vol.6原稿のチェックポイント

【ナレーション原稿は「変化するもの」】

TVナレーションは『原稿はその日の本番直前にもらう』。メルマガでは何度もとりあげましたね^^;

現場入りしてもまだVTRが出来上がってないこともしばしば。稽古できません。

読んでからの文言変更もたくさん。これはドキュメントの現場でも、バラエティの現場でも同じだと思います。

「さらに面白く」「不確定な情報だからやっぱり違う言い回しに」「思ったより尺がないので」などなど。

「反射力」を鍛えることはTVナレーターに必須です。

普段の練習で「初見の反射」や「急なディレクションへの対応」に取り組んでおくと現場の評価が違ってくると思います。

その「反射」をするために、ほんのすこしだけ準備できることもあるんです。

それが原稿チェックです。


【(1)固有名詞を確認】

まずは固有名詞のチェック!人名、地名、商品名など。

たまにですが「原稿の段階ですでに間違ってる」こともあります。

それもそのはず、徹夜明けのADがモーローとしながらも頑張ってタイピングしてくれているからなのです。

なのであえて「高木はタカキ?タカギ?」などと声に出して聞いてあげると、まだ元気なスタッフが間違いに気づくことができる(笑)ので、現場に貢献できますね。知らない言葉であれば、ついでにアクセントの確認も。


【(2)原稿は自分流に直す】

原稿って勝手に変えちゃいけないんじゃないの?と教わってきた人もいるかもしれません。

でも実際のテレビ番組の現で場は「作家の原案を元に、Dが直したものを、ADがタイピングして」います。

単なる書き癖やリズムで句読点や感嘆符を打っちゃうスタッフも多いです。DやADは映像の専門家であって「文章の専門家ではない」ですからね。

だからこそ『専門家であるナレーターが率先してチェックしてあげる』ことで、現場に貢献できます。

ベテランスタッフの中には「一言一句変えてはいけないこだわり派」がいるかもしれません。でも少なくとも僕は会ったことないですし、多くのスタッフは「そっちの方がいいッス!助かったッス!」という感じ^^;

自信をもって「よりよい作品創りのため提案」として自分流に読みましょう。



【A・改行】

長文は、意味がつながってるのに改行されてる場合も多いので、改行にまどわされずに意味を把握しておきます。

【B・句読点】
句読点(間)については、本来、黙読と音読では打つ場所が変わってしかるべきです。「耳できいた場合」をイメージして句読点の位置を直しましょう。



僕個人は「間(句読点)をどこにおくかが表現そのもの」だと思っています。

だからフレキシブルな状態で、気持ちの流れを大事に、その都度句読点の場所を変えたい。

ですが人間は「目でみた情報に影響されやすい」ので、原稿上の句読点を守ってしまい、結果”何回読んでも同じ読み”になってしまいがち。これではディレクションに答えられません。

「読みをきいたうえでのディレクション」にさらに反射していくためにも、原稿上の句読点を無視する癖をつけておくと便利です。

(余談ですが、読みにNGが出た時などは「句読点の場所を変えるだけで」すぐに読みの印象を変えることができますよ)



【C・感嘆符】

どバラエティ系の場合「感嘆符」は特にポイントです。

映像のリズム感を表現したいディレクターのアツい気持が溢れるのか[!][?!][・・・]などが連発。

こういった場合も、「安直に!の所だから叫ぶ」などと準備していると、語尾がずっと同じ読みになってしまったり、逆に「原稿では[。]になってるけど[!]っぽい言い方をしたほうが良い時に対応できない」などになります。

[!]の表現には「息をのむ緊張感」など、数多くの表現ができる「オイシイ勝負所」なのです。


普段から引き出しを増やしておくと楽しいですよ。

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