不器用軟弱男、世にはばかる -タクシードライバー-
うだるように、本当に暑い。うだるがなるたか。今年はコロナウィルスの猛威の中ではあるが、ねぶた祭りをはじめ、お祭りをするらしい。ちなみに地元の大きいお祭りが8月頭にある。例年であれば最終日には花火大会があるのだが、今年も花火大会はないようだ。どうせならすればいいのにとおもうが、一つのところで大勢が固まることによる感染拡大を避けるためなんだろう。
お祭りの思い出であるが、女の子と行った甘酸っぱい思い出もなければ、男友達と繰り出し酒での失敗・・・なんてのももない。私にとってのお祭り、それは親と一緒に行った思い出だ。友達が、村上龍よろしく、限りなく透明に近いぜろの私は高校生まで家族に連れられてお祭りに出る超軟弱男子。成人になってからは、少ない給料の中から数万円を握りしめ、リアル充実な男女の不幸を祈祷するが如くパチンコ屋のサンドにお金を突っ込んでいた。当然、散々負けて帰路に着くのがデフォなのだが。
タクシードライバー観了しました。
見るきっかけとなったのは、爆笑問題カーボーイで太田さんが、安倍元首相の事件に触れたときに、ホアキンフェニックスのジョーカーと、キングオブコメディ、そしてこのタクシードライバーを言ってたんですね。有名な作品って聞いてたんで、ネットフリックスで見たんですが、確かに重なる部分が大いにあるというか。なんかすごいなあ、って思っちゃった。
以下、多分に私感が入ったあらすじと感想です。
主人公は不器用で内気な軟弱男トラビス。恋愛に人生にこじれこじれた結果、社会のせいにしちゃい、挙げ句の果てには世を正すために大統領候補を暗殺しようとするトラビス。そんなトラビスは暗殺のために銃を手にするんだけど、銃は人をかえてしまうんですね。仮面ライダーの変身ベルトを身につけた少年のように、彼はその銃に見合った人間になるために肉体改造に出るわけなんですよ。(のちのデニーロメソッドって方法で超ムキムキ)銃を購入し、肉体改造により立派な暗殺者に仕上がったトラビス。(気の大きくなったトラビスはコンビニの強盗も大撃退!)大統領候補暗殺を目論むも、どこか虚しさを抱えている(映画かドラマのワンシーンで頭を抱えるトラビスに私は涙)と、タクシーに乗り込んできた少女アイリス(これ若き頃のジョディフォスター!)と街中で偶然再開。実は売春をしていた、若干12歳の少女アイリスに老婆心というか、父性が働き、売春宿の一室で説教しちゃうトラビス!私は彼の気持ちが痛いほどわかる!
かく言う、私もデリヘルを呼んだ時に、デリヘル嬢に説教かましたもんなー。結果、説教の代償は大きく、全くのサービスも受けることなくノーフィニッシュでタイムアウト。余った時間で、ホテルのピンクチャンネルで抜いたのは秘密です。トラビスも同じく性的なサービスを受けることなく、彼女に大胆な説教!
ただ、僕と一つ違うのは明らかにアイリスはトラビスに父性を感じ、若干売春から足を洗おうとするんだよなー。トラビスはその後、大統領候補の暗殺に挑むんだけどしくじり(何回か下見をしたときにSPにめっちゃ話しかけるお調子者トラビス。そして気合を入れてモヒカンにして超目立つ)、その失敗した足でアイリスを売春宿の親父と斡旋をしていたスポートって男を銃で撃ち殺すんですよー。その際負傷して倒れたトラビス。
で、その結末が面白い!トラビスは少女を売春から救ったヒーローとして、アイリスの家族に讃えられ、地方紙では英雄扱いされてしまうんですよ。そしてピンク映画に誘ってフラれた女は、トラビスが運転をするタクシーに乗って、なんとなく色気を振りまいてるわけなんですよ。なんだそれは
とにかく、トラビスは不器用な内気男性だったわけですが、銃を持つってことで、思考が変わり肉体までも変わっていったわけです。その結果、殺人は犯しちゃうのに評価されるっていう捻れがすごく違和感というか。
とにかく世にはばかった、トラビス。そんなトラビスに幸あれ!
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