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いのちびとメルマガ(112号)

『ただ生きていることに、感謝して』
(いのちびと2021.1号より)
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Yさんは乳がんになりました。
当時は、仕事仕事で、「私が頑張らねば」と身体は疲れ果てていました。でも、周りに「助けて」と弱音を吐くこともできません。ある日、「病気になれば、逃れられるかもしれない」と思いました。

間もなく胸にしこりを見つけました。
数週間後に長男の結婚式が控えていました。医師の告知にただ茫然。「なぜ私が…」と思うばかり。手術・放射線・内分泌療法と、どんどん治療が進んでいきます。薬の副作用で感情が上下しやすくなり、精神のバランスがよく崩れました。「うつ」状態だったのでしょう。私はどうなっていくんだろうと不安で仕方ありませんでした。

そんなNさんを心配して、友人がある医師を紹介してくれました。「一度行ってみたらいいよ。きっと答えが見つかるから」と言って。Nさんは藁にもすがる思いで車を走らせました。医師は穏やかに話してくれた。

「病気というのはある意味で、生き方の反映なんです。自分を見つめ直し生き方を変えていくのが、病気を治す第一歩。病気に答えるのは自分。自分を欺かず、まっすぐ生きなさい」

Nさんは生活を見直しました。毎日自分の身体に「ありがとう」と感謝を伝えました。自分に嘘をつかず、「心が喜ぶこと」を選択する。生かされている「いのち」をもう悲しませたくない。自分がご機嫌になることで、身体中の細胞が最高に喜んでいてくれるような気がしました。

生き直しを始めて間もなく、四人の孫が次々と誕生。「みんな産まれてきてくれてありがとう」と感謝の気持ちでいっぱいに。自分の立ち位置が「いのち」にシフトした時、新しい人生が始まりました。今、京都の地にて、楽しいに出会える地域コミュニティを目指して「Art Cafe」を開業。いのちの絵本の企画出版などにも取り組んでいます。

自然な笑顔で語ってくれました。
「これからも自分に正直に、まっすぐに生きていきたいと思います。ただ生きていることに感謝して―」
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