生の密集を防ぐためにも、部屋はできるだけたくさん使った。

瓜田:その分、壁立する部屋が増えたよね。 自分たちは壁立が必要だからやっているけれど そのぶん労力だったし、体力がすごく削られたよね。

※統合デザイン学科の卒展では大学の校舎を展示会場へと変身させるため、2年前から部屋の中に壁を新たに設置して展示するという方法を採用しています。


【コロナ禍だから考え直す広告先】

瓜田:広報は最初から検討してたことでいうと駅広告だね。今まで出していたオフラインでの広告物をやめるとかかな?

中村:駅広告代をインスタの広告にかえたりしてオンライン上での広報活動を強化しました。

その代わりオフラインの広告物はDMくらいなので、そういう接点は例年より丁寧に相手とのやり取りをしてお送りさせていただきました。

岩﨑:映像も凝ってたよね。
会期1日目、2日目の映像とか展示風景を流したりとかもしててすごいなあと思った。

東:何を見て統合デザイン学科の卒展を知りましたかっていう質問を予約フォームに設けたら、"Instagramの広告見ました"ってアンケートが来てた。

他にも広告を見て全く美術大学でもないし卒展とか来たこともない人が"来ました!"って言ってくれていて それは喜ばしかった。これは今年ならではだなと思いますね。

一同:へー!

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瓜田:今までだったら駅広告を見てたまたま来ましたっていう人がいたかもしれないけど、その人たちに届かない代わりに、駅貼りだったら変更できない内容を広告することができた。
予約システム導入が後半からだったのもあって、それからオンライン広告出稿できてよかった。

中村:それもそうだし、この情勢の中、電車に人がどのくらい乗るのか分からないというのがあった。駅使う人も今は多くなったけれど最初に緊急事態宣言が出たときは全然駅を利用しないんじゃないかってことで。

駅広告って昨年の予算の中でも1番高くて1番割合を占めているから、それだったらもっと他のことに使えないかと思って。Instagramのフォロワーも増えたっていう話を聞いて、それは来年にも引き継げることだからとってもいいね。

瓜田:蓄積できるし、とても良かった。

中村:うん。オンラインの広告は結構直前に入稿できるし、値段も決められるからギリギリ判断でもいけたね。


2.オンライン化よる影響

瓜田:SNSもそうだけど、webもしっかり作ってくれたり、卒制講評会をオンラインで見れるようにしたり、なるべく密にならないけど卒展を感じられる接点を増やしていったね。

岩﨑:それこそ図録もオンライン販売になって。

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※昨年度の約3倍ほどの注文を承りSOLD OUTとなりました。ご購入・ご検討いただいた皆様ありがとうございました。

瓜田:販売分が予測より増えたのは、それこそ SNSで拡散してくれて、展示に来れない人が期待って思いを馳せてくれてるなってわかるよね。

亀井:色んなことがオンラインでできるようになったことが大きいと思った。
家族が地方に住んでいて卒展には来れなかったんだけど、図録が買えるおかげで遠方でも見て貰える。弟が「図録買いました」とか言ってくれて、それはすごいよかったな。

中村:広告系で言うと、駅とかに広告を出していたら不特定多数すぎるじゃん。
沢山の人に見てもらえるとは思うけど、どのくらい興味を持ってもらえるか分からないから。
でもオンラインの広告は関連で出てくるようになってるから、ささりやすい人に出てくる って言う効果もあるのかな。

東:
コロナだから仕方なくオンラインにしたっていうのはあるかもしれないけど、それがオンラインだからよかったっていう土台が作れたね。
図録は特にそうだよね。SNSもそうだし、インスタの運用の仕方もそうだし。

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3.オフラインの展示をする意義

瓜田:広報物はオンラインに変えることで利点があったわけだけど、やっぱり展示会を実際に開いてみないとわからないことも沢山あったな、と思っていて、展示会とかそのもの自体の工夫や、開催してみて良かったことはある?

もともとオンライン上での展示も検討はしてたし、東京造形大学(※)とかはそういった展示の方法をとっていた。しかし自分たちはそれは選ばなかった。その辺はどのように考えた?

※統合デザイン学科の卒展と時期が近く、造形大での卒業制作展「ZOKEI展」の開催が発表された。全ての作品はオンラインでのみ閲覧可能である。

中村:統合デザイン学科は体験型の作品とか、大きい作品を作っている人とかもいるからオンラインだったら作品の魅力を全て伝えきれないっていうのもあると思っていて...。
自分が体験型作ったっていうのもあるけど(笑)

佐藤明日野くんの作品とかも映像だけで流すだけでは凄さが伝わらないから、リアルな展示ができたのはすごいよかったなあって思うな。

亀井:コロナ禍でオンライン展示をするっていう検討もあったけど「実物を見て欲しい」という気持ちは改めて強くなったなと思う。

展示班をやっていて思ったことが、部屋の雰囲気ってすごく大事だなって。
自分が部屋のディレクションとかも大きく関わっていて、この部屋は食べ物を扱った部屋とか、現象を扱った研究をした学生が多いとか、それぞれの作品はお互いを意識して作ったわけではないんだけれど、その部屋にいるだけでお互いを補完しあったり違うところに気づけたりとか。それが展示の醍醐味だなって、改めて気づいたな。

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中村:家でオンライン授業受けてるとだらけちゃうよね。
「どうせ展示できないし」とか「この機材使えないし」とかでだらけちゃうと思うんだよね。でもどうあがいても「展示会場で展示してくださいね」っていうプレッシャーがあることで作品を間に合わせるのもそうだけど、クオリティをあげようと思える。

これがもしオンラインだけになっていたら、もっと全体的に作品のクオリティが低かった可能性もあるなと思って。本当にやらない人はやらなかったと思っていて、そこの緊張感とか他の人からの目があることはすごく大事だったんじゃないかな。

岩﨑:web展示を検討していた時に運営に届いた「インスタレーション作品だから実際に体験してもらわないと意味がない」という意見が印象的だった。 そういう人は特に作品を作りきる・体験してもらうっていう意味でもオンラインで完結せずにリアルな展示ができて良かった。

瓜田:去年の統合デザイン学科の卒展が行われたのが1月で、新型コロナウイルスが流行り始めたのは2月後半くらいだったから、卒展委員にコロナ対策関係のことは全く引き継がれていなくて。
ある種全く新しい卒展を0から作り上げていくような感覚だったし、卒展開催時期に「緊急事態宣言の中でも卒展を開催して大丈夫」っていう情勢になってよかった。

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東:オンライン展示だったらお客さんから直接コメントをもらったり、直で反応を見るってことができなかったと思う。

瓜田:そうだね。オンラインの場合は能動的に作品をクリックして、意識を持って選んでもらう必要があるね。
サムネイルに注意を向けてもらってコメントを書いてもらう。展示会場へアクセスはしやすいけど作品を見てもらうハードルは高いね。

東:そうしてもらわないと作者には鑑賞者の反応が届かないけど、展示会だと直接話さなくても聞こえてくるじゃん。「面白い」とか「かわいい」とか「うわっ」とかって。
そういうことはオンライン上だと絶対できないからやってよかったなって。作者にコメントを届けるってハードルが高いと思うし。

亀井:物量とか重みって全然違ってくるよね。


4.今後卒展をつくる後輩へアドバイスするなら?


中村:
うちの学科は特にっていうのもあると思うけど、先生たちが各分野のパイオニアで先生達がすごく頼りになるじゃない。


私たちは今学生で、まだ会社に勤めたこともないし社会に出てないから全然どうしたらいいかわからないことも多くて。
そんな時に大人に相談できる状況っていうのは、やるとやらないのでは、全然違うかなって思っていて。
もちろん自分達で議論することも大事だけど、プラス大人に聞いたりとか、一緒に考えようってするのは、結構ヒントになったなって思います。

あとは早めに情報収集!オンラインでも電話でもメールでもなんでもできるなあと思います。
最大限尽力しましたよっていう、危機管理・危機意識。そういうところで皆が同じアベレージを持ててないときついのかな。

東:私は「もしこうだったら」っていう予測立てができていると、最後の方に焦らなくて済むっていうはあったな。
今後こういった状況下で展示する学生へのアドバイスとしては「どうなったらどう見せる」っていうことを考えておくといいかも。

私が制作したのは体験型の作品ではなかったけど、展示直前に中止になった場合のことを意外と考えていて。早めに全作品の写真を撮っておいたりだとか、そういうことができるんだったらやっておいた方がいいと思う。

亀井:私は現場監督みたいなことをやることが多かったから、換気のルールであったり、そういったルールを展示班で作ることも多くて。

学生と「その作品はどう展示するんですか」とか「それは触る作品ですよね、消毒液置いて下さいね」とかコミュニケーションをとるようにしていた。それと、それをやってもいいのかっていうことを確認する学科・会場側とのコミュニケーション。その2つを丁寧にやるべきだなと思いました。

みんなコロナ禍の展示ってどうすれば正解なのかわかんないし、正解を出さないことがきっと良くて。

無理なことは無理だし、じゃあ何だったらいいのかっていうのをこまめに議論する。学生にも体調管理についてしっかり話したり、不安にさせないようにしたいし、学校側にも「コロナが出ませんよ、しっかりやりますよ」って 不安にさせない。
そういう責任をもって最後までやる。そうすると来年、学科や会場側が「卒展委員なら」と信頼を持って、いろんな道具を貸してくれたり、いろんなことを手伝ってくれたりすると思います。
学生と会場側双方に真摯な対応・コミュニケーションをとることを今後も引き継いで欲しいです。

岩﨑:私は、今年はslack上でのやりとりが多かったから、約束事を口頭じゃなく文面でちゃんと確認してもらえたことはすごくよかったなと思う。

亀井:ログが残っていたのはすごくよかったよね。

岩﨑:ポータルサイトのお問い合わせフォーム(*)とか、運営も前期と後期で仕事がガラッと変わったよね。卒展委員全体としても前期はオンライン一択でやってたし、後期はオンラインと現場で作業の半々。展示班は後期の方がかなり現場作業だったと思うけど。その中で前期はslackでのやり方に慣れてたから、後期では口頭とslackでのやりとりがうまくいってた気がしたし。

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※お問い合わせフォーム:緊急事態宣言下ではオンラインでしか学生とやり取りができないため、情報を一覧できるポータルサイトを無料WebデザインツールSTUDIOにて制作。 メールでも最新情報を送りつつ情報が流れてもここを見れば安心!という存在をデザイン。

中村:あとは、スケジュール管理は当たり前だけど今回予測できないことが起きるわけだから例年よりもっともっと余裕を持たなきゃいけなかった。

これは反省点でもあるんだけど、コロナ禍でも頑張りたいという気持ちはあっても、体調のこともあるじゃない? そういったことを総合的に考えると頑張りすぎちゃだめだとも思った。
やっぱり展示期間中みんなヘロヘロで。免疫力下がった状態で諦めない気持ちも大事だけど、同じくらい早めに諦めることも大事だった。
直前になればなるほどそれはすごく思って。「最低限これはできる」っていうスケジューリングを後輩たちには行って欲しいな。

岩﨑:諦めないためには、もっとシビアにスケジューリングするといいかもね。

瓜田:「切羽詰まって頑張っちゃう」っていうのはコロナ以前のやり方ってことだね。
仕事によっては4年生主体じゃなくて3年生も巻き込んで、3年生主体のやり方でもいいのかもね 。
やってみないとわからないこともたくさんあったから、卒展委員も個人も、これからどう変えていくか。学びになることが沢山あったな。

亀井:去年の先輩たちは少数精鋭で卒展を運営していたイメージがあったけど今年は今年のやり方で、手が足りなければ人員増やしたりとかしてたよね。それぞれのやり方があって良かったと思う。
私たちは分からないことが多すぎたから分からないなりにいっぱい話して。やっぱりみんな怖いんだよね、とか感じていることを共有することもすごく大事だなって思った。世間的なこともあったりするから。

岩﨑:そうだね。議論するのも大事だけど、気持ちを共有するって意味で通話するのは大事だったなと思う。

中村:それに加えて、オンラインだと顔が見えないこともあった。ずっと家にいてピリピリしたりもするし、相手の話してる雰囲気が分からないからこそ、普段より丁寧に話したり相手を思いやるあたたかな心(笑)が大事だと思った。

瓜田:オンラインで通話するようになって今までコミュニケーションがなんとなく上手くいっていたところが難しくなることもあったね。

中村:みんないろんな所でストレスが溜まる要因があったと思うからみんなキープスマイルでってことで(笑)

一同:(笑)

中村:あと時間の余裕は心の余裕だなと思いましたね。ニコちゃんマーク!

一同:ニコちゃんマーク!(復唱)

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5.最後に

瓜田:今まで当たり前だと思っていたことが当たり前じゃなくなる」という状況が全てにおいて起きていました。

コロナで前提が崩れて行く様子をまじまじとみせられた。以前と同じようなことを同じようにやっていくと無理が生じたり、余裕がなくなったり、不安になったりもした。

そういう状況でも、冷静に判断できるように真剣に議論したからこそ「これくらいの幅や自由や余裕が必要なんだね!」ということがわかりました。
そういう"余白"がアドバイスとして引き継げればいいなと思います。

最後まで、ご覧いただきありがとうございました。
どこかで誰かのお役に立てれば幸いです。


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あらゆる感染症対策を講じた上で卒業制作展・修了制作展を最終日まで開催をすることができました。

このような情勢の中、足を運んでいただいた方に心より感謝申し上げます。

また、展示開催および図録発行にあたって多大なるご協力を賜りました先生方・研究室の皆様・関係者のみなさまにこの場を借りて御礼申し上げます。

お世話になりました。

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スピーカー:岩﨑由紀子 、 東千鶴 、 亀井杏果、 中村理紗

スピーカー・編集:瓜田理揮

監修・編集:德﨑理沙

撮影:土屋陽和 、圡方悠輝 (多摩美術大学副手)



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