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第13回公開研究会「コロナ禍から世界のマンガを考える」

「日本マンガ学会」というかなり敷居の高そうな響きのするところで、この本の企画について話をします。

この本とは、2021年の春くらいに出版予定の自主制作本、『A DAY IN THE LIFE 7都市・7人の作家が描く、 新型コロナウイルス・パンデミック下での、いつもの街の物語』のことで、その名の通り、現在のパンデミック下にある世界のいろんな街でのいつもの一日、をテーマにしたコミック短編集です。

※本の概要はこちらです。もしよろしければ。

日本マンガ学会は、公式の概要によると、

マンガ研究の深化・拡大および研究者相互の交流の促進
最新の研究成果・内外の膨大なマンガ情報の体系的な整理・公開
全国的なマンガ関連情報のネットワーク形成
 そのために行うこと
→各種研究会、シンポジウム、講演会などの開催
会誌『マンガ研究』の発行
辞典・情報誌『マンガ大系』(仮題)の発行
関連資料の収集・保存・整理

とあります。
「学会」だけあって研究者が集って、進めている面が強いですね。
かなり場違いな感じがしますが…、今回登壇させていただくのは、日本マンガ学会の部会のひとつ、「海外マンガ交流部会」の「第13回公開研究会」。ほんのすこしカジュアルな響きになって、ほっとしました。

司会を努める翻訳者の原正人さんにお誘いいただきました。
原さんとは何度か顔も合わせていたし、イベントごとでもよくご一緒させていただいていたので、出させていただくことにしました。とてもありがたいです。

今回の公開研究会は「コロナ禍から世界のマンガを考える」というタイトルがついてます。
このコロナ禍の中で、日本でもマンガにかぎらず、あらゆる作品制作・表現をとりまく環境は大きな変化があったんだと思います。

SNSでは日々ウイルスを取り巻くいろいろな状況がマンガで表現されていたし、アマビエなんかもそこから生まれていた。
講談社が企画した連載作家100人による100日間日替わりでリレー連載する「MANGA Day to Day」などの試みもありました。

そしてこれはもちろん、日本だけのことではなく、多くの国でも起こっていることなんだと思います。
今回の「第13回公開研究会」では、英語圏の政治風刺マンガ(フェイクニュースや各国のコロナ対応、アメリカ大統領選、そしてBLMなどについてかな、と思ってます)についてや、京都国際マンガミュージアムで企画されたオンライン展覧会「マンガ・パンデミックWeb展」、グラフィックメディスン(医療とグラフィックの関係。ぼくは今まであまり考えたことなかった)、SNS時代のコミック表現(たぶんコロナ禍以降)など、とても興味深い話が聞けそうです。

ぼくは、今作っている『A DAY IN THE LIFE』という短編集について、なぜ企画したのか、作家、翻訳者とどのようにコミュニケーション、制作をしているか、あとはすでにある程度できている原稿をいくつか紹介できたらと思います。
そして、なぜ韓国、フランス、アメリカの作家がいないのか、みたいなことについても話せたらいいなと思っています。
うまく話せるか自信はないですが、がんばってみます。

世界を見渡すと、世の中かなりいろんなことが高速で変わっていて、それがこの新型コロナウイルスによって一気に10倍速くらいなったように思います。
一方で、まったく変える必要のないもの、変えなくちゃいけないのにまったく変わらないもの、変えたくなくても残念ながら変わってしまったもの、など、いろんなパターンがあって、それらが一気に混ぜこぜになって、押し寄せてきて、混乱したのがこの一年だと思います。
これが文化に影響しないことなんて、あり得ないと自然に思える。
今回の公開研究会はそれの「世界のマンガ表現」への影響についてそれぞれのプロジェクトを通じて考える会になるのかな、と思っています。

もし、上記のテーマに少しでもご興味があれば、無料で参加できますので、ぜひお越しください。いろんな人のいろんなプロジェクトがあるので、ぼくも楽しみです。

日本マンガ学会 海外マンガ交流部会 第13回公開研究会「コロナ禍から世界のマンガを考える」
日時:2021年2月6日(土)14時~17時(報告は16時まで。その後は質疑応答・討議)
会場:Zoom(URLは追ってお送りします)
参加:無料
主催:日本マンガ学会海外マンガ交流部会

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