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三成は死に所を得た


石田三成が関ヶ原で敗死して、さらに30年も経ってから、ある大名の密命を受けた男が、その事績を調べて回るという設定。

チャプターごとに別の人物が、石田三成の人となりを語る。
この章では、北政所こと、ねね殿の侍女をしていた人物が三成について語る。

石田三成は関ヶ原直後に41歳で死んだが不幸ではないし、北政所は関ヶ原から20年後、76歳まで生きたが幸福でもなかったという。

石田三成は豊臣秀吉しか使い道を見出せなかった人物で、その秀吉が死んだのだから、もはや、生きている価値もなく、そのわずか2年後に死んでしまったのは、ちょうどいい死に時だった。

北政所はたまたま長命だったが、秀吉と共に築いた豊臣家が滅亡するのを見ていなければならなかった。

老尼の話だから、厭世的になるのは仕方がないんだが、人にはちょうどいい死に時があるという意見。

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