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読書珈琲リチル

BGMさえ流れない静寂な空間。


ライブの開場待ちに公園に居たら、サラリーマンが檻の中の白熊よろしく携帯で大声で電話しながら常同行動をしてて、僕の前を行ったり来たりするもんだからスマホの地図でこの近所のカフェを探していた。

ここは名古屋市の今池にある小さな公園。
元SKE48の松井珠理奈さんの足型が飾ってある。


すぐ近くのカフェが見つかったので、白熊を放って置いて向かった。

入口には「2F 読書珈琲リチル」とだけ書かれた看板。


階段を上っていくとマンションのドアのような扉の横に「お喋りは控えて下さい」…と小さく書いてある張り紙があった。


ドアを開けると、ウッド基調の落ち着いた感じのカフェ。



夕方だったせいかお客さんは居らず、好きな席に座ることができた。


隅っこを選ぶ。


背の高い物腰柔らかそうなマスターが水とメニューを持ってきた。


見ると飲み物は1時間の基本料金制。

以降10分毎に上がっていくカフェには珍しい、タクシーのようなシステムだった。

コーヒー一杯で粘って粘って…の人には向かないかもしれないが、逆に粘ってもお金を払えば大丈夫という小心者の僕には安心のシステムでもある。

苦味やコクがあるコーヒーが好きなので珈琲専門店で頼むのはブラジルサントスが多くメニューにもあったので注文する。

キッチンでミル挽きの音がして、その後にコンコンコンとミルの受け箱を叩いて粉をネルドリップに移している音が聴こえる。

そう。ここはBGMさえ流れていない静寂な空間なのである。

ともすればネルドリップに落とすお湯の音もするかもしれない。

何となくここではスマホを触ってのゲームやSNS巡りをするのがはばかられた。

本が読みたくなる。

本棚もあるがここは自分の鞄の隅に入れてある本を読むことにする。

コーヒーが来た。

ビスコッティが付いている。


美味い。これは美味い。


また次のお客さんの注文のミル挽きの音が聴こえてコンコンコンと粉を移す音に変わる。


読書珈琲リチル


中毒性のある貴重な静寂空間の素晴らしいカフェだった。


本の好きなあなた、機会があれば静寂を求めて行かれてみては?

http://www.litir-books.com/guide/

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