未来予測が可能だったら、社会はどうなるか?

SFのアイディアに頻出するのが、「未来予測」です。未来を予測して、うまく立ち回りたいと思う人は多いからです。

アイザック・アシモフ は、未来予測が可能になった社会を考えました。

この小説のめんどうくさい設定を全部書くと数千字になってしまうので、結論だけ言うと、「未来予測が可能だと信じる人が多くなると、未来予測はできなくなる」のです。

未来が予測できないからこそ、人々は、危険を冒して冒険や投資をするのです。ひとりひとりの行動は予測できないが、人間集団の動向を統計的に取り扱うことはできる。モデルは統計力学の気体分子運動論です。

しかしながら、未来は予測できる、確定していると思うと、人々はリスクを取らず、何もしなくなってしまうのです。未来予測が行動に影響してしまうならば、もう予測にならない。ここは気体分子と人間とのちがいです。

人々を未来不確実な状況においたときにのみ、未来予測が可能になるというのが、アシモフのアイディアでした。

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