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ホワイトゴースト味クッキー、その青春

今回はクッキーラン: オーブンブレイクの話です。

夏といえばホラーですが、『学校の怪談話』、盛り上がってますね。

クッキーランのホラーといえば「ホラーと見せかけてほのぼの話、と見せかけてよく読むと何かおかしい……」蜘蛛館(注1)が代表格です。

さて今回の舞台は誰もいないはずの廃校。

しかしイベントを進めるにつれて、ステージ選択画面で謎の人影が現れるなど不穏さが徐々に増していきます。

一体何者なのか……蜘蛛館の再来では……固唾を飲んで見守るプレイヤーの前に現れたのは……

ホワイトゴースト味クッキー!!!!

とてもかわいい

かわいいですね。この意表をつくかわいらしさ、Twitterタイムラインが一気にざわつきました。日本はおろか世界中で大人気、彼女が書かれたイラストは数千を越えるいいねが集まります。

そんな大人気の彼女、そしてパートナーの黒にんにく味クッキーについて考察してみたいと思います。


!!! CAUTION !!!
ここから先はストーリーのネタバレを含みます。


謎の文章

オバケに並々ならぬ情熱を燃やし、廃校に現れた黒にんにく味クッキー。心霊系Cootuberですね。そんな彼女のクッキーチャレンジには以下の文章が隠されています。

よく読むと……よく読まなくても文章

一覧にすると以下の通りです。

①Hello♡Black Garlic♡
②Can you see me?
③Do you wanna play with me?
④You made my day
⑤Goodbye Black Garlic

 クッキーチャレンジ(黒にんにく味クッキー)より

訳すと次のようになります。

①こんにちは 黒にんにく味クッキー
②私が見えるの?
③私と一緒に遊ぶ?
④楽しい一日だったわ
⑤さようなら 黒にんにく味クッキー

(同上)

ちなみにハードモードでも同じです。

この文章は何なのか

普通に考えれば、「黒にんにく味クッキーのクッキーチャレンジはホワイトゴースト味クッキーと遊んでいる」という見方が妥当かもしれません。

しかしおかしな点があります。黒にんにく味クッキーのチャレンジにホワイトゴースト味クッキーは出てこないのです。ではこの文章は何なのか。

私は黒にんにく味クッキーの思い出の回想だと解釈しています。二人の過去を整理してみましょう。重要なのは以下の2つの会話です。

「卒業前に部員がひとり入ってきた」
「いつもひとりだった…私みたいに…」

時系列順に整理すると以下の通りです。

  1. 昔、心霊現象で有名なとある学校があった

  2. 黒にんにく味クッキーはそこでずっとひとりぼっちだった

  3. ある日、オバケを見たいという情熱でオバケ部を立ち上げた

  4. 部員は集まらなかったが、卒業前に一人だけクッキーが入部してくれた

こちらを踏まえて、二人の過去を検討しましょう。

思い出の日々

生前

ホワイトゴースト味クッキーは長い間ひとりぼっちでした。自分と同じように孤立している黒にんにく味クッキーに親近感を抱いていました。魂だけとなって校内を徘徊中、たわむれに声をかけます。

「こんにちは 黒にんにく味クッキー」。

本来であれば返ってくるはずもない返事。しかし異変が起きます。黒にんにく味クッキーがこちらを見るではありませんか。ホワイトゴースト味クッキーは驚きます。「私が見えるの?」と。

「私が…クッキーに見える?」

この時、黒にんにく味クッキーの「オバケに会いたい」という願いでホワイトゴースト味クッキーの体は実体化を果たしていたのです。

一方でやっと自分の話を聞いてくれそうなクッキーを見つけた黒にんにく味クッキー、おそらくは必死でホワイトゴースト味クッキーを勧誘します。彼女は承諾してこう言います。

「私と一緒に遊ぶ?」。

それからの二人の時間は楽しいものでした。オバケ部には専用部室がないため、彼女たちは屋上でこっそりと活動する道を選択しました。そこで黒にんにく味クッキーが魔法陣を描いたりお化けが出る呪文を唱えたりします。

部活動というにはあまりにもささやかなものです。

しかしホワイトゴースト味クッキーから見れば、黒にんにく味クッキーと一緒に絵を描いたり歌を歌っているような楽しい時間。一方の黒にんにく味クッキーにとっても、自分の話を真剣に聞いてくれるホワイトゴースト味クッキーはかけがえのない存在になりました。

下校の時間が迫り、ホワイトゴースト味クッキーは満足した笑顔でこう言います。「楽しい一日だった」。

「あの頃はとっても楽しかった」

家に帰る黒にんにく味クッキーを校舎に残ってホワイトゴースト味クッキーは見送ります。

「さようなら 黒にんにく味クッキー」。
この日々がずっと続くと信じて。

「明日もここにいるね」

しかし二人には致命的な問題がありました。

ホワイトゴースト味クッキーがオバケ部に入ったのは「卒業前」。

親交を深めるための時間は、ほんのわずかしか残されていませんでした……

そして本編へ

以上は私の幻覚ですが、おそらく似たような出来事はあったのでしょう。

そして黒にんにく味クッキーの卒業後。ホワイトゴースト味クッキーによる心霊現象のせいで受験者から敬遠された結果、廃墟となった母校を探検する黒にんにく味クッキー。その心の奥底にはずっとホワイトゴースト味クッキーの姿がありました。長い学生生活のたった一瞬の宝石のような煌めきが、彼女の中でずっと眠っていたのです。

クッキーチャレンジではこの日々を思い出していたのだと思います。

「ずっと待っている友達がいるの」
「あの子も私のこと覚えているかしら?」















「もう絶対に忘れないよ…!」
「ありがとう。」
「いつもここで、あなたを待っているわ。」

追記

ホワイトゴースト味クッキーのハードチャレンジにも、ステージ最後に隠された文章がありました。

White Ghost(ホワイトゴースト味クッキー)
I can see you…(私は見えるよ)

脚注

注1: トリュフ味クッキーの説明が怪奇現象の説明になってないのがポイント

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