PCでDJをするには「02.楽曲の仕込みについて」

はじめに

こんにちは。横浜を中心に年間100本ほどDJをしているinouwyeです。前回は「PCでDJをするには「01.現状の機材構成とその理由、そしておすすめの機材」という記事でざっくりとおすすめの機材とその理由を書きました。今回は楽曲の仕込みについて書いていこうと思います。

楽曲ファイルの入手方法

楽曲ファイルをゲットするには大まかに2つあって、
・CDやレコードからリッピング
・楽曲販売サイトでファイルを購入
の2つです。

CDからリッピング

お手元のCDやレコードからパソコンで再生できる形式のファイルに変換することをリッピングと言います。CDからリッピングするのに一番簡単なのはiTunes(いまは"ミュージック")を使うことです。

ここで気を付けないといけないのはiTunesの読み込み設定が初期設定のままだと、mp3の160kbps(もしくは192kbps)になっている事です。mp3は非可逆圧縮形式なので元のデータから色々と間引いていて、諸説ありますが192kbpsくらいだと単純に劣化していると考えてもらって大丈夫です。自宅で小さいスピーカーで聴いてる分には大丈夫ですが、現場の大きい音で鳴らすとおや?となる音質です。mp3で取り込む際はビットレート(品質)をカスタムで320kbpsにしてください。

おすすめの取り込み設定は非圧縮形式のAIFFです。もうひとつWAVという規格がありますが、規格自体が古く、楽曲のさまざまな情報(アーティスト名、アルバム名、アルバムジャケット……)をWAVファイル自体に保存出来ないという弱点があるのでおすすめしません。

おすすめはAIFF形式、44.1kHz、16ビット、ステレオの取り込み設定です。

私は毎度iTunesを立ち上げるのが、ソフト自体が重くてめんどくさいのでX Lossless Decoderというソフトを使って取り込み、ある程度エンコードしたデータが溜まったらiTunesに放り込んでます。

レコードからリッピング(というか録音)

レコードから録音するにはレコードプレーヤー、針、オーディオインターフェース……などなどが必要なことと、録音後の整音作業にDAW知識が必要なので、とりあえずはおすすめしません。そういうのが得意な周りの人にやってもらいましょう。まずはCDかデータ販売サイトで楽曲を探すのが良いかと。

楽曲販売サイト

iTunes Store、Amazon、Beatport、Bandcamp、djcityなどなど調べれば色々ありますのでお好きな所を探してみると良いと思います。購入時のファイル形式だけ気をつけてください。

楽曲の事前調整

さて楽曲ファイルが準備出来ました。ではDJソフトに読み込ませましょう……の前にやっておくとちょっと幸せになる作業があります。
・音量調整
・keyの解析
の2つです。

音量調整(Platinum Notes $98)

ここでいきなり課金アイテム(Platinum Notes)が出てきますが、DAW的な知識がない人は素直に課金した方が幸せになれます。

楽曲はそれぞれ時代もジャンルも作業者も違うので音量感が全部バラバラです。このソフトは楽曲ファイルをまとめてぶち込むと、音量感を一定のレベル(ソフト内で設定できます)に揃えてくれるソフトです。

YouTubeを観ていてもそれぞれ動画の音量って違うし、広告の音ががドワーっと大きくて本編になると小さいなと感じて音量を上げたり下げたりいじるのめんどくさいじゃないですか。DJ中も同じような事は起きていて、今かかってる曲と次にかける曲を交互に聴いてTRIMないしEQで違和感なく調整する作業が入ります。急に音量が大きかったり小さかったりするとフロアがびっくりします(あえてやることもあります)ので、毎度調整をするわけなんですが、それが両チャンネルのTRIMが同じであればほとんど(ほとんどです。完璧じゃないです)事前に終えられるので音量事故が起きづらくなります。

音量と音圧ってまた違うので、完全に信じてはいけないですが、ほぼほぼ整えてくれるのでおすすめです。DAWの知識がある人はファイル毎に自分で作業しても良いですが、それを何千曲とやるってなるとけっこうシビれますよね。

keyの解析(Mixed In Key $58)

また課金アイテム(Mixed In Key)です。楽曲にはそれぞれ基調となるKey(調性)があって、曲をミックスするときに両方のkeyが良い感じだと、両方の楽曲がハーモニー的に混ざるので良いよね。なのでそれを気にしようねっていう「ハーモニックミキシング」という技術があります。特にロングミックスをする四つ打ち系DJになるのであれば念頭に置いておいたほうが良い概念です。

それぞれのDJソフトにはkeyを解析する機能が付いているのですが、このMixed In Keyに比べると正答率がかなり劣るので$58払った方が幸せになります。自分でキーボード叩いてkeyを調べても良いですが、それが何千曲となると作業時間が相当なことになるので課金おすすめです。

ハーモニックミキシングは必ずしもしなければいけない事ではないですが、楽曲の情報をきちんとしておくと後々の都合が良いです。あとMixed In Keyで解析すると勝手にCue(楽曲内の目次的なもの)を打ってくれます。この自動Cue機能を私は使ってないですが、便利なことは便利かもしれません。

楽曲購入orリッピング→Platinum Noteに突っ込む→(PNで処理されたファイルを)Mixed In Keyで解析→各種DJソフトへ……という流れです

おわりに

まだDJソフトの解説にたどり着いてないのですが、ひとまずこの記事はここで終わります。ようやっと次回からRekordboxの解説に入ります。

今日、紹介した2つのソフトは同じ会社から出ていて、たまにセールもやっているので安い時に買えるとラッキーですね。

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