30代独身女性が考える終活の話

いきなりですが、「死」についてです。

独身で子どもがいない自分にとって、「孤独死」は他人ごとではありません。結構真剣に、4畳半のアパートで一人さびしく死ぬのだろうなぁと、漠然と思っていました。でもそれって、自分が家族を作らなかったのがいけないのであって、いわば自業自得なわけだから仕方がなかろうと。死んだ後は意識もないわけだし、とも。

でも、最近「死」「葬儀」についての本を読んだところ、考えが一変しました。

特殊清掃というのはあれです、殺人事件や自殺、孤独死などがおきた現場(主に賃貸物件)を清掃し、元通り住める状態に回復することです。肉体というのは本当にはかないもので、血液の循環が止まった瞬間に腐敗が始まり、放置すると体液が染み出してドロドロになってしまうそうです(文字だけでもグロい)。特に夏場やお風呂を沸かした浴室で亡くなるとひどいことになり、室内に染み込んだ体液と悪臭を完全に除去するのには、大変な時間と労力がかかるそうです……。

まず、自分が孤独死したことで、仕事とはいえ知らない誰かにそんな辛い思いをさせてしまうということが申し訳ない。ただの掃除ではない、他人の人生を丸ごと整理して処分するような、ものすごく辛い作業だと思います。まぁ、業界の皆さんはいちいち気持ち悪がってはいないようですし、効率よくかつ完璧な仕事をするために工夫をされているようで、読んでいて「どんな仕事にも一流はいるものだなぁ」と感銘を受けたのですが。

同時に、特殊清掃にかかるお金が残された人の負担になるということも、改めてわかりました。仮にアパートの一室で孤独死した場合、状態によっては数十万~数百万という費用が発生します。多くの場合遺族が払うことになるそうですが、生前の関わりがほとんどない場合などは支払いを拒否されて、大家さんや管理会社と揉めるケースも少なくないそうです。

さらに、死後3日とか一週間とか経ってから発見された場合、あまりのひどさにお別れに来てくれた人に「うわぁ…」という最悪な記憶を残してしまいますし、もっとひどい場合は関係者から「顔は見ないでやってください…」とかいう配慮をされる可能性すらあります。

……地獄じゃん。

この話、別に数十年先に限った話ではありません。若くたって突然死ってある。不慮の事故や病気で、明日、いや今夜自宅で死ぬ可能性だってある。会社員なら無断欠勤が続いて自宅まで様子を見に来てもらえるかもしれませんが、自宅で仕事する人の場合、いつ異常に気づいてもらえるかわかりません。

そして独身に限った話でもなく、これから家族を作ったとしても、イコール孤独死しないとはならないわけです。離婚するかもしれないし、育てた子供が自分の面倒を見てくれるかどうかなんてわからない。

つまり、孤独死は、誰でも、いつでも、ありえるということなのです。

ここまで実感して、二つのことを考えました。

孤独死すると、

(1)残された人に、特殊清掃の労力と費用で負担をかけてしまう

(2)遺体の状態がひどいと、お別れに来てくれた人に会ってもらえない

「死んだら無意識だからオールオッケー」とかいう無責任な考えはもはやなく、自分が死んだ後、身内だろうが他人だろうが、誰かに精神的、肉体的、経済的な負担をかけることは、極力避けたい。そして、できるだけ綺麗な状態で、最期のお別れをしたい。そう思うようになりました(別に死期が近いわけではないですが)。

生きているうちに、できる準備はしておかなきゃなと考え、少し調べたところいいなと思ったのが、これです。

高齢者向けの見守り家電や訪問サービスはかなり充実している一方で、若年層向けのサービスは少ないんですね。健康上の心配が全くないのに、毎日毎日「生きてるよ」と家族にピロピロ通知がいくのもうざったいだろうし、地域のコミュニティに参加するもなにも、ありがたいことに友だちは多いのでその必要はありません。要は、「何か異変が起きてる」というときに、近しい人に通知さえしてもらえれば良いかなと思うのです。無料なので、とりあえず登録してみようと思います。

葬儀では、友達として付き合ってくれた人に、わたしらしいお別れをしたい。でも、皆さんのスケジュールを乱してまで来てもらうのはしのびない。だから、例えば1週間程度の「お別れウィーク」を開催して、皆さんのご都合のよいときに、ちょっと足をお運びいただきたいのです。そのためには、遺体の状態を長期間、美しく保ってくれる「エンバーミング」を希望。

これ良くないですか!?棺に入らず、椅子に座った状態で参列者をお迎えすることもできるのだとか。どういう姿でお別れするかも、自由なのです。

結婚式という節目の予定がない分、「愛してくれて、ありがとう」は最期のときこそ伝えたいんですよね。

なんだかんだで結局考えたのは、今わたしと付き合ってくれている家族や友人への感謝。大事だから、迷惑をかけたくない。きちんとお別れしたい。そんな気持ちに改めて気づかされました(本当に死にそうな人みたい)。

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