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米国株配当投資のパートナー

私の株式投資の方針は、

 配当のある優良株に投資して永久保有し、配当を受け取り続ける

です。

この方針のもと、日本の企業(大企業中心)、米国企業に分散投資しています。米国株に関しては、SBI証券、マネックス証券、楽天証券、松井証券の4つのネット証券を利用しています。この記事は、

 米国株の配当を長期にわたって受け取り続ける場合の証券会社ランキング

です。



結論

 1位:SBI証券
 2位:マネックス証券
 ランク外:楽天証券松井証券

楽天証券と松井証券はランク外、つまり配当の受け取り口として不適格と私は考えています。理由は後述します。


SBI証券を推す理由

SBI証券を推す理由は単純です。手取り額がいちばん多いから。

配当には税金が課されます。外国株の場合は企業の所在地(外国)で課税され、さらに日本国政府によって課税されます。SBI証券は、顧客にもっとも有利な方法で税金計算してくれます。外国企業1社、1回あたりの配当課税額が、SBI証券と楽天証券では最大3セント違います。たとえば10社に投資していてその10社が年4回配当してくれるとしたら、楽天証券での配当の受取額はSBI証券に比べて最大で10社×4回×3セント=$1.20も少なくなる可能性があります。

たった$1.20、かもしれませんが。
もし投資先が10社じゃなく500社なら年間で60ドル。30年間保有し続けるとしたら総額1,800ドル(もちろんこれは最大の場合であって、実際はもっと小さいです。期待値はたぶん900ドルくらい)。預け先でこんなに変わるなら、あえて楽天証券を選ぶ理由はないでしょう。


マネックス証券が2位の理由

SBI証券とマネックス証券の比較では、マネックス証券で配当を受け取った場合、SBI証券に比べて1セント受取額が少なくなる可能性があります。

「それならマネックス証券で配当を受け取る理由はないのでは?」と思うかもしれませんが、マネックス証券では米国株を一定量保有していることで得られる特典があります。この特典、長期にわたるインカムゲインを重視する投資家、つまりファンダメンタルズを重視する投資家にとって非常に価値があるものです。

マネックス証券では、保有米国株の評価額+外国株口座の預り金(円貨+外貨)の合計が5万円以上あると、銘柄スカウター米国株のプロフェッショナル機能が利用できるようになります。プロフェッショナル機能では、

  • 同時に6社を比較可能

  • 10年スクリーニングの詳細条件が10個指定可能、指定条件に制約なし

  • 個別銘柄の過去業績は全期間(2007年~)閲覧可能

です。プロフェッショナル機能が利用できないと、

  • 同時に比較できるのは2社だけ

  • 10年スクリーニングの詳細条件は5個まで指定可能、指定条件に制約あり

  • 個別銘柄の過去業績は直近5期しか閲覧できない

となり、制約が多くて使い勝手が著しく低下します。プロフェッショナル機能を利用するために、5万円相当の米国株(余裕を見て10万円くらい)をマネックス証券で保有しておくことには価値があると思います。(※もちろん個人の感想です😅)

利用できる機能の違いの詳細については以下のWebページを確認してください。


楽天証券がランク外な理由

前項に記載のとおり、SBI証券で配当金を受け取った方が確実に有利だからです。マネックス証券のように、米国株を持っておくことで生じる特典も(私が知る限り)存在しません。


松井証券がランク外な理由

今(2024年4月)は違うかもしれませんが、松井証券が米国株の取り扱いを始めた2022年3月時点では、配当金を米ドルで受け取れませんでした。必ず円貨に転換されてしまいました(SBI、マネックス、楽天の3社は米ドルで配当金を受け取れます)。だから配当金を再投資しようと思ったらまた為替手数料払って米ドルを買わなければいけません。こんなバカな話があるかというわけで、私は松井証券で買い付けた米国株の大半をすでにSBI証券に移管してしまいました。

松井証券に残っているのはスリーエムカンパニーの株が1個だけ。その残った1株、先日Solventumがスリーエムからスピンオフされた時に特定口座から一般口座に移管されていました。スピンオフされたSolventumではなく分離元のスリーエムが。特定口座を利用する最大の理由は税金計算の手間を省くことでしょう。スピンオフという投資先の都合で気づいたら一般口座に移されていた、というのはどう考えても嫌でしょう。

マネックス証券にあるスリーエムの株式は特定口座にある状態が維持されていますから、松井証券の資産管理仕様が明らかに劣っています。


各社の税金の計算方法の違い

前述のとおり、外国株式の配当金には、

  1. その企業のある国での課税(外国税、USAの場合は10%)

  2. 日本国内での課税(所得税15.315%+住民税5%)

が課されます。


外国税の計算

SBI証券でUSAの企業の配当を受け取った場合、受取配当額の10%(端数切捨て)が課税されます。一方、マネックス証券、楽天証券では、受取配当額の10%(端数は四捨五入)が課税されます。

たとえば受取配当額が9.99ドルの場合、その10%は0.999ドルです。SBI証券では1セント未満を切り捨てて0.99ドルの税金が差し引かれます。一方、マネックス証券、楽天証券では1セント未満を四捨五入して1ドルの税金が差し引かれます。

つまり、外国税の計算で1セントの差が生じる可能性があります。


日本国内での税金の計算

外国税を差し引いた金額に対し、15.315%の所得税と5%の住民税がかかりますが、この税金は円貨で支払う必要があります。そのため、

  1. 受取配当から外国税を差し引いた金額($${X}$$ドル)

  2. 配当受取時点での為替レート$${P}$$で円に換算した外国税引後配当額($${X_j}$$円)

  3. $${X_j}$$に対する所得税=$${X_j}$$円×15.315%($${Y_j}$$円)

  4. $${X_j}$$に対する住民税=$${X_j}$$円×5%($${Z_j}$$円)

  5. $${Y_j}$$円に相当するドル$${Y}$$=$${Y_j}$$/$${P}$$ドル

  6. $${Z_j}$$円に相当するドル$${Z}$$= $${Z_j}$$/$${P}$$ドル

を順番に計算し、税金として$${Y+Z}$$ドルが差し引かれ、投資家には$${X-(Y+Z)}$$ドルが支払われます。

以降の記載は各証券会社からの配当金計算書の金額からの推定です(各証券会社に厳密な計算式を問い合わせたわけではないです)が、おそらくSBI証券とマネックス証券は端数が生じる可能性のある2~6の計算すべてで端数を切り捨てています。一方、楽天証券は5と6の計算で端数切捨てではなく端数を四捨五入をしている模様です。

その結果、楽天証券ではドル換算での国内所得税額、国内住民税額が、SBI証券やマネックス証券に比べてそれぞれ1セントずつ多くなってしまう可能性があります。不合理なわけじゃないけど、なんか楽天ってヤだなあ、と思ってしまうのは致し方ないでしょう。



というわけで、SBI証券と楽天証券の両方で同じ銘柄を同数だけ保有していたとしても、外国税、国内の所得税と住民税を合算すると楽天証券での受け取り配当額は1銘柄あたり1回最大3セント少なくなる可能性があるのです。


補遺

見出し画像について

この記事の見出し画像は、ダウ工業平均に採用されている30社の本社がある州を示しています。

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