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車を持つ?車は持たない?車の所有の仕方に変化!

1960年代から普及し、国民生活を大きく変えたと言われる「3C(新三種の神器)」ってわかりますか?

全ての頭文字が「C」から始まるのでそう呼ばれているそうです。今では当たり前で、むしろ、「○○離れ」の対象にもなっていたりします、、、。

「3C」の1つ目は「ColorTV」2つめは「Cooler」、そして「Car」です。「Cooler(エアコン)」は高温多湿で熱中症のリスクのためにも欠かせないため「クーラー(エアコン)離れ」という現象は感じませんが、「TV離れ」「車離れ」は若年層を中心に増えていますよね。

大都市の人ほど激しい「車離れ」

内閣府の「消費者動向調査(2023年3月末)」によると20年前の2003年3月の調査結果では、乗用車の普及率が86.4%だったのに対し、2023年3月の調査では80.5%に減少しています。

100世帯当たりの保有数量を見ても148.8台(2003年3月調査)から130.2台(2023年3月調査)に減っており、「車離れ」と言われるのは特に都市部で大きいようです。

全体での車の普及率は80.5%ですが、人口5万人以上の都市での車の普及率は78.5%、人口5万人未満の市町村では91.8%です。東京23区や政令指定都市20市の大都市に至っては66.2%と大きな差があることが分かります。交通手段の違いが都市部と都市部以外の地域でありそうです。

※総務省統計局_消費動向調査_令和5年(※消費者態度指数等の長期時系列表は最新月を参照、耐久消費財普及率等は3月調査を参照)_3月調査_二人以上世帯_主要耐久消費財等の普及・保有状況 より

車を所有しない理由

一般財団法人自動車工業会が行っている2021年度の乗用車市場動向調査では、21年度乗用車保有率は77.9%です。2019年度調査時では、79.8%だったので、1.9%減少してしまっています。

2年前の調査と比較した減車理由で高かった理由を紹介します。

  1. 車検費用が負担

  2. 駐車場代やガソリン代が負担

  3. 家族人数の減少

  4. 収入の減少

  5. 使う用途がなくなった

4.の「収入減少」を理由にあげている人は2021年調査で増えています。前回の調査は2019年で新型コロナウイルス感染拡大前になるので影響があるのかもしれません。収入の減少は車検費用、ガソリン代、駐車場代が負担といった理由にも関係ありそうです。
また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響は公共交通機関から接触をさけた車へシフトした人も増えたと考えられますが、遠方への外出が減ったなどが影響し「使う用途がなくなった」と答えた人も増えているように思います。

若年層分析で、免許証を持っていない人が答える免許不要理由に最も多かったのは、「他の交通手段を使えばいい」というものでした。上位の理由には、「自分の生活に車が必要ない」「免許の取得にお金がかかる」といった回答も多くありました。

※一般財団法人自動車工業会_乗用車市場動向調査

都市部で車を所有する人が少ない理由

一般財団法人自動車検査登録情報協会が公開する2022年度の自家用乗用車の世帯当たり普及台数から一世帯当たりの車所有台数が多い都道府県と少ない都道府県を紹介します。

【多い都道府県】
1位 福井県 1.708台
2位 富山県 1.652台
3位 山形県 1.642台
4位 群馬県 1.593台
5位 栃木県 1.572台

【少ない都道府県】
1位 東京都 0.421台
2位 大阪府 0.627台
3位 神奈川県 0.684台
4位 京都府 0.807台
5位 兵庫県 0.896台

都市部では電車やバスなどの公共交通機関がしっかり整備されており、車がなくても交通手段に困らないといったことが車が必要ないと感じる人も多い理由の1つです。

また、都市部で車での移動は交通量が多いため渋滞に巻き込まれることが増えます。渋滞に巻き込まれて時間をロスしてしまうストレスなどを考えると都市部では必ずしも車が快適な移動手段とは言えないのかもしれません。

さらに、都市部では駐車場代が高いですよね。
東京23区で駐車場を借りようと思うと場所によって異なり、平均相場は3万円~5万円ほどになります。車を所有すると車庫証明書が必要ですから、自宅に駐車スペースがない人は月極の駐車場などを借りる必要があります。地方では、5千円ほどで借りられる場所があることを考えると車を停めておくだけで驚く金額ですよね。そして、コインパーキングの値段も高いです。

そして、都心部は生活に必要なものは車で買い物にでかけなくても購入する事が可能な範囲に店舗があることが多いです。このような理由から都市部では車がないことによる不便を感じる人が少ないように思います。

レンタカーやカーシェアリングの普及も影響ありそうですよね。車を所有しなくても必要な時に借りて乗るといった新しい考え方が広がってきたことが大きそうです。

車を所有しているという人も所有の方法が多様化しています。カーリースや車のサブスクリプションといった方法を利用し車を所有しているという人も増えてきました。カーリースや車のサブスクリプションといった方法は車を保有しているようで借りている新しい所有の仕方です。このような方法で車を所有することで大きな家計負担となる「車の維持費」を減らすことに成功している人もいます。

車は「所有」から「利用」へ

一昔前はモノを持つことがステータスなこともあり、車はその最たるもののひとつでした。しかし、時代の流れは定額払いが主流で動画の見放題やブランド品のレンタル、普段の洋服に至るまで「買う(所有)」から「借りる」に人々の常識が移行しつつあります。

今はまだ都市部のみの話のように思えますが、これからも新しいサービスが出てくれば広い地域で車も購入して「所有」するというスタイルからレンタルのような形で「利用」するという方法を選択する人が増えるかもしれませんね。

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