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【ウクライナ情勢:考察】ロシア軍は本当に"無能"なのか。なぜロシア軍は動かないのか。長期戦になればダメージはロシアに来るのは分かり切っているはずだ。

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 私は軍事専門家でもなければ、国際政治研究家でもありません。一市民としてお読みいただければ幸いです。

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 2022/3/13(日)。ロシア軍が首都キエフを包囲しているだけで、侵攻する様子を見せなくなってから三日ほどが過ぎた。今でも包囲しているだけで、動く様子は全く見られない。ウクライナ西部でも攻撃が始まったと報道されているが、南東部のマリウポリから送られてくる映像などと比べると、全く比にはならない。

 ロシア軍が動かないのだ。不気味なほどに。前回、『【ウクライナ情勢:考証】なぜロシア軍はキエフに進軍しないのか?』(https://kakuyomu.jp/works/16816452221466841294/episodes/16816927861507379806)においてツイッターでアンケートを行った。『なぜロシア軍は包囲するだけでキエフに進軍しないのか』という問いである。その中で一番面白かったのが「北京パラリンピックが終わるのを待っている」というものだった。なるほど、と思った。オリンピック憲章には、『またその目的は、人間の尊厳を保つことに重きを置く平和な社会の確立を奨励することにある。』参照-JOC-オリンピズム(https://www.joc.or.jp/olympism/charter/konpon_gensoku.html)とある。これはパラリンピックにも有効であるだろうことは予測される。要は中国に忖度してロシア軍は攻撃をある程度抑えている、という見方もある。

 このロシア軍の停滞のうちにNATO側の、特にヨーロッパの要衝国家であるフランスとドイツは、プーチン大統領に幾度となく電話会談を行い、即刻停戦を求める動きを見せたが、プーチン大統領の返答はNO。止める気はないということだ。ロシアはウクライナ侵攻のことを、毎度のように『特別な軍事作戦』と呼んでいることが非常に気になる。ウクライナ侵略ないしはウクライナ現政権を転覆させることが最終的な狙いであるとは一言も発していないのだ。

 しかし、ロシア軍が停滞しているなかで、オリガルヒへの国際的な圧力は増し、ロシア国内の国民にも深刻な打撃を与えるかのような経済制裁を強めている。そして、資本主義の中での勝者──マクドナルドなどグローバル企業が相次いでロシア国内から撤退する動きを見せているのが、もしかしたら各国の経済制裁よりも、ロシア国民からしたらよっぽど強力な経済措置となっているのかもしれない。ゆっくりとロシア軍が停滞し続ければ続けるほど、経済的なダメージが国民の負担になっていくのは容易に理解できる。

 なぜロシア軍は動かないのか。ロシア軍は無能なのか。プロパガンダであることは承知の上でゼレンスキー大統領の最新の動画──「ウクライナがロシア軍に勝利する日は近い」は本当に訪れるのだろうか。「電撃戦に失敗したロシア軍は無能だった」とする──これもアメリカのプロパガンダであることも承知の上で──CIA長官のバーンズ氏の発言の通り、ロシア軍は無能だったのか。それで終わるのか。

 プーチン大統領とルカチェンコ大統領が会談を行う様子がニュースで流れた。第二次大戦時のドイツとイタリアの二か国だけの孤立した会談が思い浮かんだ。このままロシアはベラルーシと共に沈んでいくだけなのか。侵攻が長期戦になればなるほど、ロシアにとっては痛手にしかならないと思うのは私だけなのだろうか。

 願わくば即時撤退と停戦合意に踏み切ってほしいのは、一人の人間として当たり前に思う願望ではある。

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