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マーケティングオートメーションっていつ導入するのが最適なの?

今回は皆さんからのアンケートやコメントをもとにnoteを書いてみます。
元々この相談かなりいただいていて、年間で30-40件はあると思います。
回答しようと思うとどうしても自分の経験則やよく言われているのは〜といったものになってしまうので協力いただいたものをまとめてみます。

アンケート結果

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Twitterでアンケートをとってみたところ上記のような結果になりました。

事前の想定との差異
・想像以上に1,000以下が多かった
・想像以上に50,000以上が多かった

もう少し5,000と10,000によるかなーと思ってました。
理由はシンプルでそこまで無いとやる意味がないし、CRM側の機能でカバーできることがほとんどだからです。
これはメール送信できる量もありますし、そこまでプロセスが複雑にならないのでISやマーケが手動で担っても十分機能します。

それでもなぜMAが必要なのか?色々な方からコメントもらったのでいくつか引用させていただきます。

色々な方のご意見

元HubSpot とぐりんことを戸栗さん
現在は各社のB2Bマーケのご支援もなさってますのでこのご意見はMAベンダーとしてのもの、ではないと思います。

ここでのポイントは新規リードの増加量。機能が2つあって、新規リードが一定数流入していないとメールするだけになってしまって間違いとのこと。

続いてはMtameの次郎ちゃんこと田中さん
次郎ちゃんはMAツールの #BowNow の責任者でもあります。

戸栗さんの意見に近いですね。売上への影響だけなら5,000は欲しい。
ここでは文化と表現されていますが、ログを溜めてマーケに活用する、リード活用への良い影響があるのでそこまで活用できるなら早めでも良い、と。

次はMM総研 執行役員のよねやんこと米田さん

よねやんは期待効果を4つに分類してくれました。
顧客の行動把握や対応履歴の管理が目的であればリード数は関係ない
一方でスコアリングや自動アクションを設計するならリソース次第。

続いてはChatworkの小西さん
小西さんはリクルートさんやNTTデータさんなどをご経験されています。

5,000までであれば手動でも十分できる。ポイントなのは以下ですね。
業務プロセスが固まっていないとまたやり直しになる”。
まさにですね。私も何度もやり直しましたし、見てきました。

数字とご意見からの考察

MAの用途は主に3つ。
※これ以外にもいろいろありますが今回は割愛します。

A : ハウスリスト(顧客も未顧客も含む)へのマーケティング活動への活用
 →主にコンテンツを送り反応を考慮して最適化していく

B : リードから商談機会を獲得するための営業活動への活用
 →Webでの動きや各種スコアから興味関心を把握してアプローチする

C : 各種データを活用しターゲティングなどの戦略策定への活用
 →データを解析し仮説構築、またその仮説を検証する

今回の問は”ハウスリスト何件からが正しいですか?”というものですが、回答からもわかるようにそのリストに対するマーケティング活動だけを考慮するのであれば5,000以上は必要である、という結論で違和感ありません。

つまり、5,000以下で導入する場合にはそれ以外の理由(活用する意味やメリット)があるということです。

例えばBのような営業活動に活用する場合です。これはリードからの商談獲得率の向上に寄与します。顧客がどういった内容に興味があるのか、ないのか。またリアクションをリアルタイムに掴むことができますので少なからず率には良い影響を与えます。

また、商談にも効果的です。商談相手がどんな情報に興味があるのか?それはいつ見たのか、送った資料に目を通したか、などの情報を得ることができます。相手の頭の中の一片を把握することができるのは大きいです。

以下の場合もリストの大小に関わらず導入する意味があります。

・Vertical SaaS(業界特化SaaS)で市場が限定的
・顧客が大手で商談単価が大きい
・既存顧客からのクロスセルアップセルが見込みやすい

市場が限定的であればあるほどリストを焼き畑にすることはできませんし、そもそもそこまで大量のリードを獲得できるとは限りません。この場合は選択肢はいつ使うか、ではなく使うか使わないか、となります。

また、商談単価が大きい場合は返ってくる売上と利益が大きくなりますので投資対効果は釣り合う可能性が高いです。
商談単価が大きい場合は複数の登場人物とコミュニケーションをしていきますが、その一人ひとりの行動を把握することで営業活動を円滑にする、といったシーンにも活用することができます。

MAの活用シーンとして見逃されがちなのが既存顧客への活用です。このnoteが長くなりすぎるので割愛しますがすぐに成果を出したいなら既存顧客に活用するのが吉、です。ただし新規と同様のリソースが必要なのでそこは覚悟してください。

まとめ

ここまでの内容をアンケートと皆さんからのコメントをもとにまとめます。
私としては納得感がありますが、あくまでも個人の考察です。

・基本の目安になるのは5,000件以上のハウスリスト
・加えて一定数の新規リードが流入している状態
・上記より少ない場合にはそれ相応の理由が必要
 →営業活動への活用で率転換を改善したい
 →そもそも市場が限定的
 →顧客単価が大きく採算が合う
 →既存顧客からのクロスセル/アップセルに活用する

MAを使う上での必須要件

最後に私が思う必須要件を列挙しておきます。MAは非常に便利ではありますが魔法のツールではありません。また、たまに勘違いされますがMAを入れるとマーケの仕事は増えますし、簡単にうまくいく代物ではありません。

1. マーケティング・プロセス・オートメーションなのでそもそもマーケティングの型が定まっていないと機能しない
2. MAは片手間でできるようなものではないので必ず専任者を設置する
3. コンテンツを月間10本以上生産できなければ陳腐化する

こういったことをお伝えすると「そこまで複雑なことはしないから」とおっしゃる方がいますが、それならばそもそもMAは不要です

最も避けていただきたいのは”不用意に自動化することで顧客や見込み顧客へのコミュニケーションを雑にしてほしくない”ということです。

皆さんが顧客側に立ったとき、読みたいメールは何件届いてますか?
自戒を込めてこの問いで締めたいと思います。

お読みいただきまして、ありがとうございました。

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