ある凡人の数学者人生が始まるまで 4
ガウスの意味での『数学者』
カール・フリードリヒ・ガウス。18, 19世紀を生きた大数学者である。
真偽のほどは知らないが、よく伝えられている逸話を幾つか思い出したい。ガウスは小さい頃に
を賢い方法で一瞬にして求めたという。また、15歳の頃には素数定理
を数表の観察によって予想していたとされる。
一つ目はまだしも、素数定理の逸話は凄すぎて俄かには信じられない。
ガウスが如何に幼少期からその数学的才能を発揮していたかが伺い知れるエピソードである。
このように既に数学の才能を発揮していたものの、ガウスは他の学問にも興味があり、将来の道を決めかねていたという。
そんなガウスは1796年3月30日(19歳のとき)、目覚めるや否や「正17角形はコンパスと定規のみで作図できる」という数学上の新しい発見をした。
この発見によって自信を付けたガウスは数学者の道を選んだと言われている。その後、ガウスは怒涛の勢いで数学の定理を発見・証明しまくった。あの「平方剰余の相互法則」を証明したのは1796年4月8日である。(正17角形からなんと間もないことか!)
このエピソードを知ってからというもの、私もいつか何らかの数学上の仕事をしたときに
「このような仕事をできた自分なら数学者としてやっていける。」
とはっきりと自信を持てる瞬間がやってきて欲しいなと願うようになった。その瞬間が訪れたとき、自分は真に『数学者』になると。
私はこの意味で数学者となった者を「ガウスの意味での数学者」と名付けた。
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