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日常ツイートに使えるラテン語表現

以前趣味でラテン語ツイートをしていたときによく使っていた表現や現代の会話に実用的と思われるものをまとめる。

参考にした辞書は研究社の「羅和辞典 改訂版」とHMHの「Cassell's Latin Dictionary」で、長音記号の表記は主に前者に倣った。
また適宜辞書サイトWiktionaryやWikipediaのラテン語版サイトVicipaediaからも語彙を補った。

現代の語彙に対応するため古典ラテン語から現代ラテン語までの単語や語法が混合している。あくまで道楽であり学術的根拠のないことには注意されたい。付記するカナ表記は古典式発音に則っているが、発音記号ほど正確ではなく便宜的なものである。

日常生活

Cafaeum cum lacte pōtō.

読み:カファエウム・クム・ラクテ・ポートー
英訳:I drink coffee with milk.
和訳:私はカフェオレを飲む。
ブラック派は"cum lacte"の部分を削ればよい。
紅茶党の場合は"Cafaeum"を”Theam”に置き換える。
※thea, -ae, f. : tea
尚、「飲む」という動詞pōtō, -āreは同意語bibo, -ereと替えても問題ないと思われる。また一気に飲み干すというニュアンスを表現したい場合はhauriō, -īreも使える。

Ē somnō experrectus sum.

読み:エー・ソムノー・エクスペルレクトゥス・スム
英訳:I have woken up (from sleep).
和訳:起きた。
ēはexでも可。
"experrectus sum"でexpergiscor, -scī (dep)の完了形。デポーネントのため受動態の形で能動態の意味になる。
代替表現にsuscitor (pass)>suscitō, -āre : awaken, evigilō, -āre : wake up など

Cubitum eō.

読み:クビトゥム・エオー
英訳:I go to bed.
和訳:就寝。
目的分詞の例文に頻出する表現。
cubitumはcubō, -āreの目的分詞の対格で、逐語的には「寝るために」という目的を表す。

Lavor.

読み:ラウォル
英訳:I bathe (take a bath).
和訳:入浴する。
lavorはlavō, -āre : wash の受動態。能動態のままでも同意。

Taedet mē.

読み:タエデト・メー
英訳:It bores me. (= I am bored.)
和訳:退屈だ。
taedet, -ēreは非人称的に使われる。属格や不定法を補って、~にうんざりしているという意味にもなる。

Forās eō.

読み:フォラース・エオー
英訳:I go outside.
和訳:外出する。
eōはexeōとしてもよい。"forās"は戸外へという意味の副詞である。

In hortīs ambulō.

読み:イン・ホルティース・アンブロー
英訳:I take a walk in the park.
和訳:公園を散歩する。
hortus, -ī, m. : garden は複数形で公園という意味があるらしい。
"ambulō"は英語の"amble"の語源と思われる。

Domum redeō.

読み:ドムム・レデオー
英訳:I go back home.
和訳:帰宅する。
動詞はrevertor, -vertī (dep)でも代替可。

Labōrāre nōlō.

読み:ラボーラーレ・ノーロー
英訳:I don't want to work.
和訳:働きたくない。
"labōrāre"の部分を他の動詞の不定法で置き換えればやりたくないことを表現できる。頻出表現。

Pecūniam volō.

読み:ペクーニアム・ウォロー
英訳:I want money.
和訳:お金が欲しい。
目的部に不定法を補って具体的な願望(~したい)を表すこともできる。

自然現象

Calidum est.

読み:カリドゥム・エスト
英訳:It is hot.
和訳:暑い。
"calidum"を”frīgidum"と置き換えれば寒いという意味になる。天候に関する表現のため非人称的にしたが用例は確認していない。"āēr, āeris, m. : air" などを主語に置いてそれに性を対応させたほうが良いかもしれない。

Pluit.

読み:プルイト
英訳:It is raining.
和訳:雨が降っている。
pluō, -ere は自然現象のため非人称用法。

Tonat.

読み:トナト
英訳:It thunders.
和訳:雷が鳴っている。
tonō, -āre 同上。PCの電源を落とそう。

Terra mōvit.

読み:テッラ・モーウィト
英訳:The earth has moved. (= An earthquake occurred.)
和訳:地震が起こった。
直訳すれば「大地が動いた」。"mōvit"はmoveō, -ēre : move の三人称単数完了形。

自己紹介

Japōnicus sum.

読み:ヤポーニクス・スム
英訳:I am Japanese.
和訳:私は日本人です。
同意語に"Japōnus, -a, -um : Japanese (adj.)"がある。各人の性別に合わせて形容詞の性を使い分ける。

Tōkiī habitō.

読み:トーキイー・ハビトー
英訳:I live in Tokyo.
和訳:東京に住んでいます。
"Tōkiī"は"Tōkium, iī, n. : Tokyo"の地格。調べてみたら意外にも東京のラテン名があった。自分の住む地名を格変化させてみても面白いかもしれない。

Vīgintī quattuor annōs nātus sum.

読み:ウィーギンティー・クワットゥオル・アンノース・ナートゥス・スム
英訳:I am twenty four years old.
和訳:24歳です。
基数詞は1~3と200~900の百の位以外は不変化。女性の場合はnātaになる。

Librōs legere amō.

読み:リブロース・レゲレ・アモー
英訳:I like reading books.
和訳:読書が趣味です。
趣味はシンプルにamōで表せる。愛するという意味のほかに不定法を補って、好んで~するという用法がある。

現代の語彙

Autocīnētum dūcō.

読み:アウトキーネートゥム・ドゥーコー
英訳:I drive a car.
和訳:車を運転する。
自動車を表す語は他に"autoraeda, -ae, f."や”autovehiculum, -ī, n.”がある。私は略してraeda(四輪馬車の意)を多用していた。

Tēlephōnicē colloquor.

読み:テーレポーニケー・コッロクウォル
英訳:I talk on the telephone.
和訳:電話で話す。
電話は"tēlephōnum, -ī, n."。"tēlephōnicē"はその形容詞形の副詞形。
前置詞cumを伴って電話の相手を示すこともできる。

Per Interrēte in etymologiā verbī inquīrō.

読み:ペル・インテッレーテ・イン・エテュモロギアー・ウェルビー・インクウィーロー
英訳:I search the etymology of the word on the Internet.
和訳:ネットで言葉の語源を調べる。
インターネットは"Interrēte, -rētis, n."。”inter”+"rēte, -is, n. : net"から。

Per computātrum programma scrībō.

読み:ペル・コンプタートルム・プログランマ・スクリーボー
英訳:I write a program by computer.
和訳:PCでプログラムを書く。
頭字語PCの元に倣って"persōnāle"をつけてもいいが、冗長なので省略した。

Solum cum pulveris haurītōriō purgō.

読み:ソルム・クム・プルウェリス・ハウリートーリオー・プルゴー
英訳:I clean the floor with a vacuum cleaner.
和訳:掃除機をかける。
掃除機は"pulveris haurītōrium"。ただ長いので「掃除機」を使ったことを強調したいとき以外は略してもよい気がする。

飽きてきたのでこのあたりで終わりにする。
何か疑問や誤りがあればご指摘願いたい。


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