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いのちびとメルマガ(105号)

『四葉のクローバーで Good Luckの輪を届けます』
(2020 .9号より)

 Sさんは、四葉のクローバーを直ぐに見つけることができる特技があります。10分で30本もゲットすることも。

 友人が病気になり、最後は地元で過ごしたいと地元の病院に戻って来ました。
 ある日、友人の奥様と、偶然お店でお会いして友人の様子を伺いました。Sさんは、根がしっかり出ている「四葉のクローバー」をペットボトルに入れて病室に差し入れしました。友人はべッドサイドにおきました。お見舞いの方、看護師さんなど、四葉を見つけると、みんな「すご―い」と笑顔いっぱいに。

 友人が旅立った後、奥様とあのお店でばったりと再会しました。
 奥様はお礼を伝えたくて、定期的にお店に来られていたのです。「人生のラストに、にっこりできる瞬間が生まれて本当に良かったです。ペットボトルの四葉は、まだまだ元気で新しい芽が次々にでています。いのちのバトンタッチですね」と言われました。

 コロナ禍で地元行事もすっかり中止となり、休日はゆっくりと公園を散歩できるようになりました。そこで、3か月で4000本の四葉のクローバーを摘み、地元の医療・介護・福祉施設へ「Good luckの輪」としてプレゼントしました。

 いのちをバトンタッチする会にも、一枚一枚を丁寧に包んだ50本のおすそ分けが届きました。早速、愛知県内の大学病院の小児病棟に届けようかと考えました。とはいえ、抗がん剤治療をする小児がん専門病棟では、生ものは厳禁です。どうしたものかと思っているとある大学病院からメールが届きました。

「大丈夫です。一つ一つをラミネートにします。遊び方も考えてみます」。大学病院では、病棟内のプレールーム、ナースステーション、処置室などにこっそりと貼って(探せば見える)、宝探しゲームをしたのです。子どもたちは、みんな笑顔いっぱい! 痛い注射もガンバルぞ!になったそうです。

 Sさんの四葉は、もう5000本を越えました。地元市民病院のロビーには、四葉とメッセージが掲げられています。「たくさんの命を支えてくれる すべての方へ ありがとう」

 四葉のクローバーが幸せを届けてくれるのではなく、人の思いやり、優しさが幸せにしてくれると教えてもらいました。

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