「池上彰が密室殺人事件をわかりやすく解説！」

池上彰「さて、みなさんにお集まりいただいたのは他でもありません。」

「池上彰が密室殺人事件をわかりやすく解説！」

池上彰「今回の事件のポイントを３つにまとめてみました」

高橋英樹「すいません」
池上彰「はい、なんでしょう」
高橋英樹「なんで犯人は事件を起こしたのか？は考えないんですか？」
池上彰「動機の話ですね。なぜ犯行を犯したのか。これは結局、犯人に聞いてみないとわからないんですね。例えば、同じお金の問題でも一億円取られたなら普通は恨みますが、一万円ではどうですか？宮崎さん？」
宮崎美子「まぁ、殺人まではしませんよねぇ」
池上彰「春日さんはどうですか？」
オードリー春日「春日から一万円を奪うなんて、そりゃ万死に値するに決まってるじゃないですか」
池上彰「このように一つの出来事でも人によって捉え方は違うんですね。なので今回は動機の問題はいったん置いて、誰が犯行可能だったのか、という点をご説明いたします。」
　

池上彰「それでは、１の『どうして現場は密室になっているのか？』これをご説明いたしましょう。こちらに犯行現場の模型を用意しました」

（スタッフ、模型を運んでくる）

土田「なんかビフォーアフターみたいじゃないですか？」
劇団ひとり「なんということでしょう！w 」
池上彰「中田さん、そもそも密室って、どんな状況のことでしょう？」
オリラジ中田「えーっと、中に誰も入れないところに、死体があるってことですよね。」
池上彰「うん、大体そんなところですよね。部屋の窓やドアには鍵がかかっていて、抜け穴もない。もちろん外の人は部屋の中に入れない。これ、犯人にとってどんないいことがあるでしょう？」
オリラジ中田「死体が見つからない、とか？」
池上彰「そうですね、発見を遅らせることができる、というのが、ひとつのメリットですね。その間、犯人は遠くに逃げたり、証拠を隠したり、時間を稼ぐことができます。しかし…」
劇団ひとり「今回は部屋から叫び声が聞こえて、みんなすぐに駆けつけましたよね」
池上彰「そうなんですね。」
土田「でも叫び声が聞こえた時には全員アリバイがありましたよね？」
池上彰「いい質問ですねぇ！」
　

池上彰「ここで密室の謎より先に次のポイントに行ってしまいましょう。実は２の『犯行時刻はいつなのか？』と３の『犯人は誰なのか？』は一緒なんですね」
上原美優「いっしょ？」
池上彰「犯行時刻がわかると、犯人もわかってしまう、ということです」
上原美優「そうなんですか？」
池上彰「実は私達は、全員にアリバイが"ある"、と勘違いしているんですねぇ」 
劇団ひとり「ええっ！」
土田「どういうことですか！？」
上原美優「勘違い？」
池上彰「それではここで関係者全員の当日の動きを見てみましょう。ボードお願いしまーす」

（スタッフ、ボード運んでくる）

池上彰「スタッフの方に作ってもらいました。ずいぶん大きなボードですが、上の方見えますか？若林さん」
オードリー若林「はい。えっ、なんで僕に？」
池上彰「（無視して）あの日の0時から24時までの皆さんの行動です。さすがに皆さん夜中は寝てらっしゃいますね。一番早起きされてるのが高橋さん」
高橋英樹「年をとるとね、目が覚めるのが早くてね…」
劇団ひとり「桃太郎侍の泣き言じゃないですよ」
池上彰「続いて宮崎さん、そして皆さん次々起き出して、朝食をとるために食堂に集まったのですが…ここですね」
オリラジ中田「叫び声が聞こえたんですよ」
オードリー春日「春日がドアを破りましたよ」
オードリー若林「宮崎さんが鍵持ってきたのに勝手に破っちゃったんだろうが」
オードリー春日「ヘッ！」
池上彰「ありがとうございます。つまり叫び声が聞こえたときに皆さん食堂にいたんですよね」
宮崎美子「そうですね」
池上彰「ではたとえば…その叫び声が本物じゃなかったとしたらどうなりますか？」
劇団ひとり「本物じゃない？」
池上彰「もっとわかりやすく言いましょう。あの叫び声が事前に録音されたものだとしたら…？」
土田「アリバイ関係なくなっちゃうじゃないですか！」
池上彰「そうなんです。つまり、皆さんが思ってる犯行時刻と、本当の犯行時刻は、違うもの、ということに」
 

高橋英樹「もういい！やめてくれ！」
　

土田「えっ」
劇団ひとり「高橋さん…？」
高橋英樹「あいつが…あいつが悪いんだ…私をゆすり、金を絞り続け、渋れば家族にも危害が及ぶぞと脅し…だから私は、あいつを成敗するしかなかったんだ…」
宮崎美子「高橋さん…」
高橋英樹「ウ、ウゥ…」

池上彰「はい、では説明を続けます」
土田「もういいでしょう！」

（初出：http://inomys.net/2011/03/20110304_11042524.html）

--------------------------- end ---------------------------

（気に入っていただけたら「おひねり」感覚でご購入ください）